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BAD √ 楽太郎40歳

心地よい音と共に扉が開くと、そこにはボロを纏った大勢の人物がいた。


「誰だ?誰かが変装してるのか?あ、ファイブか?それともお忍びの…」


言い終わる前にその大勢は、己の武器を振り楽太郎に襲いかかった。普段の楽太郎ならそんな油断を見せなかっただろう。しかし、この世界で自分を知っている者しか乗れないエレベーターに乗って来たから油断した。

 楽太郎の事を知っている人物は落ちて来た者たち以外にも知っていた。それは此処の残った元クラスメイトだ。彼らは此処に残りチート生活を楽しんでいた。しかしある時からそれが出来なくなり落ちぶれていった。それは楽太郎が救った者の方が彼らより優れた働きをしたから。

 ある者は国王になった。しかし、国外追放された。

 ある者は奴隷ハーレムを作ろうとした。しかし、奴隷解放の働きが出てそれが出来なくなった。

 ある者は影の英雄になろうとした。しかし、承認欲求が先走りいつの間にか別の者が影の英雄になっていた。

 ある者は労働改革を起こそうとした。しかし、中々形にならず出来上がった頃には、既に他の者が行っており余り目を引かなかった。

 ある者は知識チートを使い世間に衝撃を与えようとした。しかし、エルフの研究者と錬金術師により日陰の道になった。

 ある者は食育革命を起こそうとした。しかし、自分たちしか知らない筈のレシピは流出していた。

 ある者は世界に誇るデザイナーだった。だが、流星の如く現れた新規デザイナーに潰されてしまった。

 ある者は冒険者ハーレムを目指した。しかし自分を見る者はいなかった。

 落ちぶれても彼らにはチート能力があった。それを使い自分達をこんな目に合わせた者を調べた。全部で10人おり、名前は地球の英語で数字を表す物だった。これを知っているのは自分達のみ。


どういうことだ?何故、数字を【One】と知っている?俺たち以外に転移者がいるのか?


 彼らはさらに調べ遂に手掛かりを手にした。【ラクタロウ】という名を、件の10人は師として仰いでいる。何処かで聞いた名前だ。そして思い出した。10年以上も昔にあるダンジョンで事故死(と言う名の暗殺)した元クラスメイトだ。


もしかしたら、そいつが生きているのでは?


 未練がましく残してたスマホを起動させ、面白いからと残してたイジメの動画を見て仲間の1人が楽太郎の顔を中心にいかにも冒険者風の姿にスケッチしなおした。それを持って飛ぶ鳥を落とす勢いのギルドを訪れ、ギルド長に面会を申し立てこう尋ねた。


『実家の古い納屋から肖像画を発見したのですが、【T・Rakutatou】と後ろにモデルとなった人物名が書かれていました。珍しい名前ですのでもしやギルド長なら何かご存知かと思い持って来ました』


絵を見た時、フォーは動揺をうまく隠したつもりだったがそれを見破るスキルを持つ元勇者の仲間は見逃さなかった。楽太郎はあのダンジョンで生きている。そう確信を得ると行動に移した。過去に魔王を倒した武器を手にし、ダンジョンに来た。


【オ マ エ サ エ イ ナ ケ レ バ】


 憎しみを込めた瞳で楽太郎を見て、あらん限りの攻撃をした。魂が残るのすら許さない勢いだ。楽太郎が死んだのを確認すると、彼の素材庫から高値で売れる物を根こそぎ奪っていった。

 次の日、フォーから連絡を受け自分たちを救ってくれた恩師に不安を感じた10人はダンジョンにいる師の元を訪れ…絶望したのは言うまでもない。

翌日、HAPPY√を投稿します

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