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竜宮農場へようこそ!!  作者: たてみん


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デパートの○○売り場

遅くなりました。m(_ _)m

9月中は死ぬほど忙しいと思いましたけど、10月になってもそれほど解消しないですね汗

お陰で脳内のシナリオ進行だけが先行してます。


リアルパートはあと2話くらい続きます。

そのあとは竜宮農場に戻れる……かな。


8月に入り、夏の暑さもピークに達してきた今日この頃。

空を見上げれば澄み渡った青空にこれでもかと照り付ける太陽。

13時半を過ぎた今は熱したバターのように溶けてしまうんじゃないかと錯覚するほどの暑さだ。

このままぼーっと1時間も居たら間違いなく熱中症で倒れてしまうだろう。

そう思いながら俺は昨日のメールを見返していた。


『14時に駅前広場に待ち合わせでお願いします(*_ _)』


それはアルフロのイベントが終わった後、霧谷さんと夏休みに遊びに行く約束を思い出してプールに誘ってみたところ、プールに行くこと自体はOKしてもらえたけど、その前に買い物に付き合ってほしいとお願いされた。

霧谷さんには以前、色々手伝ってもらったから、買い物に付き合うくらいは何てことないので二つ返事で了承した結果、さっきのメールに繋がり、今の俺が居る訳だ。


「……あつい」


うーー、失敗したな。

駅前広場じゃなくて、近くの喫茶店を待ち合わせ場所にするべきだった。

せめて日陰とか駅の改札前とか。

霧谷さんの事だから少し早めに着くと思うし、今更喫茶店に退避すると入れ違いになりそうなんだよな。

と、言っている間に来たな。


「せんぱーい」


霧谷さんが俺を見つけて手を振ってきたので振り返しておく。

その隣にはクラスメイトらしき女子が一緒だ。

プールにも友達と一緒にって言ってたから、あの子がそうなんだろう。


「こんにちは」

「すみません、暑い中お待たせしました」

「うん、最近の温暖化はやばいな。それで、隣の子は友達かな?」

「はい、クラスメイトの中島 千佐子。ちーちゃんです」

「初めまして、2年の水瀬 海里だ。よろしく中島さん」

「1年の中島です。今日はよろしくお願いします」


そう挨拶する中島さんは身長160センチの黒髪ショートで程よく日焼けしてるしスポーツ系女子って感じだ。

初対面の俺にも物怖じする様子がないし、コミュ力高そうだな。


「と、暑いしひとまず移動しようか」

「そうですね」

「はい、さっそく行きましょう」


そうして向かう先は駅前の複合デパート。


「そういえば、今日は何を買いに来たんだっけ?」

「あれ、涼子ちゃんから聞いてないんですか?」


涼子ちゃん……?あぁ霧谷さんのことだったな。

普段呼び慣れてないと忘れそうだからキチンと覚えておかないと。


「メールには買い物に付き合ってほしいとしか無かったからな」

「まあ、夏のデパートで明日はプールに行くとなれば、あれですよ」

「あれか」

「はい、あれです!」


ニコッと笑う中島さん。

ま、ここまでヒントが出てればおそらく明日着る水着を買いに来たってことなんだろう。

というか、あれ。これ俺が選ぶ流れか? 水着のセンスなんてないんだけど。


「ちなみに今の話からして中島さんも明日のプールには一緒に来るのか?」

「はい。あ、もしかしてお邪魔でしたか?」

「ちょっ。ちーちゃん!?」


茶化す中島さんに慌てる霧谷さん。

なんとなく中島さんはいじりキャラなのかもな。


