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竜宮農場へようこそ!!  作者: たてみん


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竜宮王国滅亡

本当はもっと絶望的な描写をしてみたかったのですが、いつも通りのゆるい雰囲気になってしまいました。

魔物たちから距離があるうちに俺はちらっと後ろを振り返った。

ユッケ達が頑張って造ってくれた城と城下町。

そして沢山の畑たち。


「これが終わったら絶対元通りに復活させるからな」


1万程度までならユッケ達と協力して守れたかもしれないけど、その数十倍では守るどころじゃない。

むしろ近くで戦えばその余波で更に被害が拡大する恐れもある。

また俺達が守ろうとすることで、魔物たちが標的にしてしまうということも考えられる。

だから俺は心の中で謝りつつ守ることよりも攻める事で被害を最小限にすると決めた。

大軍に対してどう戦えばいいかと言われたら、1つ確かなのは人海戦術によって圧し潰されないように注意することだ。

後は俯瞰的に状況を見ながらそれぞれの長所を活かしてあげるしかない。

だからまずは敵の隊列を崩すところからか。


「先陣はコウくんだ。最大出力の魔法で群れの中心に穴を開けてやれ」

「ぴぴっ!」

カッ!!


神様たちの祝福で強化されたコウくんの魔法が極太のレーザー砲となって魔物の群れに穴を開けた。

恐らく今の1撃だけでも数百体の魔物は倒せたんじゃないだろうか。

それでも全体から見れば微々たるものだし、連射が出来る訳でもない。

この後は今の1/10程度の出力のビームを撃ちつつ、時々溜めた一撃を放つことになるだろう。

ってか、敵が意外と弱い?

北の魔物は強いって聞いてたから警戒してたけど前哨イベントだから弱く設定されてるとかそんな感じかな。


「イカリヤはコウくんが開けた穴から突撃。倒すよりも動き回って魔物を攪乱することに専念して」

「きょっ!」


イカリヤは持ち前のスピードを活かして魔物と魔物の間を流れるように突き進んでは、すれ違いざまに10本の手足で魔物たちを切り刻んでいく。

数で足止めしようにもイカリヤはUターンならぬVターンで方向転換してしまうので止められないし、そうして密集したところにすかさずコウくんの魔法が突き刺さり纏めて魔物を屠っていく。


「よし、ここまでは順調だな。ヤドリンはコウくんの近くで待機しつつ固まって近づいてきた奴らを吹き飛ばせ」

「くぃ!」


ヤドリンはパーティー編成で言えばタンクでありパワーファイターだ。

機動力はユッケ達魚人族と変わらない程度だけど、攻撃力で言えばレイドボスにも勝てると思う。


「……っ」


岩宿の下から一瞬だけ顔を出したかと思うとまるで居合のように腕を一閃させた。

しかしそれを効果音で表すなら「キンッ」でも「スパッ」でもなく「ズドーーン」が近いだろう。

まるで大型トラックに突撃されたように、近づいてきた魔物がぺちゃんこになりながら吹き飛んでいく。

そうして余裕が出来たところでコウくんの極太レーザーが発射される。

これを繰り返していけば順調に魔物の数を減らせることが出来るだろう。

俺も【開墾撃】スキルではぐれた魔物をこつこつ倒していく。

……あ、まずい。

海中がこんな状況ってことは地上もかなりピンチなんじゃないか?


