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竜宮農場へようこそ!!  作者: たてみん


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打ち上げと反省会

皆さん誤字報告ありがとうございます。

やっぱり普段の誤字報告も匿名じゃない方が良いと思うんですけど。出しにくい?

指摘貰える側としてはお礼が言いにくくて困るんですよね。

他の冒険者たちが転送されていくのを見送った後、俺達はウィッカさんのバーに集合した。

今回は運営サイドでイベントに参加したので、お疲れ様会兼反省会をすることにしたのだ。


「みんな、お疲れ様~」

「あ、カイリ君。おつかれ~」

「お疲れ様です」

「やっと終わったわね~」


口々に挨拶をかわしつつ中央の丸テーブルを囲んだ。

ツバキさんなんてテーブルの上に両手を投げ出してぐでっとなってる。

最終日の今日は特に大変だったみたいだな。


「まあでも、色々あったけど楽しかったな」

「はい。いろんな冒険者の人達とお話しできて楽しかったです」

「そうね。これをきっかけにアルバイトを始めるのも良いかも」

「私も、クラシックバーみたいなお酒の味を楽しめるお店の方が性に合っているのが分かったのは良かったわ」


リース達の好意的な反応もあれば、もちろん否定的な意見も出る。


「私はもうデートスポットの警備はこりごり」

「わたしも~」

「そんなに?」

「いや警備自体は良いのよ。新鮮な体験だったし。ただねぇ」

「腑抜け男子どもの根性の無さがもどかしいやら苛立たしいやら」

「デートなんだから手ぐらいサッサと繋げって言うのよ。まったく」

「「あぁ~」」


他の皆からも同意するようなため息が漏れた。

そう言えば休憩所やバーでも微妙に距離を詰め切れない男子がちらほら居たな。

でもそっか。サクラさん達も楽しくなかった訳じゃなかったんだな。

それなら良かった。

そう思ってたら厨房から料理が続々と運ばれてきた。

幾つかは見たことある料理だけど、知らないのも多いな。


「これは?」

「ここの郷土料理よ。

今後は島の人達にバーの運営はほとんど任せることになるから、出す料理もここで手に入る食材で、作り慣れているものをメインにした方が良いと思ったのよ。

もちろん時々リースちゃんの新作デザートを出したりして飽きさせない仕組みも考えては居るのよ」

「へぇ」


折角だからフレンチトーストのようなパンっぽいのを食べてみる。

すると中から挽肉や野菜などの具が顔を出した。

パンというより肉まんと言った方が良さそうだ。

生地の甘味と肉汁のうま味、更にはピリッと辛いソースが良いアクセントになっていて美味しい。

みんなも思い思いに気になった料理に手を出してしばし食事タイム。

リースだけは料理のレシピの方が気になるみたいだ。


そうして食事もひと段落したところで話を再開した。


「今回のイベント、俺としてはちょっとやり過ぎたかなって思ってるんだ」

「やり過ぎってどういう事?」

「うん。イベントの主旨はレアメタルを採掘することだっただろ?

だけど俺達が頑張った結果、メインダンジョンの第9階層以降は最終日直前まで実質閉鎖状態。

第8階層までだとボスドロップを除けば、レアメタルはほとんど獲得できない状態に陥ってた。

一応、他のダンジョンからは多少採掘出来たっぽいけど効率は良くなかっただろう。

つまりこれって、俺達としては島の要望通りだから問題なかったけど、一歩間違えれば冒険者側からしたら期待してたものが全然手に入らないつまらないイベントになってたんじゃないかな」

「確かにね。

これでもし、後から『実は第9階層があって……』って話が浮上したらクレームが殺到してたかもしれないわ」

「え、でも。28日までの様子を見る限り、皆さん楽しそうでしたよ?」

「それはそれ、じゃないかな」


人ってどんなに今が良くても『損をした!』って思ってしまうと途端に悔しくなったり怒ったりするものだ。

英語の小テストで『10点満点を取ったぜ!』って浮かれてた所に『え、それ100点満点だよ?馬鹿じゃないの?』って言われたところを想像すれば分かりやすいだろうか。

気付かない方もアホだが、それを指摘する方もどうなんだって感じだ。


「だから今回の海賊討伐を契機に公表されたのは、偶然降り口を見つけられるよりも何倍も良かったんだと思う」

「そうですね。これでもし海賊が討伐されずに第9階層の事が後から知られたとしても『海賊を討伐してたら実は』って言えますからね」

「まぁ、なんにせよ。みんなが楽しんでくれたから結果オーライね」

「そうそう。この教訓を次回に活かせれば、とも思うけど、どうせこんな事何度も無いだろうからね」

「ツバキちゃん。その発言は地雷かもしれないよ?」

「え、マジ?」


うへぇと嫌そうな顔をするツバキさんを見て俺達は笑いあうのだった。


「ところで、明日からどうしようか。

確か次にあるのは8月半ばに夏祭りイベントがあるって話だったけど」

「自由行動で良いんじゃない?今度は特に私達が何かするって事も無いし」

「そうですね。夏休みに入ってから、まだそれらしいこと何もしてないですし」

「「言われてみれば」」

「宿題なんかも「ギャー聞こえな~~い」」


耳を抑えながらレイナの言葉を遮るツバキさん。

いや、そんなことしても宿題は無くならないから。

それより夏休みっぽいことか。

あ、霧谷さんと遊びに行こうって言ってたのに全然何も決めてなかった。

今週来週は特に予定もないし、どこか誘ってみるかな。


「よし、じゃあ解散。みんな気を付けて帰るんだよ」

「気を付けてって、私達は転送門で一瞬だから。

むしろカイリ君の方が帰り道でまた変な事件に巻き込まれないでね」

「いやいや。俺そんなしょっちゅう事件に巻き込まれてないから」

「「……はぁ」」

「あ、あれ?」


何故か全員から深いため息が返ってきた。

おかしいなぁ。

後書き日記 リース編


7月30日 夜


無事にアルフロのイベントも終えてログアウトしてきました。

お風呂にも入ってベッドの上にゴロンと転がりながら達成感にウトウトしているとメールが届きました。

誰からだろう……あ、先輩からですね。

なになに……一昨年出来たウォーターランドに遊びに行きませんか?

……って、これはデートのお誘いでしょうか。

これまでも模擬デートはしたことありますけど、今回のこれはどういう意図がってそうでした。

そういえば前回、また遊びに行こうって話をしていたんでした。

それに先輩の事だから深い意味はないのかもしれません。

でもプールかぁ。

そう思ってついお腹のお肉を触る私。

うん、大丈夫。だよね?

ただやっぱり水着で先輩と二人っきりはちょっと勇気が居ると言いますか。


『他の友達も誘ってみんなで行きませんか?』


と返したら二つ返事で『OK。なら俺も友達誘ってみるよ』と返ってきました。

あっさり返ってくる辺り、やっぱり先輩も私と2人でって思ってた訳じゃなさそうですね。

なら私もクラスメイトに予定を聞いてみましょう。

そうして返ってきた返事は短く一言。


『……ヘタレ』


う”っ、やっぱりそうですよね。

続いてもう一言。


『私の予定はいつでも良いけど、明日にでも新しい水着買いに行こうよ。その先輩も誘って』


って、先輩も誘うんですか?


『もちろん、やっぱこういうのは彼氏に水着を選んでもらうもんでしょ』


いやいやいや。まだ彼氏とかじゃ全然ないですから。



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― 新着の感想 ―
[一言] 「まだ」彼氏とかじゃないとか……
[一言] いつ気づくのやら
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