「大丈夫大丈夫。俺も友達誘ったし、そいつのことだから彼女もいっしょに来るだろうからな」

「へぇ。先輩の友達って彼女いるんですね! 先輩はあったことあるんですか?」

「ああ。3年の先輩だな」

「どんな人なんですか??」


ぐいぐい来るな。やっぱり女の子は恋愛ものの話には興味津々ってところなんだろう。

でも流石に人のことをべらべらしゃべるのもよくないし。


「そこは会ってからのお楽しみだ」

「残念。じゃあじゃあ。先輩は彼女とかいないんですか?」

「!」

「俺か?俺は居ないなぁ。その友達と違ってイケメンって訳でもないし、俺自身積極的に彼女を作ろうってしてないしな」

「あら勿体ない。先輩の好みのタイプってどんな人ですか? AKG64だとどの子ですか?」

「いやごめん。俺アイドルオタクじゃないから64人の見分けが付かないんだ」


AKG64っていうのは最近売り出し中のアイドルユニットだ。

名前の通り64人も居るし、数か月に1度はメンバーが入れ替わるらしく、センターの子くらいしか名前も覚えてない。

顔だって目の前に現れて自己紹介してくれないと分からないだろう。


「それに付き合うなら顔より中身だろ。

一緒に居て気が合うかどうかとか、楽しめるかの方が大事だな」

「なるほどなるほど。だってさ、涼子ちゃん」

「だからなんで私に振るのかな」

「まぁまぁ。どうですか旦那。うちの涼子ちゃん、今なら安くしておきますよ?」

「はいはい、売り場に着いたわよ!」

「ちっ。時間切れか」


なんというかすごく息の合ったやり取りだな。

きっと普段からこんな感じのノリなんだろう。

ま、それはともかくとして。今居るのは女性水着売り場だ。

どっちを向いても女性ばかりだし、たまにいる男性も彼女の付き添いっぽい。

下着売り場と並んで男性は完全にアウェーだな。


「それで、この流れで行くともしかして俺が二人の水着を選ぶのか?」

「イエス!!先輩のセンスと好みと欲望を吐き出しちゃってください!!」

「というか中島さん、だんだん遠慮がなくなってきてるのな」

「あははっ。先輩はなんというかとっつきやすい雰囲気なので大丈夫かなって」

「いやまぁ。畏まられるより断然良いけどな」

「それで、先輩の好みはどれですか?」

「うーん、そうだなぁ」


言われて改めて二人の容姿を観察する。

中島さんはさっきのとおりスポーツ系だ。

ボディラインも女性らしい曲線を維持しつつ、程よく引き締まっている。

だから赤系のビキニが似合いそうだな。

対して霧谷さんはどちらかと言えば清楚系だ。

特別内気なわけでもなければ、お嬢様って程でもない。

前に出るときはしっかり出るタイプだし、フォローしたり気遣いも出来る。

でもだからこそ何を着ても似合いそうな気もするし、うーん。


「先輩、めちゃ考えてますね」

「まあな」

「ちなみに涼子ちゃん向けの候補を聞いてもいいですか?」

「そうだなぁ。海に行くなら白のワンピースタイプに麦わら帽子。後は青系のパレオとか似合いそうだよな」

「おぉぉ。清楚系お嬢様ですね。分かります」

「でも明日はプールで日焼けの心配もないし、霧谷さんならスタイルも良いし色白だから紺色のビキニタイプもいけるんじゃないかな」

「ふむむ、そこは敢えて黒は外すんですね!」

「黒も似合うとは思うけど少し早いかなって思うんだ。どうかな?」

「なるほど、良いと思います」

「いや、霧谷さんの感想も聞きたいんだけど。ってあれ、霧谷さんは?」


うんうんと考えていたら、いつの間にか霧谷さんの姿がなかった。

流石に迷子じゃないだろうから何か気になるデザインの水着でも見つけたのか?

