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竜宮農場へようこそ!!  作者: たてみん


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しんがりと釣り

前話「よし、せっかくのダンジョンだし、シビアな戦闘もしないとな」

今話「ごめん、私にシビアもシリアスもやっぱ無理だったよ」


さて、徘徊型ボスか。

タコはレイドボスだったから除外すると、カウクイーンに続いて2体目だな。

ただ、カウクイーンと違って呪われている訳でもなければ、ヤドリン達みたいに友好的な雰囲気のかけらもない。


ひょいっ

「……」


うーん、魔石を投げても見向きもしないってことは、いつもの餌で釣るの作戦も無理か。

ブリラさん。魔力の篭った石が好みだ、なんて言ってたけど、あの顔は新鮮なお肉も大好物っぽいぞ。


「ま、逃げるだけなら何とかなるだろ」

「なんだ。てっきり皆に黙って一人で討伐する気なのかと思ってたぞ」

「ん?」


横を見ればなぜかブリラさんが腕を組んで立っていた。

みんなと逃げたんじゃなかったのか?


「みんなは大丈夫なのか?」

「ああ。タツミ達が居れば問題ない」

「あと、ボス戦には加勢出来ないんじゃなかったのか?」

「討伐する気ならな。逃げるなら話は別だ。

無事にクライアントを逃がすのも案内のうちさ」

「という事は、のんびり休憩してた俺達を見逃してたのも?」


そう聞くとニヤリと返された。


「良い経験だっただろ?

ただまさか本当にあれをおびき寄せるとまでは思ってなかったがな。

っと、避けろ。来るぞ」

「はいはいっと」


急いで横に飛びのく俺達。

ボスまでの距離は約5メートル。

いくらデカいと言っても2歩はある。

その状態で仕掛けて来るって言ったら、大体決まってる。


「キチキチキチッ」

ボオオオッ

「って火炎放射!?」


てっきり蜘蛛なんだから糸を吐くとか、そんなのだと思ったのに意外過ぎだろ!

あれか?普段はこの辺りの魔物をローストして食べてるグルメさんなのか!?

おっと、前方にお誂え向きに岩トカゲ発見。


「ほらご飯です、よっと」

「キチチッ」


トカゲの尻尾を掴んでボスへと投げ込む。

すると待ってましたと言わんばかりに炎で包み込み、パクリ。


「本当に食べるのかよ。とんだ悪食だな」

「まったく、その通り、だよ、なっと」


近くまでやってきたブリラさんが全長1メートルを超える岩イノシシを遠心力を使ってボスの上を飛び越えるように投げ飛ばした。

するとさっき魔石には全く興味を示さなかったのに、しっかりとジャンプしてキャッチするボス。


「さっき魔力の篭った石が好物だって言ってなかったっけ?」

「言ったぞ。だから見ての通りだろ?」


いや確かにここの魔物も石で出来てるけど。


「あれって魔石の事じゃなかったのか」

「魔石じゃ小さすぎて食いでがないんじゃないか?」

「そんなものか。それで、このまま満腹にさせれば見逃してくれるとか?」

「それも方法の1つだ」

「なら作戦続行で」


他にも方法はあるみたいだけど、良いだろう。

幸い口を動かしてる間は近づいては来ないみたいだし。

ただなぜかこのゲームでは魔物に餌付けをする機会が多い気がするな。

きっとそういう世界観なんだろう。うん。

でだ。後の問題はつぎの獲物(魔物)まで距離があることくらいか。


「遠いなら引き寄せればいいな」


俺はアイテムボックスから『はじまりの釣り竿』を取り出した。

これ本来は地上から水中の魚を釣る為の装備なんだけど、俺の場合水中に居るから使い道があまりなかったんだよな。

ま、大切なのはこれも『不懐』特性付きだってことだ。


「よっ」

ひゅんっ、ガシッ!


釣り竿を振って釣り針を飛ばす。

すると見事、岩リザードマンの口に釣り針が引っ掛かった。


「ふぃーーっしゅ!」


魚が釣れた時の掛け声を発しつつ、力の限り釣り竿を引き上げてリザードマンを釣り上げる。

釣り上げた先には当然ボスが待ち構えているので、そのままボスの口にダイブ。

あ、流石に一口で丸呑みとはいかないか。

あとこれ。上手くやればボスも釣れる?

