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竜の姫君と巫女  作者: 剣持真尋


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星崩し

 ミンツェは首無しのラジャブの手をとり、指輪を片腕で器用に外し、腹を蹴飛ばした。「助かったよ、ルーク君」死体が重なった。


「こちらこそ」彼は血が付いたセドリック・アルベルト・モワナを拭きはじめた。それはミンツェに魔法を放つ寸前だった、目の前に倒れている教団幹部らしき女の血液だった。《第七星教》の親衛隊は彼とスクラッパーが全滅させ、最後の生き残りがルークの背後に飛びかかるところをミンツェが狩り、標的に向かって先に歩いていったのだ。ラジャブがアダムソンの指輪を使って洗脳していると、知っていた人間はどれだけいるのだろう、とルークは思った。奴に献上したタローランは死ぬ前に記憶を処理されていた。おそらく、教団内部には誰もいないだろう。少なくとも生きていた使徒は全員支配下にあった筈だ。ルークたちギルドの少人数と、クロスター・ディケンズという政府の重役とその部下か。


「誰か損耗はあった?」ミンツェがきいた。


「いいえ、全員無傷です」ルークは剣を鞘に納めた。「やはり、この女性も賞金首です。ドリー・クックソン。ラジャブの秘書であり愛人、今年の冬に起きた集団自殺の煽動者」ルークは手配書を出して読む。「よかった」


「なにがよかったんだい?」ミンツェは首を傾げた。「犯罪者だから殺してよかった?」


「ただの被害者を殺すのはまずいでしょう」ルークは大広間から我先にと逃げ出している信者たちを見ていった。「やりすぎれば逆に捕まるのは僕らでしょう。目的は指輪です」


 ミンツェは手に入れたアダムソンの指輪をポケットに入れた。「君はなぜ私たちと同じ任務に関わったんだい、期待のルーキー?」彼女は死体を跨いでルークと合流して、彼の頬にキスした。「ジーラたちがいなくなって寂しくなった? 妹も行動不能になって?」


「単純に報酬が高額だからです。お姉さん」


「大切な妹君のために頑張っているんだね」


 ルークは頷いて認めた。ロベリアの火傷を癒す薬は高価だ。「ギルドへ戻りましょう」


「そうだね」ミンツェは、舞台から降りた。「ミトラが暴走して、手当たり次第に信者を殺したら大変だし。ロバートたちを探そう」

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