表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/37

Two story 【Ⅱ】

 いつものように、トゥーが高級素材を持ってくる事を待っていた受付嬢は、ギルドに出勤すると雷を打たれた衝撃を受けた。


「え?トゥーさんがギルドを抜ける?本当ですか⁈ギルド長!」

「あ、あぁ。何でも依頼の最中に偶々、公爵を救ったとかでな。王族に呼びかけて爵位を承ったらしい。それに伴って最後の依頼を受けてギルドを抜ける、と連絡があった」


 トゥーが最後に受けたという依頼書を見る。


『国に害をなす可能性の魔族の排除』


国からの依頼で成功報酬は高額。しかし、上前が跳ねられそうな素材の捕獲の依頼ではなかった。受付嬢は泡を吹いて倒れた。

 残念ながらトゥーは、依頼を失敗したが貴族になった。しかし、元奴隷の性分かはたまた人柄かじっとはしてられなかった。貴族としての仕事をしながら再び冒険者をするようになった。今、話題になっている眼鏡の刺繍が施されているギルドの門を叩いた。

〜〜〜

 その頃、トゥーがいたギルドの受付嬢は落ちぶれていった。贅沢生活の癖が抜けずいよいよ借金までするようになり、如何わしいお店に出入りしていた事もありギルドをクビになった。


「ふっざけんじゃないわよ!だーれが、あの薄汚いガキをSランクにしたと思ってんのよ。ワ・タ・シが、依頼を選び抜いたからじゃない!」


 そばに落ちてた小石を蹴ると前にいた男に当たった。


「イッテなぁ!このくされアマ!×××で××するぞ、ゴラァ!」

「何よ!」


 2人は取っ組み合いを始めた。そして、お互いに疲れた時に目の前に新聞が飛んできた。


《冒険者から貴族になった【神足のトゥー】様!新規ギルド加入でも大活躍のご様子!》


その新聞を見た瞬間、2人の目はカッと開き


「あぁー!この女‼︎キー」

「この餓鬼、あん時の‼︎」


 うん?とお互いを見る。


「どうやら考えは同じのようね」

「そうだな」


2人は力強く握手した。

〜〜〜

 トゥーが門を叩いたギルドは出来立てながらとても居心地が良かった。職員は分け隔てなく接し、公平な査定額を提示した。実はトゥーは、前の受付嬢が上前を跳ねていた事は知っていた。道具を買いに武器屋に行った時に、自分が卸した物が売られていたからだ。何故判るというと、こっそり【T】の字を入れていたからだ。ある日、ギルド長からお呼びがかかった。


「入ります」

「あ、すいません。本来なら貴族の方に対しては、こちらから伺わなくてはいけないのに」

「構いませんよ。ここでは私は雇われているに過ぎません」

「ありがとうございます。トゥーさん、」

「はい、何でしょうか」


 沈黙が部屋を包む。ギルド長は机からクリスタルで出来た眼鏡を出した。それを眉一つ動かさず見るトゥー。


「これは私にとって大切な眼鏡です。ある人物から、ギルドを建てる際に資金の足しにするように言われた物です。これに見覚えはありますか?」

「…Rakutarou」

「やはり、ラクタロウさんの話は本当でした。初めまして姉さん、妹にあたるフォーです」


2人は時間を忘れて話した。長男にあたるワンの話をした時はフォーはひっくり返った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