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オナ禁伝説〜栄光をもう一度〜  作者: 山田太郎
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オナ禁日記

この作品は特に恋に悩みを抱える男性に読んでいただきたい。


また、あくまで本作品は私の実体験を様々な考察を踏まえ日記として綴るものである。

決して効果を保障するものではなく、禁欲を行う場合は各自自己責任で行なって頂きたい。

これはノンフィクションのオナ禁日記である。


ここで言うオナ禁とは男性の自慰行為を我慢し続けることである。


私は大学1年生の頃に初めてこのオナ禁を知った。


大学入りたて当時、私には性経験は一切無く、それどころか、女性と会話することも苦手だった。

しかし、そんな私にも好きな女性ができた。

そして半年間片想いした末に、生まれて初めて女性に告白したが、結果は惨敗であった。


依存していた対象を失い、途方に暮れる日々を過ごしていた。


勉強やサークル活動にも身が入らない毎日であったが、数ヶ月経ったある日(大学1年生の12月頃だったと記憶する)サークルの先輩に失恋したことを相談したところ自分磨きを勧められた。

その先輩は私とは違い、身長も高く、男から見てもイケメンで、彼女持ちであった。


ファッションセンスや会話の仕方や仕草、あらゆる点でダメ出しをされたが、一つ気になる発言があった。

「まぁ、あとは禁欲だな。これ絶対」


当時、私の中では理解不能だった。

帰ってインターネットで調べたところオナ禁のことだと知った。

ネットでは自慰行為を我慢することでイケメンになり、女性にモテるなどとあまりに胡散臭い文章が書かれていた。


はっきり言って最初は、こんなことに意味があるとは思えなかった。


しかし、アドバイスをくれたのはモテ男である先輩。きっと何か意味があるのだと思い、更にインターネットでの情報を調べてみる。


すると、どうやらテストステロンという男性ホルモンを増加させ、ジヒドロテストロンという男性ホルモンを抑えるということにオナ禁の意味があるようだ。

この辺の根拠の正確さ等の議論については、専門家でないので割愛させて頂く。


これには、医学的な根拠は無く、否定的な意見も多いようだった。

しかし、医学的根拠無し=全て意味が無いと考えるのは東洋医学のような経験から積み上げるものを全て無条件に批判することとなり妥当でないようにも思える。


そのようなこともあり、オナ禁を試すことにした。


初めの2ヶ月は挫折の繰り返しだった。


1日5回平均で抜いてた人間が我慢を続けるのは至難の業だった。

しかし、慣れてくると苦しいながらも続くようになり、なんとか1週間を乗り切った。


変化として感じたものは、髭の伸びが遅くなったのと目覚めが良くなったこと。あと、ニキビが減ったこと。最初、顔はニキビだらけだった(特にニキビ跡が酷かった)が、徐々に落ち着いてきた。

これらは全てインターネットに書いてあった効果と重複するが、肝心なモテ効果とやらはまだ感じない。


しかし、変化は突然来た。10日目を超えたあたりから精神面でかなりプラス思考になってきたと思える。根拠のない自信というやつが湧き上がる。


同時にかつてない程の性欲が私を襲う。耐え切れず13日目にリセット(抜いて)してしまった。


この後、4日~5日の短いスパンでリセットを繰り返してしまうが、再度10日を超えた。


この時、サークルの催しで旅行を兼ねて他大学の女子学生たちと交流する機会を得た。

当時、禁欲日記なるものをつけていて、見返してみると旅行初日で15日目だった。


今思うと素晴らしいタイミングだったと思う。10日を超えて精神も非常に安定し、ちょうど謎の自信で溢れかえっていたタイミングであった。

旅行中、かつての自分では想像できないほど積極的に女の子と会話した(タイプでは無かったが)。

驚いたのは相手の反応がものすごく良かったことだ。「記念に一緒に写真を撮ろう」と言ってもらえてツーショット写真を撮った。そしてメールアドレスも交換した。


世の男性諸君は「なんだそのくらい」と思うかもしれないが、当時の私にとっては驚くべき進歩だった。


その後、ついに20日を超えた。

旅行終了後、別の大学のサークルとの交流会があった。そこで、生まれて初めて女の子を抱きしめた。正確に言うと女の子から抱きついてきた・・・。

酔っぱらっていたのもあったので、これがオナ禁効果とは断言できないが、とりあえず美味しい思いをした。そしてメールアドレスも交換した。


23日目。抜いてしまった。


とりあえず、オナ禁効果の真偽はともかく、この数か月でかなり美味しい思いをしたので満足していた。


しかし、残念ながらこの時点で彼女を作るまでには至らなかった(告白すれば勝負にはなったかもと思えるシチュエーションはあった)


