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夢 ~オムニバス~

作者: 鈴木道草

恐怖のあぜ道


 遠くに森が見える幅3メートルほどの田んぼのあぜ道を私と私の友人と誰だかよくわからない年配の男、そして私たちから数メートル離れた前を日本人ではないような髭面の風貌の男が歩いている。彼はオリーブグリーン色の服を着ていて軍人のように感じた。

 私は4人の中では一番後ろに位置していて、友人と年配の男は私のすぐ前を並ぶように歩いている。

 不意に私はその軍人のような髭面の男に不信感を覚えた。その瞬間、その男が身体を翻した。手には拳銃が握られているのが見えた。なぜかは分からないが、その男が狙っているのは私の友人であることを強く感じた。私はとっさに、

「危ない!伏せろ!」

と叫びつつ自分もあぜ道から一段下がったまだ水を引いていない耕したばかりと思われる田んぼに飛び込んで身を伏せた。

 銃声が響き髭面の男は逃げ去った。私はすぐに倒れている友人の元へ駆け寄り「大丈夫か?」と抱き起こした。

 友人の右手の二の腕に弾痕が見えた。年配の男が、

「どこにあるんだ?」

 というような意味の言葉を何度か発していた。私は年配の男が何を探しているのかその時は分からなかったが、友人をとにかくどこかの建物に運んで寝かせなければならないと思った。そして、友人をお姫様抱っこのように抱きかかえると、友人が撃たれている右手を挙げた。その右手はなぜか肘から先がついていなかった。それで私は撃たれた勢いで千切れてしまったのだと思った。そこで、先ほど年配の男が探しているのが友人の右手であることに気付いた。急いで繋ぎ合わせれば友人の手が戻るかもしれないとも考えたが、それよりまずは年配の男に急いで救急車を呼ぶように伝えた。

 歩いてきた道を少し戻ったところがT字路になっていて、そこを左に曲がればおよそ200メートルくらい先に見える民家に行けるだろう。私は友人を抱えて小走りに向かった。

 民家の方へ少し行ったところで誰かが「救急車が来たぞ!」と叫んでいるのが聞こえたので私は立ち止まって周りを見回したが、どの方向から救急車が来ているのかすぐには分からなかった。しかし、すぐ後にサイレンの音が聞こえ始め、それは左の方向から聞こえた。私はちょうど十字路に立っていて、サイレンを鳴らした救急車が森の影から現れるのが見えた。

 わたしはその方向へ走り出し、やってきた数人の人たちへ友人を渡すと彼らは友人を救急車へと運んで行った。私は救急車の後をついて行こうと考えていたが、救急車について行こうとする車には既に人がたくさん乗っていて私が乗るスペースが無いようだった。

 車は走り去り、私は茫然とその場に立ち尽くしていた。

 そこで私は目が覚めた。


 こんな夢を見たのはウクライナ戦争のニュースを見過ぎたせいなのかもしれない。



高層マンションに住む私


 わたしは12階建ての高層マンションに住んでいるようだ。そのマンションの近くに公園があり、私はそこにいた。公園には私の親類の母娘がいて娘は小学校低学年くらいに見える。私と従妹は大きくて平らな石の上に並んで座り、10メートルくらい前方にあるなにやら古めかしい木の枠が付いたテレビを見ていた。その一角はブティックの展示スペースのような場所であり他にも調度品らしきものや絵なども飾ってあったように思える。そのテレビは子供の頃に実家にあったものによく似ていた。

 テレビでは政治問題をコメンテーターが話している。とても興味深い話だったが、私はとても眠くてうとうとしてしまう。気が付くと私たちには毛布が掛けられていた。従妹の娘も眠っている。テレビは面白そうな部分が既に終わっていた。このテレビは実は動画配信であり簡単に視たいところまで戻せるので、私は眠ってしまう前まで動画を戻そうと思い立ち上がりテレビの方へ向かうつもりだった。ところが体に掛けてあった毛布がしつこくまとわりつき離れない。私はそのまま毛布を引きずるような感じのまま歩き出し、なんとか毛布をまとめ上げて抱えることが出来た。

 気が付くと、なぜか私は自宅マンションの横の道を通り過ぎ両脇が森で囲まれた、まるで明治神宮の参道のような道を歩いていた。なぜこんなところにいるのだろうと思いなおし、元来た道をまたマンションの方へと引き返した。

