イベント終了
総合評価が遂に10000PTの大台に到達……しそう(あと8PT)
皆様本当にありがとうございます!!
さて、無事に従魔契約が出来た所でいつもの問題だ。
名前どうしようか。
隧道ミミズ、芋が好き、超再生、ピンク色。
あ、色は今後進化したりすると変わる可能性もあるのか?
ミミズ芋、ミミズポテト、ミート?はダメだな。
うーん、よし。
「『ミズモ』っていうのはどうだ?」
「ミィ♪」
OKらしい。よかった。
音的には「出雲」に近いし和名っぽくて良いだろう。
「じゃあミズモ。ミズモって水中に行けたりするのか?」
「ミィ?……ミィー」
無理か。まぁ大きくてもミミズだもんな。
仕方ない、みんなに紹介するのは海岸線に行ったときだな。
「よし、じゃあ普段はここの畑の管理をお願いしても良いかな?」
「ミィ!」
『任せろ』と力強く頷くミズモ。
腕があれば胸を叩いてただろう。
「収穫出来た芋のうち、次に蒔く分を除いた半分は食べてくれて良いから。
その代わり、まだ耕しきってない土地を耕したり、芋以外も育ててくれよ。
やっぱり同じところに何度も同じ作物を育てると連作被害とかありそうだからな」
「ミィミィ♪」
後は……あ。
「ミズモって土も一緒に食べてたよな。
もしかしてヘドロとかも処理できたりするか?」
そう言って湖の底で回収してきたヘドロをミズモの前に置くと、まるで犬みたいにクンクンと臭いを嗅いだ後、バクバクと食べ始めた。
味を聞いてみたところ、甘くないチョコみたいな感じらしい。
カカオ85%ってところか。
そして食べた分がどうなったのかと思っていたら、ミズモの尻尾の方からポンっと野球ボールサイズの土の塊が出てきた。
というか、フンかな。
【隧道ミミズのフン:レア度2、品質4。生産者:カイリ。
養分を多く含んだ隧道ミミズのフン。
無臭。触っても手が汚れたりはしない。
通常の畑の肥料として最適。
】
そのまんまフンだった。でも汚くはないみたいだ。
流石ミズモ。これで海底の畑の栄養問題も解決のめどが付いたな。
ただ、やっぱりそんなに美味しい物じゃなかったみたいでミズモの元気がない。
これはお口直しが必要だな。
「頑張ってくれたミズモにはご褒美にこれをあげよう」
「ミィー♪」
取り出したのは海芋。
普通の芋より更にレア度が1高いので喜んでくれるかなと思ったら案の定、さっきの畑の芋以上に目をキラキラさせて食べている。
味の違いは?ジャガイモとサツマイモくらい違うと。
にしてもミズモはグルメだな。それとも他の子たちも好物の食材についてはそれくらい拘りがあるのかもしれない。
後で聞いておこう。
さて、気が付けばイベント終了まであと1時間と言ったところか。
今のうちにお世話になったお爺さん達に挨拶していこう。
「短い間でしたがお世話になりました」
「いやいや。どちらかというと世話になったのはわしらだろう」
「そうですねぇ。あなたさえ良ければこっちに移り住んでも良いんですよ?」
「気持ちは嬉しいですけど、俺の帰りを待っててくれる子たちが居るんで」
「そうか。まぁいつでも遊びに来ると良い。お前さんが拓いた畑はお前さんのものだからな」
「はい、ありがとうございます」
お爺さん達に挨拶してたら子供たちもやってきた。
「なんだ兄ちゃん、帰るのか?」
「いつでも遊びに来いよな」
「またみんなで竹刺そうぜ!!」
「次来る時までに耕す速度上げておくからどっちが速いか勝負な!」
「ああ、楽しみにしてるよ」
「あとこれ持ってって」
「これは?」
「兄ちゃんが育てた豆と大根だよ」
「おぉ」
差し出された麻袋の中にはギッシリと大豆っぽい豆とニンジンサイズの大根が入っていた。
自分で収穫した記憶はないので、子供たちがせっせと収穫しておいてくれたんだろう。
「ありがとう。大事に食べるよ。じゃあまたな」
「「ばいばーい」」
そうして俺はイベントフィールドから自分のホームに帰った。
海底に戻れば、ヤドリンやイカリヤ、コウくんが迎えてくれた。
ちょいちょい戻っていたとはいえ、あまり相手出来なかったからな。
次のイベントが始まるまでは急ぎの用事とかも無いし、のんびり皆と過ごそう。
後書き日記
21xx年5月5日
昨日のうちに西の村へと辿り着いた私でしたが、意外なことに大勢のプレイヤーに迎えられました。
それも半数近くが生産職です。
何事かと聞いてみれば、街道に居た盗賊達に対抗するために徒党を組んでいたみたいです。
あなたも如何ですかって誘われたんですけど、お断りしました。
なんでしょうね。
何となくカイリさん達とは違う感じがしたんですよね。
保守的というか、規則に縛られてそうというか。
……あぁ、そうか。わかりました。
みんな楽しくなさそうなんです。
カイリ君は突拍子もないところもありますけど、一緒に居ると楽しかったです。
レイナさんもウィッカさんも自分のやりたい事をやってて充実してましたし、私も料理が作れて皆に美味しいって言ってもらえて嬉しかったです。
もちろんこの人たちがダメと言うつもりはないですけど、楽しみ方が違うんだと思います。
だからごめんなさい。
おかしいとか変わってるとか言われても、私は私のやりたい事をやります。
もちろん皆さんに極力迷惑は掛けませんので放置してください。
そうして何とか勧誘を振り切った後、農場に行った私は無事に牛乳と卵を購入できました。
ただ量がそれほど多くはないので、カイリ君たちに振舞うのが精いっぱいですね。
やっぱり自分たちで作る方法を考える必要がありそうです。