Four story 【Ⅲ】
五男はテンと名乗った。
「初めましてギルド長。テンと言います。若輩者ですがよろしくお願いします」
「初めましてギルド長のフォーです。やる気のある方は大歓迎なのでこれから頑張ってくださいね?」
「はい!」
初めは彼を五男とは気が付かなかった。しかし、確実に実績を挙げるも驕ることなく他者を気遣うその姿勢は自分の師と重なって見えた。
このギルドではランクが上がるときは、今の自分のランクより1つ上のランクの冒険者と戦い評価して貰う。職員がテンのランクをBからAランクへ上がる資格があるか見極めたいと申請があった。
テンとAクラスの冒険者による試験が開始した。威力や速度は敵わないまでもその剣筋はトゥーとそっくり同じ。本来なら合否発表は、その時担当した冒険者がするのだが無理を言って変わって貰った。
「ではテンさん、結果を発表します。…おめでとうございます、Aランク冒険者に進級です」
「ありがとうございます!これからも頑張って行きます」
「ところで…テンさん。私に何か隠し事はありませんか?」
「な、何故ですか?」
「いえね、あなたの剣筋が余りにもある方と似ていたので」
「【神足のトゥー】さんにですか?」
「いえそれ以上に…マスターに似ていると思いまして」
「…ご挨拶が遅れました。五男のテンといいます、フォー姉さん」
「ふふふ、尋問する様な聞き方でごめんなさい。はい、次女のフォーです」
ちょっと遅かったけど、セブン以外の弟に会えた。何かいいことがありそうだ。
翌日、∞商会から自分宛に荷物が届いた。中身を確認しようとした時、急な来客が入った。彼は納屋で珍しい物を見つけたと言い持ってきた。
「見せたいものとは何ですか?」
「実家の古い納屋から肖像画を発見したのですが、【T・Rakutatou】と後ろにモデルとなった人物名が書かれていました。珍しい名前ですのでもしやギルド長なら何かご存知かと思い持って来ました」
封を開けるとそこには若かりし頃の古い装備をしたマスターがいた。肖像画が描かれていると言うことは何か功績を遺したということ。自分が知らないだけでマスターは有名人だったのか?動揺が顔に出そうだったが、堪えた。もしかしたら罠かも知れない。
「う〜ん、知らない名ですね…連携を取っているギルドの方で調べてみましょうか?」
「あ、いえいえいえ。そこまでギルド長のお手を煩わせる訳にもいきません」
そういうと、客人は出て行った。
〜Four story end〜
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