 マンションの横まで来ると、まるでデパートの駐車場にいるようなきちっとした制服をきた係員が3人と数人の女子高生たちがいて、係員の中の一人がその子たちに政治問題について語っていた。すると今度は、マンションの前のほうから大勢の拍手が聞こえたのでそっちを見てみると、人の姿は全く見られなかったが、選挙の街宣カーが停まっておりマイクで他党の非難をしているような演説が聞こえてきた。その声はあるYOUTUBEチャンネル聞いたことのある人の声だと思った。

 公園のある方向をみるが、公園はちょっと遠いので美しく木が並んだ交差点しか見えなかった。しかし、私には親類の母娘が既に帰ってしまったことがわかったので、マンションに戻りながら毛布をいつ返しに行こうかなどと考えた。

 マンションのロビーはまるでホテルのようで、エレベーターが2つ並んでいるが左のエレベーターは下り専用なので私は右の登り専用の方へ乗った。

 しかし、私は自分がこの12階建てのマンションの何階に住んでいるのかがどうしても思い出せなかったので焦ってしまった。一緒に乗った40前後の眼鏡を掛けた男がいたので、その人に「何階ですか?」と尋ねると7階だというのでボタンを押してあげた。

 男は気さくに話しかけてきて、「電気代が高くて困っている」といったような内容の話をしている。家族にも節電するようにいつも言っているそうだ。男はしゃべり続けているが私はそんな話より自分の部屋が何階だったかを思い出すことに必死だった。7階に止まり男が降りて少し落ち着いた私は、やっと自分が10階に住んでいることを思い出すことが出来た。そして、エレベーターは動き始めたが私はここで目が覚めた。


ニュース動画をみながら寝落ちするとこういう夢が見られるようだ。



社長に会いに行く


とある会社の社長に会うために、私はそのビルを訪れた。私は同僚の女性を同伴していたが彼女の顔には見覚えがない。それでも私は彼女に少なからず好意を持っているように思えた。

 ビルに入りエレベーターに向かい、ボタンを押すとエレベーターはすぐに開いた。社長室はこのビルの最上階である6階にあることを私は知っている。中に入り6階のボタンを押したが上手く押せなかったのかボタンは光らなかった。すぐさま同僚の女性が6階のボタンを押すと今度はボタンが光りエレベーターは動き出した。

 エレベーターのドアが開くとそこは社長室だ。部屋の中にエレベーターがあるのだ。30畳くらいある部屋はなぜか照明が点いていなかったが窓からの太陽光があるので少し薄暗いといった感じだ。席には社長はおらず中を見渡したが、やはりどこにも彼の姿はなかった。

 不在なのか?と思ったがある思いがして後ろを振り返った。

 やはりである・・・。

 エレベーターを少し離れた右側にドアがあり、ドアの左上に丸く作られたガラス窓、そこが明るいオレンジ色に光っている。彼はトイレ中なのだろう。

しかし、なぜかそのドアは僅かに浮いており、キチンと閉まっていないようだ。私は近づいてそっとドアを開けてみた。

 そのスペースはまるで海外のバスルームのような空間で、トイレとシャワーとバスタブがあり、急にこの社長室の空間に生活感を与えた。それをさらに強めたのが、その一角にある高さが1メートルほどの冷蔵庫だ。こうなると、もうここは社長室というより社長の生活空間という印象になった。

 私は急に、社長が普段どんなものを食べているのかが気になってしまい、冷蔵庫のドアを開けてみた。中は2段に分かれており上の段には4つ、下の段にも5つか6つのレトルトであろうカレーの容器が積み重なっている。しかも、下の段にある容器は既に空である。つまり食べ終わったゴミが冷蔵庫に積み重なっているのである。下の段にあった別のパックを見てみると、「ミルキLクレープ」というラベルが貼られたスーパーのお惣菜のような容器が目に入った。名前は「ミルクレープ」のようだが実際にその中身はというとフキやイモやニンジンといったような野菜の煮物のように見えた。

 この社長はカレーしか食べてないのかな?そんなことを思ってみたが、それはどうでもいいことだ。問題は社長が不在であるということだ。私は同僚を促し一緒に退去した。

 外に出て同僚の女性と社長の冷蔵庫のことについて何か話しながら歩き始めたところで私は目が覚めるのだった。

面白い夢が集まったら、また紹介したいと思います。

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