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竜宮農場へようこそ!!  作者: たてみん


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勉強会を開こう

1日空いてしまいました。

m(_ _)m


来週はお盆休みだからいっぱい描けるはず(願望)

勉強会の開催が決まって最初の土曜日。

今日の午前中、10時~12時が第1回勉強会だ。

ホストである俺は少し早めにアプリを立ち上げて、勉強会の会場を用意しないといけない。


今回使うアプリ『ROOMミーティング』を簡単に説明すると、バーチャル上に自分の部屋を作って、友人と会ったり、同僚と会議をしたりすることが出来るアプリだ。

VRゲームとの一番の違いはPCのデータを参照することで教科書やノート、各種資料の閲覧と更新が可能ってとこだろう。

部屋のレイアウトもデータがあれば自由に変更可能だ。

まぁゲームでもやろうと思えば出来るんだろうけど、リアルを持ち込みすぎるとゲームの世界観が壊れるからな。


俺は普段使っている自宅の居間と同じデザインのルームにログインした。

あ、分かりやすいように自分のアバターはアルフロの時の姿にしてみるか。

後は皆にログイン用のパスキーを送るのと、皆用のフィッティングルームを用意しておいてあげようかな。


『ゲスト様からログイン申請が届きました』


……誰?

ってそうか。普段使ってないとアカウントなんて作ってなかっただろうからな。

ひとまず承認しつつ、フィッティングルームに送って「名前を変えてね♪」とチャットを送っておこう。

お、名前変わってる。今のはレイナだったのか。


『ゲスト様からログイン申請が届きました』


……意外とみんな使ってないのかな?

ひとまず承認しつつ以下略。今度はリースでした。


続いてサクラさん、ツバキさんもログイン。

ふたりは最初から名前が設定してあったから、以前から使った事があるみたいだな。

そうして全員集合して居間のテーブルを囲んだ。


「「……」」

「……『我が家にコスプレイヤーが集まった件』」

「ぐふっ」


場所と恰好がミスマッチ過ぎる。

うちは一般的な日本家屋からそうそう逸脱してない内装をしている。

そこにアルフロの格好まんまでみんなが集まると、場違い感が半端ない。


「……みんな、まずは普通の服に着替えようか。フィッティングルームに幾つか用意してあるから好きなのを着てくれ。

あ、先に言っておくと勉強するんだから奇抜なのは避けて欲しいかな」

「そ、そうね」


一瞬リースが目を逸らしたんだけど、何に着替えるつもりだったんだろう。

まぁいいか。俺も着替えないといけないし。

ただ俺の場合、どんな服があるかは大体把握しているし、すぐに決まる。普通に学校の制服で良いだろうな。

そして着替えた結果。


「「……」」

「……『異世界から留学生が来た件』」

「ごふっ」


服だけ変えてもダメだった。

ケモ耳にエルフ耳。髪の色もカラフルだし、顔の輪郭も種族ごとに整っており、日本人のそれとは違う。

一応服だけで言えば、俺とリースは制服。レイナは和服。サクラさんとツバキさんは夏らしいキャミソールにショートパンツ。


「ちなみにレイナはなんで和服?もしかして家では普段、和服とか」

「そ、そんなことないです。

和服って滅多に着る機会が無いですし、ここなら着付けとかも簡単に出来ますから」

「言われてみればそうだな」

「それより私はカイリさんとリースさんの制服の方が気になりますけど」

「「制服が?」」


リースと顔を見合わせる。

お互い良く見慣れた制服だ。


「特に変なところとか無いよな?」

「えっと、うん。いつも通り・・・・・よね?」

「ま、まぁ。ふたりが気にしてないなら良いんじゃないですか?」

「あー……。まぁそうね」

「わたしも見なかった事にします」


??

