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Three story 【Ⅱ】

「あ…どのようなご用件でしょうか?」

「うん?実はな…儂はあるお方に仕えている執事でな…」

「はぁ」

「あまり表に出来ぬ話なのじゃが…我が主人が平民に火遊びしてな、なんと妊娠しあろう事かその平民は出産までしておったのじゃ」

「な、なんと」

「しかもその者は出生届も出さずに、その子を育てたんじゃ」

「それはそれは…」

「だが幼いうちはそれでもいいかも知れんが、その子はすでに成人しておるのじゃ」

「え⁈」

「主人はその子を引き取っても良いと考えている。しかし貴族の仲間入りする者が、身分を証明出来ないとなると、不味かろう?」

「そうですな…」

「そこで相談なんじゃが…そうさな…20年ほど前に出生届を出した事に出来ないか?」

「え…」

「もちろんタダとは言わんわい。ホレ、20年分の税金じゃ。少々、多いかも知れんがの」


こっそりと握らせる。


「…そうですね、いま確認した所によりますと20年前の今日この日に出生届は出ていますね。お名前は…」

「【スリー・ランプ】だ。正式に貴族の仲間入りする時に、またここに来て籍を移す手続きをするのでな。平民のままで良い」

「はい、かしこまりました。ではこちらが国も認める証明書です」

「うむ。ここの役員は良い者ばかりと主人に伝えておこう」

「ありがとうございます」


 役場を出たスリーは笑うのを堪えた。人は見た目で第一印象を決めると、ラクタロウに教わったがこうもうまくいくとは。時間はかかったが2年で新しい戸籍を手に入れた。これがあれば、自由に国を出入り出来る。偽造ギルドカードでもいいがバレるリスクがある以上、乱用できない。なら国が発行した物なら疑う者は皆無だ。しかも税金もしっかり払っている。変装を解き何時もの紳士の姿になる。


 さぁ、今日も稼ごうか。


 スリーはその日から様々な貴族に公演を依頼された。その裏で、黒い噂の貴族の事を顔役から聞き調査した。そして予告状を出し、【スマイリー3rd】として大胆不敵にさらに面白おかしく盛大に誰も真似が出来ないように盗んだ。元々、叩けば埃が出る貴族だけあって遠慮なく仕事ができた。様々な国でマジシャンと怪盗家業をしていると、6年後、遂に王族からの依頼があった。

 その国は、勇者を召喚し魔王を討ったことで注目を浴びた国だった。初めて見たその王は、自分の師と同い年くらいに見えたが酷く醜くかった。


(欲でブヨブヨに太った権力者か…)


 だが仕事は仕事。スリーは見事なマジックを披露して見せた。公演も終わり与えられた客室に戻る時、うめき声が聞こえた。兵士に聞くと、地下にいるペットの魔物と応えられた。だが、明らかにそれとは違う。深夜、人が最も眠くなる時間にスリーはうめき声の元に向かった。地下牢には美しかったのだろう。2人の魔族が手枷をつけられて捕まっていた。


「!」

「シー、私の名はスリー。淑女を労わりに来ました」


スリーは手持ちのポーションをやった。少なくとも痛みは取れる物だ。


「すみません。私にはまだ力が無く助けることが出来ません。ですが、希望を持ってください。必ず貴方を救い出す人が現れる筈です」


 気休め程度の声掛けだったが、2年後に彼女たちは救い出された。


スリー・ランプ

Three・Ranpu

Ranpu→Rupan

です(*^_^*)

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