そして、更に驚くべき変化に気づいた。

当時自分磨きも兼ねて、肌のケアやファッションの研究を行っていたが、筋トレにもハマっていた。

昔から突如筋トレにハマりだすことは何度かあった。しかし、残念ながら私はあまり筋肉質なわけでもなく、体重も48kg~50kgを行き来する太れないモヤシ男であった。腕立て腹筋もせいぜい30が限界。握力は利き手でも32が最高。下手すれば女性に負けるだろう。


ところが、今回はまるで違った。鏡を見ると筋肉が隆々としている。そして腕立ても100回は当然のように行っていた。握力は30から65まで上がり、体重も当時60kgまで上がった。


今までの自分とは別人だった。

その後も時々リセットするものの10日間くらいはオナ禁を安定して継続できるようになった。


4月になりサークルにも女の子の新入生が入ってくる。面倒を見ているうちに仲良くなり、女の子の後輩達と二人で遊びに行ったり、ご飯に行ったりを繰り返した。


9月になり、ここまで6ヶ月の間に10人の女性とデートを繰り返した。誘いを断られたことは1度も無かった。(この時点で彼女を作ろうと思えばいつでも作れると思っていた。)


そして、ついに運命の時が来た。10月、初めて彼女ができた。

告白したところ快く返事をして頂いた。



さて、ここまでは非常に順調なのだが、肝心なオナ禁の効果について私はどう考察していたのだろうか。


正直、こんなおいしい経験をしておいてなんだが、半信半疑であった。

というのもオナ禁以外にも様々な努力をしていたため、そちらの方が効果が大きかったのではないかと思う。

特にファッションセンスにはかなり磨きがかかったし、1000円カットも辞めて有名な美容室に通うようになった。


果たしてこれをオナ禁効果と言ってしまって良いのか疑問が残った。


しかし、これで話は終わらない。この後調子に乗りすぎた私には厳しい制裁が待っていた。


身の丈に合わない自信を持つとロクなことにならない。

私は浮気という大変な過ちを犯した。当然オナ禁なんか辞めていた。

彼女と別れたが、内心「いつでも彼女が作れる」という自信に満ち溢れており、すっかり天狗になっていた。


しかし、現実は甘くなかった。

それからというもの女性には見向きもされなくなった。積極的にアプローチし、5人ほどデートに誘うが全敗。酷い時はライン交換すら拒否。

そして、女性と話すのが怖くなり、数年が過ぎた。


上手くいってた当時私が行っていた、いわゆる自分磨きはオナ禁を除き再度全て試した。

しかし結果は変わらず。デートの誘いは断られ、告白するも盛大に振られ続けた。


自分の余裕の無さがその結果を招いたのかとも思う。

また途方に暮れる日々を過ごしていた。


しかし、正直このまま終わりたくはない。

そう思っていた時に、一つ私が試さなかった自分磨きが残っていることに気付いた。


そして今、自分を取り戻すため、もう一度だけオナ禁を試そうと考えた。

正直、やはり半信半疑であり、意味の無い努力となってしまう可能性もあることは分かっている。しかし、藁にもすがる思いで、最後の希望に賭けてみたいと思った。


今回はアプリを使用して正確な日数を測定している。また、テストステロン増加のため、亜鉛のサプリメントも同時摂取する。


以下、第2次オナ禁日記を開始する。



現在[2日目]


正直これといった効果はまだ無い。

2日目であれば当然かもしれない。

おそらく、7日目くらいまでは退屈な日記になるのではないかと予想する。

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