Two story 【Ⅲ】
貴族として奴隷解放制度を働き、時にストレス発散の意味を込めてギルドで冒険者になるトゥー。そんな時に、書状を持った屋台の店主と数名の従業員が来た。
「どうしますか?追い返しますか」
「まずは話を聞きましょう」
書状を受け取り読む。長男からのようだ。目の前にいる四男…セブンを手助けして欲しい旨が書かれていた。
「いいでしょう。資金を援助しましょう」
「本当ですか!」
「但し、あの味が出せるか…試させていただきます」
セブンは心を込めて料理をした。それをトゥーが食べる。
「確かにこれは、あの方の味です。いいでしょう、資金を援助します」
「ありがとうございます!」
「条件として偶にでいいので、作りに来ていただけますか?」
「勿論です」
セブンと出会ってから数年後。深夜、物音で起きた。
「誰?」
「おや?こっそりこの手紙を置いてくる予定だったのですが…流石はSクラス冒険者。勘が鋭い」
「誰と聞いているの」
「伝書鳩です。では」
伝書鳩と名乗った男の手紙を読む。ワンとセブンからだった。○M△Dに王族追放の為の進軍を行うため住人の避難を願いたいとの事だった。トゥーはその日に合わせ、自分の持っている全ての不動産を解放する準備を進めた。それと同時に回復師の手配も行った。我先と避難して怪我した住人を診てもらうためだ。最近噂の女医にも頼んだ。
「協力してはいただけないでしょうか?」
「いいのよさ…ただち!」
「治療費の事ならお任せ下さい。ご指定の額を用意させていただきます」
「ちがう。ちゅらむの人もひなんさせてほちいのよ」
「その事でしたら当たり前です。身分問わず引き入れます」
「いひひひ、アンタとははなちがあいそう。ちぇんちぇみたいにやさしいのね」
「ちぇんちぇ?」
「あたしにいじゅつを、おしえてくれた…えっらーいちぇんちぇなの!」
貴族の間で噂になってた《奇跡の天才魔法医》は、まるで妹のようで可愛らしかった。それとは裏腹に、医術の知識は抜群にすごく彼女に医術を教えた先生の事が気になった。
「ねぇ、シックスさん。貴方に医術を教えたには何方?」
「りゃくたろーちぇんちぇ!」
「え…もしかして、貴方もこれ持ってるの?」
懐からクリスタルの眼鏡を出す。
「あー!ちぇんちぇのなかまのあかち!じゃあ、おねえちゃん?」
「そうよ!貴方の姉に当たるトゥーよ!他にも兄妹はいるんだから!」
「はわわわ、ちょうなの!」
姉妹水入らずで会話をしていると背後から忍び寄る影が。
「「!」」
「「ぎゃ!」」
ほぼ2人同時に、その影を撃退した。
「シックス…なかなかやるじゃない」
「おねえちゃんこしょ!」
2人は不届き者を縄で縛りながら笑った。
王族追放から暫くたった日の事。自分宛に荷物が届いた。貴族宛にではなく長女・トゥー宛だ。中には【水晶念話】とメッセージが。
『兄妹のみ登録済み 8』
と書かれていた。クスリと笑い起動させる。最初は、誰にかけようかしら?
〜Two story end〜
続編希望の方はアクションをお願いしますm(_ _)m