『リース!そっちは無事か?』

『あ、カイリ君。うん、こっちは大丈夫よ』


リースから何とも明るい返事が返って来た。

俺はと言えば足に喰らい付こうとしてきたウツボっぽいのを銛で串刺しにして、サンゴの魔物を斧で伐採しているところだ。


『そっか。なんか運営のアナウンスが変だったから心配してたんだ』

『そうなんだよね。何があったんだろう。

私達の所はイベント開始直後に高波が来たせいで一部防衛施設が使えなくなったけど、攻めてくる魔物自体はそんなに多くは無いし、むしろ戦力が余ってる感じなのよね』


ゆらゆら動く海草の魔物を鎌で刈り取って岩の魔物を鍬で粉砕する。

って、なんか戦いやすいなと思ったらヤドリン達が俺の方に相性の良い魔物を優先的に回してくれているようだ。


『カイリ君の方はどう?』

『ま~そうだな。ちょっと数が多いけど、1体1体は強く無いから、今のところ死にはしない、かなって、感じ』


ああ、もう。次から次へと。

イカリヤと違って俺の腕は2本しか無いんだぞ。

俺はアイテムボックスから出した網で小さい奴らを文字通り一網打尽にしつつ、ヘドロの塊みたいな魔物に花の種を蒔いて肥料に変える。農業スキルと風水スキルを併用すればカスミソウくらいの小さい花ならあっという間に開花させられるのだ。

まぁこれすると枯れるのも早くなるからあんまりやりたくは無いけど。

と、こっちのドタバタが聞こえたのかリースから気遣わし気な声が聞こえてきた。


『応援要る?』

『いや、強くないと言っても水中戦に慣れてないとキツイだろうからいいや。

それにイベント予告で4大国家が半壊する可能性があるって言ってたから、地上には第2波第3波が来るかもしれないからそっちも注意して。

残念だけど俺はこっちだけで手いっぱいだから』

『う、うん。分かったわ。気を付けてね』

『リースもね』


チャットを切って一息つく。

あの感じだとリースの居る地上はたいした問題は起きて無さそうだ。

なら問題はこっちだけだな。

しかしこれはキリがない。

俺一人でも既に100体以上は倒してるし全員を合わせれば数千体倒しているが、それでも全く減った気がしない。

それに魔物たちは反撃してくる俺達を狙うものもいるが勿論全部じゃない。

残った奴らは手当たり次第に城や魚人族達の住居を破壊して回っていたり、ユッケ達を追った訳じゃないかもしれないけど南に向けて直進する一団も居る。

……しかし何か変だな。

魔物たちは魚の姿をした者も居ればウミヘビやカニ、クラゲの他、植物系、鉱物系はたまたリアルじゃまずい無いだろう異形のものまで多種多様だ。

それが仲間割れもせずにまるで軍隊のように動いているように見える。

例えば街を破壊して回っているのは重量級の魔物ばかりだし、泳ぎの速い奴らが優先的に南進している。

イカリヤの相手は同じイカやタコなど比較的腕を自由に動かせる魔物が集まりつつあるし、コウくんとヤドリンのところには遠距離攻撃が得意な魔物ばかりが飽和攻撃を仕掛けてきたりと意外と知恵も回る。