えっと、あ。いたいた。


「霧谷さん」

「あ、先輩。これ見てください」

「これって……カエルの着ぐるみ?」


そこに置いてあったのは4つ並んだ『カエルシリーズ』。

左からまずはデフォルメされた全長50センチほどの4つ足のカエルの着ぐるみ。

サイズ的に小さいお子様用だろう。

続いて2足歩行型のカエル人間タイプ。……誰が着るんだろう。完全に宴会ネタだ。

3つ目は緑色(カエルカラー)のビキニタイプ。ここまで来て漸く普通っぽい。ただし水掻きグローブとカエルの耳ヘアバンド付きだ。最後のはワンピースタイプのカ……


「カッパじゃん。最後っ!」

「ぷっ。先輩ナイスツッコミですっ」


いやいや。カエルシリーズじゃなかったのかよ。

同じのは色合いだけで背中に甲羅背負ってるし。

そんなカッパの水着やカエルの着ぐるみを楽しそうに霧谷さんは見ていた。ということは。


「え、もしかして霧谷さん、これ着たいの?」

「マジで? 涼子ちゃんチャレンジャーだね!」

「いやいやいや。そういう訳じゃないですから。

ただ最近やってるゲームでカッパが居たなって思っただけで」

「ああっ。居たねぇそういえば」


カッパって。もしかしなくても俺のことか?

まずいな。一応身バレすると規約的に良くないはずだし、話を逸らすか。


「それより霧谷さん。水着選んでみたんだけど、これとかどうかな?」

「え、これは……ちょっと大人っぽ過ぎないですか?」

「そんなことはないと思うよ。ねぇ中島さん」

「うんうん。私としてはもっと大胆なのでも良いと思うけど。あっちの紐っぽいのとか」

「それは無理!!」


そんなこんなでワイワイ騒ぎながら無事に水着は買えたのだった。

その帰る途中、俺はあるものを見つけて足を止めた。


「ごめん、ちょっと見て行っていいか?」

「え、あ、はい。何か欲しいものでもあったんですか?」

「というかここ、ファンシーグッズ売り場ですよ」

「いや買いたい訳じゃないんだけどちょっと目に付いたからさ」


そう断りを入れつつ俺はぬいぐるみ売り場へと移動した。

そこに置いてあったのは『海の生き物シリーズ』だ。

マンボウやクジラ、ペンギンなどに混じってあったのは、チョウチンアンコウ、ヤドカリ、イカ。

つまりうちの子達のぬいぐるみだ。

もちろん本物に比べるとぬいぐるみの方がかなり緩くデザインされているんだけど、今度ROOMにでも飾ろうかな、なんて思ってしまう。

その横には巨大真珠貝とその上にちょこんと座る人魚とセイレーン。

それらをこう並べてみると、まるで海底の演奏会だな。うん。

……うん、よし。今度、竜宮農場の方でもみんなで演奏会を開くか。

ただその為には楽器を扱うセイレーンを探してこないといけないけど。


あ、人魚じゃなくて水着を着たリースとレイナでも良いな。

妄想で良ければ霧谷さんと中島さんに今日の水着で座ってもらうと……うん、やばいな。

グラビアアイドル顔負けの魅力的なワンシーンになること間違いなしだ。



後書き日記 リース編


8月1日


今日は午後から先輩とちーちゃんと買い物に行くことになりました。

発案はちーちゃんです。

どうやら噂の先輩のことが気になったみたいです。

そうして待ち合わせ場所に行くと汗だくの先輩の姿が!

慌てて合流した私たちは自己紹介を済ませた後、早速デパートに移動しました。

それにしてもちーちゃん、絶好調ですね。


水着売り場に着いた後は先輩に私たちの水着を選んでもらっている最中、目につくものがありました。

カッパの着ぐるみですよ、カッパの着ぐるみ!!

これを着たらカイリ君とペアルックになるでしょうか。

まぁ、とはいってもアルフロに持ち込める訳じゃないから意味ないですけど。

さすがにリアルでこれを着る勇気はないです。

そう思ってたら先輩たちが合流しました。

先輩が選んでくれた水着は……普通に素敵でした。

ちーちゃんの事だからネタに走るのかと思ってましたがそんなこともなかったみたいで安心しました。


その帰り道。

デパートの下の階で先輩が何かに気が付いて立ち止まりました。

視線の先にあるのは……ぬいぐるみ売り場?

先輩もそういうのが好きなんでしょうか。ちょっと意外ですね。

って、え?

今日の水着を着た私たちなら真珠貝の人魚姫が似合いそうだって。

うぅ、そんなことを言われたら恥ずかしくて明日着てこれなくなるじゃないですか。



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[一言] こいつすげえ めちゃくちゃ堂々としてる
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