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プロローグ

感想にて連載希望の方がいたのがいたので調子に乗って書きました。

暇つぶしにどうぞ〜

 恐らく人が住むのには適さない場所に彼はいる。その場所は【ダンジョン】と呼ばれる魔物の巣窟で目的がない限りは長居しないだろう。ダンジョンは階を重ねるごとにそこに生息する魔物の危険度も増す。そんな場所の最下層の横、切り立った崖に挟まれた場所…通称【奈落】に彼はいるのだ。

 彼の名は田中楽太郎。17歳のある日に異世界…ここ【ギャラクシティ】にクラス転移した1人である。

 ここで彼の人生を語ろう。楽太郎は単身赴任の父を持つ家族で母も介護施設で働いている家庭で育った。そして彼にはアレルギーを始めとする遺伝的な病気を持っており、当時まだあまり受け入れられていない物を抱えていた。読者諸君の周りには居なかっただろうか?小中学校などで1人だけ給食が違う生徒が。それが楽太郎だ。さらに、刺激により皮膚は痒みを発症させ肌はボロボロになりやすい。こうなるとどうなるか?


 イジメ にあうのだ。他より優遇の給食、体育の一部授業免除、発作が起きた時には早退…どれも子供の目には羨ましく見れるだろう。

何故あいつだけ他と違うのだ? 何故、自分たちは長距離を走らされているのに、あいつはいつも見学なんだ? 何故あいつだけ早く帰るんだ?

 何故何故何故何故何故何故


 言い出したらキリがない。しかし楽太郎 本人にとっては死活問題だからとしか言いようがない。そして子供たちは、楽太郎が自分たちより劣るとわかるとイジメた。

 物隠しから始まり、クラスのグループ分けでは仲間外れにする 席替えの時は、病原菌が感染ると言って席を離す 気持ち悪い

…と様々だ。もちろん、楽太郎も抵抗はした。先生にも相談したが、


「お前にも非があるんじゃないか?」


この言葉で、楽太郎の心にヒビが入った。

 イジメは中学にまで続いた。学域内の中学は2校しかなく楽太郎の入学した中学には彼のことを知る者が大勢いた。そんなにイジメられて彼は逃げ出さなかったのだろうか?家族は彼のイジメの真相を知らなかった。家族の前だけは楽太郎は道化師になっていたからだ。心配をかけさせたくないという楽太郎の思いからの行動である。

 高校生になる時にこれはチャンスだと思い、思い切って県外の高校に進学を決意する。楽太郎は身体的なハンデを持つなら、頭脳で勝ってやろうと考え生成績は他の者より優れていたから。新しい土地なら変われる…そう思った時期が楽太郎にもあった。不幸な事に、その高校に同じタイミングで理事の息子も入学したのだ。

 彼は他者より顔立ちも良く成績も悪くなかったが性格はダメだった。慣れない環境でオドオドしていた楽太郎が酷く滑稽に見え、そんな人物が自分より成績がいいと知ると手を汚さずイジメた。

 表向きは理事の息子である模範的な生徒で教師の覚えもよくみんなのヒーロー的存在、しかし影では理事の息子という権力を盾に好き放題し影で泣く者も多い。この時も楽太郎は反発し抵抗した。しかし、相手が権力を持つ理事の息子となると教師は尻込みし去ってしまうか、楽太郎を攻めた。

 高校2年生にもなると楽太郎は諦め癖がついてしまう。

 今日もまたイジメられるのか

そう思い、教室の扉をくぐり席につく。ホームルームの開始を告げるチャイムが鳴る。それを最後に楽太郎のクラスは姿を消した。

 クラス転移した時、楽太郎は訳がわからなかった。確かに転移させた理由…魔王の驚異の手から守って欲しいと言うのもも聞いた。

しかし、集団でなくともいいではないか。参加したいものだけすればいいではないか。何故、みなそんなにやる気に満ちているのか。異世界とは言え、現実。死ぬ事だってあり得る話だろう。

 そんなに非協力的な楽太郎をクラスメイト…の上位に立つ理事の息子はよく思わなかった。元々、楽太郎はイジメられていてクラスでは不要と考えていた。これはチャンスではないか?そう思ったに違いない。楽太郎には特別な力(スキル)は何もないと彼は国王を唆し、楽太郎を暗殺することに同意させた。そして、演習と称しダンジョンに潜り事故に見せかけ【奈落】に通じる絶壁から突き落とさせた。

 本来なら即死。しかし楽太郎は生きていた。落下地点に偶々、キングスライム が愛の営みをしておりそれがクッションとなり助かったのだ。


「もう…いいや。お父さん、お母さん。もう会うことはないと思うけど、どうか長生きして下さい。俺はここに根を張るよ」


 楽太郎はダンジョン脱出を諦め、そこで生きることにした。幸いにも冒険者セット(ライフセット)は無事だったためこれを元手に生活を始めた。

2年後、人が落ちてくるまで。

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