まぁ今のところヤドリンの守りは突破できていないがこのままではじり貧だ。

やはり数の暴力には如何ともしがたいか。

リースには大丈夫とは言ったが、俺達が死なないだけで防衛戦という意味では完敗に等しい。


ズズズ…………ン


そして、激しい地響きが起きたかと思うと遂に城が崩れ落ちた。


【竜宮王国王都の損害率が規定値を超えた為、国家を維持できません。

2週間以内に復旧が確認できなかった場合、国家体制は解体。竜宮王国は滅亡したと判定されます】


後書き日記 リース編


10月10日 19:50


現在グレイル島には大勢のプレイヤーが押しかけてイベントの開始を今か今かと待ち構えています。

島の広さも限界があるので上陸を許可したのは5000人程。

残りの人たちは船で島の南側に展開してたり、東西に広く防衛線を敷いています。

なにせここがイベントの北端ってだけでどこから魔物が南下するかは分からないですからね。

それにしても皆さん進化したからでしょうけど、見た目が派手だったり個性的だったりする人が多いです。

ついでに言うと性格も個性的な人が多いです。


「ぬぁあっはっはっは~~」

「ふははははっ。さあ来るなら来てみやがれ!!」


あのうるさいのは主に武国で進化を遂げた人たちです。

プロレスラーみたいな見た目の人が多いのが特徴ですね。

後パワーファイター系のプレイヤーの多くが所属してるのもこのグループ。


「総員、鶴翼の陣を展開。指示を聞き逃すなよ」

「はっ!!」

「指令!部隊の展開、完了しました」

「はいはい。敵の規模も何も分からない状態だから臨機応変に対応してね」

「「はっ」」

「はぁ。私指令でも何でもないんだけど……」


向こうで同じ制服に身を包んでいるのは法国で進化した人たち。

なぜかウィッカさんを指令と呼んでるんだけど、そこを突っ込んだら私に返ってきそうなのでそっとしておきましょう。

商国で進化した人はぱっと見分かりません。

今回のイベントは防衛のみで支出ばかりだから、もしかしたらほとんど居ないのかもしれないですね。

専守防衛……どこかの国でもそんなことを言ってた気がします。そう言いつ自国内に強力な軍隊を抱えてるんですよね。

え、愛国? 知りません見えません分かりません。

そっちの変態戦隊、こっちを見ないでください。


と言っている間に20:00になりました……は?

何ですか今のアナウンス。随分不穏な感じでしたけど演出でしょうか。

そう思った瞬間、さっきまで静かだった北の海が動きました。津波です!!

さっきまでそんな予兆無かったのに、まるで何かに押し出されるように巨大な波が海岸線を飲み込みました。

それによって海岸沿いに待機してた数十人のプレイヤーと防衛施設が海中に引きづり込まれました。

彼らの救助は……無理ですね。自力で復帰してもらいましょう。魔物のお出ましです。

鳥型の魔物やガーゴイル、グリフォンなどの翼を持った魔物が空から襲来し、海上からも亀っぽい魔物に乗って爬虫類や両生類っぽい魔物が押し寄せてきました。

数にしてざっと3000~4000と言ったところ。多く見ても5000でしょう。

つまり数だけで言えばプレイヤー人数とそれ程変わりません。

その分1体1体の強さはこれまで出会って来たボス並みです。

とは言ってもこっちも進化を終えたプレイヤーばかり。

多少苦戦はしても互角に戦えています。


そんな折、カイリ君から連絡が入りました。

海中にも魔物が押し寄せてきているみたいですね。

さっきから海中から何本も強力な魔法が上空に飛んでいったりしてるのでかなりの激戦なのでしょう。

でもま、カイリ君たちなら大丈夫でしょう。

魚人族の戦士たちも居ますし10倍くらいの戦力差ならあっさり跳ね返してそうです。


って、あああっ!!

ちょっとそこ!周りの施設を破壊しないでください。そっちも!!

海岸線で迎撃出来なくなったからって島の施設や畑に被害が行っても良いとは言ってませんよ!


「GYAOOOッ!!」


グレイル島に響き渡る叫び声。

あれは、黒龍!!

カイリ君の話ではあれも神様の一人って話だったけど、完全に敵側なのね。

ってまずい。ブレス攻撃だわ!全員防御!!


カッ!!!!

ズズズ……ン


黒龍から放射状に放たれたブレスによって多くのプレイヤーが大ダメージを受けてます。

生き残ってるのは前哨イベントだから威力を抑えてくれたとかでしょうか。

あ。

今の一撃で島の施設はほぼ全滅。

カイリ君から地上は任されてたのに……。


更に止めを刺すように首都崩壊のアナウンスが流れました。

黒い蜥蜴の分際で許すまじ。

ってこら、逃げるな。降りてきなさい!

バラバラに解体して晩御飯にしてやるんだから!!



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― 新着の感想 ―
[気になる点] あとがきの指令は、司令です。 指令:命令、指示 司令:指揮・監督すること。指揮者・監督者
[一言] おいおい黒龍よ他の神からすっごく怒られるぞ今のうちに謝っとけそんで復興の手伝いもしていけそうしないとおいしいお野菜が食べられなくなるぞと言うか仲良くなった神が総出で封印しに行くぞw
[一言] バカなトカゲだ、そんな事したら欲しい物(美味い食べ物)手に入らないのにな
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