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罪の無い者、犯した者


「ウィロードの魔女ですって?」ジーラがロベリアを睨み付けてその言葉を聞き返した。


 彼女はマリウスに、二人をサラサに会わせたことを怒ったが、マリウスが新しい手のひらを見せると黙った。「俺が受けた恩は大きい。その礼だとしても安すぎるくらいさ」


 ルークとロベリアは首長室にて、ギルドマスターとマリウス、そしてジーラと顔を合わせていた。今、地下牢の前にはジェレミーとリリアンという男女が待機している。


「はい、それが聞き出せた情報ですわ」


 可哀想なサラサは、情婦ではなくドモンジョの娘だった。ルークが、彼女は逃げた父親の居場所を本当に知らないと答えたことを伝えると、ジーラは動揺した。宿の女中は内通者でもなく、父を殺しに来たらしい連中に気づき、警告した。健気な少女を痛めつけたという事実に、室内の空気は重苦しくなる。


「だけどお父さんはいっていました。俺は魔女に命令されているんだって。逆らえない呪いをかけられて!」


 だから、その女を倒して。父を救って。


「呪いだと……」ギルドマスターが呟く。「ドモンジョは自分の意思で強盗をしていたわけではないのか」


「そういうことになります」とルーク。


 ドモンジョの罪は、強盗と殺人。特筆すべきは、奴の殺した人間は押し入った民家の住民と、自分を狩りに来た都市憲兵やハンターだけだということ。つまり奴の犯行は、


「金品だけが目的」


 なのだろうか?


「その、ウィロードの魔女とやらに貢がされているんだな」マリウスが腕を組んだ。「ドモンジョを殺しても、この事件は終わらないかもしれない……」


「拷問は中止だ」ギルドマスターがいった。「扱いを拘束から保護に変更する。彼女はジャクリーヌではなかった。だが、依然としてドモンジョは此処に襲撃してくる可能性が高い。娘を救いに。警備を怠るな。そして、ドモンジョの行方と同時に、魔女についても調査を進めよう」

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