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兄妹
だが、ルークは落ち着いて右手を衝撃波に差し向けた。
「反射魔法」
と、斬撃がまるで見えない壁に弾かれたように向きを変え、逆転した。ギルドマスターに迫るが、彼の防御魔法は健在で、自分の攻撃も相殺してしまう。しかし、
「なっ……?」精神的な動揺は隠せないようだ。「君の魔力量じゃ、この上級魔法は体現できないはず」と言って、僕ではなくロベリアを見た。
「魔法を行使したのは私ではありませんよ」ロベリアは得意気に言ったが、
「なるほどね……」ギルドマスターは理解したようだ。「たしかに魔法の行使は青年が行った。しかし、そのための魔力は君が供給したのだな」
「そうです」ロベリアは認めた。「私がいれば、お兄さまは最強なんですよ」




