「」を嫉む地は狂気を諳んじる。
私は彼が嫌いだ。だって彼はそこにいて、居ないじゃないか。
見るものによって認識は変わり、挙句の果てには大いなる物と捉える人すらいる。
私も彼のように七変化の百面相を演じてみたい。
私は役者だからね、ピエロの運命を求められるのさ。
けれど、ニニギのようにビッグな人物とはなり得ない小役者でね。それはそれは陽だまりの隅っこのような人物だ。
隅に住まう蟻を潰したところで人間は何とも思わないだろう。
私は、その蟻だ。
彼に間借りしている、ちいさなこあり。え? 役者じゃないのかって?
蟻が役者をやって何が悪い。ちょっと卑屈な役ならば、よく貰えるのさ。
他とは無関係