なんだったんだろう。

まぁ大した問題じゃなさそうだからいっか。


「次回にはみんなここ用のアバターも用意してきてくれ。

異世界人顔のままだと気になってしょうがないから。

でも今日はこのままかな。あまり勉強に身が入らない気もするけど」

「なら今日は別のことする?」

「たとえば?」

「カイリさんのお部屋探索とか」

「いや、ここVR空間だから。良くありがちな男の子の隠しておきたいモノとかはないぞ」


ツバキさんの提案をばっさり切っておく。

リアルなら幾つか見られたくないものはあるけど、流石にここまでは持ち込んではいない。

あ、もちろんリアルでもベッドの下とかに何かを隠してたりはしない。


「じゃあ、他にはどんなルームがあるんですか?」

「そうだな。ツバキさんが喜びそうなところで行くとこんなところか」


ポチポチっと操作すればあっという間に周囲の景色が切り替わった。

そこは乳白色の突き出た岩と、緩やかに流れる川、うっすらと立ち込める霧。BGMには鳥のさえずりが聞こえる。

それに合わせて俺達のいる場所も東屋になった。


「うわぁ。ここはどこですか?」

「中国の奥地らしい。先々月に両親から送られてきた」

「カイリ君の両親は中国に住んでるの?」

「いや、ふたりして世界中を飛び回ってるよ。今は確かインドの方に居るんじゃないかな。

『ガンダーラは良いぞ~』ってメールが来てたから」

「ガンダーラって……」


旅行好きと写真好きと珍しいもの好きがミックスしてミステリーハンターみたいな事してるからな。

滅多に帰ってこないけど、頻繁に連絡は取り合っているから特に心配はしていない。


「よし、折角中国の景色にしたことだし、今日のお題は中国語にしようか」

「ええぇ~~」

「カイリさんのところは試験に中国語が出るんですか?」

「出ないけど、ほら。春眠暁を覚えず、だっけ? あれも中国の詩だし、孫子とか孔子とか孔明とか孫正義とかそうだろ?」

「いや、最後の違う」

「細かい事は気にしない。さっ、やるよ」


そうして試験までまだ時間があることを良い事に、脱線しまくった第1回勉強会になった。

まぁみんな楽しんでくれたから良かっただろう。


後書き日記 リース編


21xx年7月3日


今日はアルフロの皆さんと勉強会をすることになりました。

つい先日もお母さんから言われたばかりなので驚きましたが、もしかしたらカイリ君達も同じようにご両親から何か言われたのかもしれませんね。


さて、カイリ君から招待が来る前にROOMミーティングについて確認しておきましょう。

……ふむふむ。

アバター、つまり自分の姿は任意で変更可で他のアプリのデータをそのまま使えるんですね。

ならアルフロの姿で良いでしょう。

ルームの内装はカメラで撮影したものでもゲームのスクリーンショットでも大丈夫で、むしろ部屋である必要すら無いんですね。


グレイル島を背景に青空教室。

なんて事も出来そうですけど、よく考えればそれは普通にやれば良いですね。


あっ、カイリ君から招待が来ました。

では早速参加っと。


……


ここは……なるほど、フィッティングルームですか。

ここで自分のアバターを変更したり出来るんですね。

あと名前は、アルフロの名前でしょうね。

そうして改めてルームに入るとバーチャルなのに暖かみのある居間でした。

多分リアルのカイリ君の家をそのまま投射してあるんでしょう。

ただ、やっぱり自分の格好との違和感が酷いです。

服装だけでも普段の制服にしたら、更に違和感が募った気がします。

レイナ達も苦笑いしてますし。


そうして幾つか問題は起きつつも2時間ほどで勉強会は終了しました。

結局一番の問題はカイリ君の講義の内容だった気がします。


最初は詩とかの文学かなって思ってたら、いつの間にか哲学になり、兵法から国造りへ。

その知識量は凄いけど、これ絶対試験では出ないですよね。

あと色々混ざってます。

風林火山は信玄ですからね。

その流れからの日本史もちょっと無理がありますよ?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 制服ぅ!! それ特定ポイント高いよ!!
[一言] そんな奇抜なネタがポンポン出てくるとか カイリって頭かなり頭良いんじゃない?
[一言] 見慣れたいつもの制服.....お互い同じ学校って言ってるようなもんじゃないですかーやだー。
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