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《……このっ、どうしてくれんのよ〜〜っ!!》


「お、お……落ち着いて、愛理…………」


 後日、愛理から早朝の電話を受けて俺は目覚めた。

 話題は例のコンクールの件についてだ。


「い、いや、あれは不可抗力だったんだって! まさかネットでこんなにバズるなんて思ってなかったし!」


「それにしてもどうしてくれんのよ……! まだバレてないとはいえ、父さんと母さんに見られたらあんなの自殺もんよ……!」


「い、いや、何もそこまで……」


 プライドの高い彼女のことだ。恥ずかしいのをどうにかしてあげたいのは山々だが、こっちとしては成す術がない。


「と、取り敢えず学校で話し合おうよ」


「待ってなさい……絶対責任取らせてやるんだから!」


 ひぇっ、恐ろしい……。


 もしも愛理の両親が例の件について本当に知ってしまったら、どうなってしまうことやら。


 愛理の親か、一体どんな人たちなんだろうな……。


◇◇◇


 翌日、学校では愛理の受賞の話題でもちきりだった。


「雛沢すげー」


「頭いいし勉強もできるしなー」


「おっぱいもでけえしー」



「きぃいいいいいいいいいいいいい〜〜……!!!!」



 やっべぇ、愛理ブチギレてる。

 くわばら、くわばら。


「起立。礼。着席」


 ホームルームになって入ってきた岬先生はどこか機嫌が良さそうな様子だった。みんな何事かと少しそわそわしながら教卓の方を見ている。


「実は今日、特別なゲストが来て下さいました! この学校の理事も務める、雛沢愛理さんのお父さんです!」


「えっ、お、お父さん……!?」


 えっ。愛理の父親ってそんな立場の人だったんだ。

 通りで愛理も有名人なわけだ。


「ご紹介に預かりました。雛沢愛理の父で、雛沢(ハジメ)といいます。みなさんよろしく」


「「「「よろしくお願いしまーす」」」」


「今日、学校に来たのは娘の作文コンクール受賞を祝うため……と、言いたいところですが、実は違います。今日はみなさんに大事なお話があってきました」


 愛理の父はよどみなく話を続けた。

 長身でオールバックの髪型に低い声。

 のりの効いたスーツがさらに威厳を際立たせている。


「」

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