Four story 【Ⅱ】
エレベーターを使い地上へ出た。どうやってここまで来たかは覚えていないが、街への行き方は立て看板のお陰でわかった。いくつか魔物を倒しながら街へ着くと関所があった。2年前にギルドの受付嬢になった時のカードがある。ダメ元で見せると、驚く顔で見られた。
どうしたのだろうか?もしや、これでは通れない?
その心配は杞憂に終わった。この2年で自分がいたギルドは労働環境が問題視され、そこの職員はみなゾンビのように痩けているそうだ。そんな大変なギルドで働いていると、勘違いされたから驚かれた。
街に入ったフォーは森で手に入れた素材を信用のおける道具屋で売った。本来なら間にギルドを挟まないと買い叩かれる可能性があるが、その道具屋は過去にお世話になっていたので、そんな事せずに公正に買い取ってくれた。何やら騒がしい噴水前広場を後にし役所に来た。ギルドを作るには国に申請しなくてはいけないからだ。書類製作は散々おこなってきフォーは間違いなく書き申請し税金を納めた。ギルドにする場所も手にし国から借りた【真偽水晶】を待つだけになった。
1年後、新興ギルドにしては異例の成長ぶりを見せた。身分・種族問わずの平等の職員採用に加え仕事内容を明確にした。又、かつての経験から依頼も取り付け誠心誠意もって冒険者に依頼した。
(これは感謝するわギルド長。貴方のおかげで私は上へいけそう)
更に1年後、トゥーがなんと自分のギルドに加入しに来た。トゥーのことはラクタロウから聞いていたフォー。様子を見てから早速、呼んでみた。
「入ります」
「あ、すいません。本来なら貴族の方に対しては、こちらから伺わなくてはいけないのに」
「構いませんよ。ここでは私は雇われているに過ぎません」
「ありがとうございます。トゥーさん、」
「はい、何でしょうか」
私は机からクリスタルで出来た眼鏡を出した。
「これは私にとって大切な眼鏡です。ある人物から、ギルドを建てる際に資金の足しにするように言われた物です。これに見覚えはありますか?」
「…Rakutarou」
「やはり、ラクタロウさんの話は本当でした。初めまして姉さん、妹にあたるフォーです」
「妹…年上の妹とは不思議な感じですね」
「えぇ、本当に」
それからは2人は、雇い側と雇われ側という壁をなくし語り合った。そして長男にあたる【魔王ワン】の存在を聞くとフォーはひっくり返った。
ギルドは創設3年にしては順調に運営している。常に加入者が絶えない。珍しくエルフの姿を見た。身分証明書にもなるギルドカードはドワーフ族やエルフ族にとっては重宝される。新人の彼が相手をしている。
「はい、これで登録は完了です」
「ありがとうございます。すいませんが、この依頼を受けたいのですが」
「はい、かしこまりました」
いい流れだ。
それから9年後には、国一番のギルドにまで成長した。だけど私は偉ぶらず常に仲間の安全を優先した。そのおかげもあって、年間死亡者数1桁で依頼達成率90%の偉業を成し遂げたが、私にとっては当たり前をしただけであるから騒がないで欲しかった。ある日、トゥーさんから知らせがあった。
王族追放のため、兄と弟が進軍する
という物だった。前々から事情は聞いていたため、その前日からの住民避難の誘導はギルドに加入している冒険者に私から依頼した。そのお陰もありスムーズに避難が完了した。
呆気なく追放劇が終わり緊張感が抜けた時、私は気が付かなかったが五男が自分のギルドに加入していた。
このお話ではギルドは会社のような物です。
【真偽水晶】
魔力の測定や名前などを調べる水晶。出来立てのギルドは国へ月々一定額支払い借りることになる。よく異世界系なろうの主人公が割るのがテンプレ。