……無理か。上手く釣り針を引っ掛けられても、あの巨体は持ち上がらないな。


そうして15体ほど魔物を放り込んだところで、ボスの様子が変わった。

姿は変わらないけど殺気というか闘気が弱まった感じだ。


「どうやら満腹になってくれたみたいだな」

「そのようだ。よし。今のうちに撤収するぞ」

「わかった」


そうして俺達は動く気配の見せないボスを後ろに第9階層への階段を下りて行った。

そして第9階層に入ったところで待っていてくれたみんなと合流する。


「あ、来た来た」

「カイリさん。ご無事でなによりです」

「あんまり無茶しちゃだめよ~」

「まぁなんだかんだ言ってこの中で一番生存能力が高そうなのがカイリさんですけどね」

「そうなんだよね~。戦闘職としてはどうなんだろうって思うけど」

「心配をお掛けしました」

「それで、ボスは強かった?」

「ん?あーどうなんだろう」


まともに攻撃されたのなんて最初の火炎放射だけだしな。


「他の一般の魔物を火炎放射で丸焼きにした後、あの硬い魔物たちをバリバリ食ってたから顎の力も相当あったと思う」

「……その言葉だけで何が起きたのか大体想像できるね」

「……カイリさんですから」

「むしろまた餌付けして従魔にしてくるパターンだと思ってたわ」


みんなの中でも俺の餌付けキャラが定着しているらしい。

いやまぁ間違ってはいないんだけど。

ま、それは今は良いや。


「さっきのボスは追ってくる気配はなかったけど、他に居ないとも限らないからな。

早めにこの第9階層を攻略して次のボス前の安全地帯にいけるようにしよう」

「「はい」」


そうして改めて第9階層を見渡す。

幸いにしてアクティブな魔物は近くには居ないみたいだけど、さて。

後書き日記 サクラ編


こんにちは。サクラです。

今日はイベント前のダンジョン探索ということでみんなで冒険です。

普段なかなか一緒に活動できないので嬉しいですね。


さて、肝心のダンジョンですが。

なんでしょうね、この安定感は。

普通生産職の人と一緒って言ったら、少なからず護衛に意識を置くものですが、皆さんとだと一切後ろを警戒する必要がありません。


「!」


むしろ油断すると獲物を取られる始末。

あの、リースさん?

暇だったからって、私達の前に飛び出して魔物を倒さないでください。

美味しそうだったからって。動く基準はそこなんですか?

まぁ今日のご飯を肉多めにしてくれるなら文句はありませんが。


「!!」


レイナさんにウィッカさんまで。

そりゃ話し込んでたのは私ですけど。

って、ツバキちゃんまで面白がって私側の魔物を取らないで!


そして中ボス戦。

取り巻きのリザードマンは通常より1まわり大きいようですが、レイナさんとウィッカさんでほぼ無力化。

カイリさんが前に出ると同時にリースさんも何か口に含んで……え?半透明化?

カイリさんが賑やかにしている陰で誰にも気づかれることなく魔物たちの背後に回り込んで首筋をスパッと切り裂いていきます。

あれはどう見ても暗殺者の動きですよね。

ご自身では自己評価がかなり低いようですけど、間違いなくこのクランの中核のお一人です。

その突飛な行動が何よりの証拠です。


と。取り巻きを倒したら親玉が動き出しましたね。

体格と力に任せた突撃。

ある意味正道。搦め手が得意な皆さんには厳しい相手。

ここからが私たちの本領発揮ですね。

幸いこのボスは威力重視のワンパターン攻撃。

多分HPが半分か3割を切ったタイミングで行動を変えるのでしょう。

なのでまずは半分手前まで削ります。


よしそろそろ。

と思ったところでカイリさんが今までと違う行動指示。

流石です。HPが半分になるタイミングを見計らってたんですね。

更にそこで部位破壊ですか。良いですね。

見事カイリさんがボスをノックバック。

そこへ私の全力スキル攻撃発動!


よっし!切れた!!


そしてHPも一気に2割近くまで減少。

やっぱり。水中に逃げようとしますね。

その行動を取ることは私もツバキちゃんも予想済みです。

さぁ、トリは任せましたよ、ツバキちゃん。



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― 新着の感想 ―
[一言] え?今回餌付け回無し?
[一言] みんな類友
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