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神の娘と人の皇太子  作者: 丸
8/8

神の娘、お見合いをする。

お久しぶりです。

他のアプリでもこの作品を投稿始めました!!

 次の日、朱理は天照大御神に言われた巳の刻に間に合うように、辰四八分に鳳龍山の滝の前に降り立った。

 のだが、目的地に着いて早々霊力不足に陥った朱理は、懐から干し桃を包んだ畳紙を取り出すと、干し桃を食べ始めた。

 何故、着いて早々霊力不足に陥っているのかと言うと、それは、昨夜にまで遡る。

 天照大御神が帰られた後、自分の寝殿に戻った朱里は鳴鳴に明日、人間界の皇太子とお見合いをすることを伝えると鳴鳴は、一瞬悲しそうな顔をしていたがすぐに笑顔に戻ると口を開いた。

「では、私は気合いを入れて朱理の身支度をさせて頂きます。」

と、鳴鳴が言ったのだが、朱理としては、いつもの外出用の格好で行こうと思っていたのでさり気なく断ったのだが、鳴鳴の気合の入れ用は凄まじく、雛人形さながらであった。

「な、何もここまでしなくても・・・。」

と自分の姿を見て思わずそう呟いたのだが、鳴鳴は、まだ満足していなかったのか、

「化粧もしましょうか?」

と、言い出したので朱理は、慌てて転移をして逃げ出したのだが、鳴鳴も一応はうさぎ神の娘である。

 すぐに朱理の後を追いかけたのだった。

 そして逃げた朱里は、何度も転移をして逃げたので霊力不足に陥ったのだった。

 と、胸の内で振り返って干し桃を食べていると、不意にカサカサと枯れ葉を踏みしめる足音が聞こえた。

 なので、一瞬、鳴鳴が来たのかと思った朱理だったが、足音が聞こえた方を見ると男の人だったので、一安心していた。

 そう、すでに朱理の中では、お見合いよりも鳴鳴の方が怖かった。

 なので、その男の人を遠目で見て、

(おそらく、人間界の皇太子様ですね。やっと来ました。)

という程度にしか思っていなかった。

 鳴鳴が来るまでにお見合いを終わらせましょう。

 とまで思っていた朱理は、顔が見える距離まで来ると、目を見開いた。

(え―――――――――――――!!あ、あの人って、た、確か昨日呪いをかけられていた人じゃないですか。)

と思っていると、青年は、嬉しそうに口を開いた。

「朱理姫、昨日は、呪いを解いて頂きありがとうございます。それと、昨日は、すまなかった。」

といきなり謝られた朱理は、慌てて確認した。

「あ、あのぅ、貴方が人間界の皇太子様ですか?」

 と聞くと、青年は頷いて口を開いた。

「ああ。俺が皇太子だ。そして、名は柊という。よろしく。」

と言われた朱理は、慌てて頷いた。

「えっと、昨日もお伝えしましたが忌部家の氏神の布刀玉命の娘の朱理と申します。よろしくお願いいたします。」

と、朱理が自己紹介をすると、突然、鳴鳴の声が聞こえた。

「やっと、見つけましたよ―――――――。朱理。」 

 その声を聞いた朱理は、思わず悲鳴を上げて柊の後ろに隠れた。

「ひゃ―――――――――――!!」

 突然悲鳴をあげて、柊の後ろに隠れてしまった朱理にキョトンとした柊は、朱理以外の神気を感じた。

 柊が神気を感じた方を見ると、そこには、朱理が恐れていた鳴鳴がいた。

「うさぎ神。何故こんな所に。」

 と呟く柊に鳴鳴は、

「ま、まさか、人間界の皇太子様ですか。ぶ、無礼をお許し下さい。」

と慌てていた。

 なので朱理は自己紹介をすることにした。

「すみません。彼女は私の侍女兼大親友の鳴鳴と言います。彼女はただ、化粧を嫌がって脱走した私を追い掛けて来ただけなんです。なので、お許し下さい。」

と神々しい二人の美少女に謝られて柊は、

「なんとも思ってないから、二人共気にしないでくれ。」

という言葉を絞りだすと、そのまま鳴鳴に言った。

「鳴鳴姫、私は、人間界の皇太子の柊だ。・・・一つ思ったのは、朱理姫には化粧は必要ないのでは?」

というと鳴鳴は、

「確かに、朱理は化粧いりませんよ。ですが、人間界では、化粧をするんですよね。」

と確認する鳴鳴に柊は、

「確かに、人間界の女性は化粧をする。だが、朱理姫は、化粧をしなくても美しいと思う。」

とつい言ってしまうと、鳴鳴は、

「そうですか。分かりました。・・・朱理、ご迷惑をお掛け致しました。申し訳ごさいませんでした。」

 と朱理に謝った。

 朱理は、頭を下げる鳴鳴を見て

「すみません。私も、化粧から逃げて。」

と謝った。

 これで仲直りが終わった。

 そして、朱理は柊に御礼を言った。

「ありがとうございます。これで化粧をしなくても良くなりました。」

と御礼を言われた柊は、苦笑すると口を開いた。

「朱理姫、貴女は、化粧が嫌なのですか?」

と聞かれた朱理は、苦笑いを零し顔を左に向けると口を開いた。

「えっと、実は、化粧をするよりも寝たいのです。」

 と言われた柊は、

「朱理姫は寝ることが好きなんですね。」

と真顔で言うと、朱理は真っ赤になって慌てて口を開いた。

「ち、違いますよ!!寝るのが好きではなく、夢の御告や、修行で体力等を持っていかれてしまうのです。なので、好きで寝てません!!」

と朱理が言うと柊は口を開いた。

「そ、そうなんですか。それは、失礼なことを言ってすみません。」

 と謝られた朱理は、

「はい。良かったです。誤解が解けて。」

と言うと柊に気になることを聞いた。

「私は、貴方様のことをなんとお呼びすれば良いのでしょうか?」

と聞かれた柊は、少し考えて口を開いた。

「では、柊とお呼び下さい。」

と言われた朱理は戸惑った。

 なぜなら、彼は人間界の皇太子である。

 いくら、貴方の元に嫁ぐ身だとしても貴方は私の憧れの天照大御神様の血を引く方なのですよ!!

 私が気楽に柊と呼べる訳が無いじゃないですか!!

 天照大御神様に対する申し訳無さで一杯ですよ!!

と内心思っていると、急に黙り込んだことに心配した柊が朱理の顔を覗き込んだ。

「朱理姫、どうされたんですか?まさか、柊と呼んでくれないのですか?」

と言われて朱理は、下を向いて口を開いた。

「は、はい。流石に私が皇太子様のことを柊とお呼びするのは、天照大御神様に申し訳無いです。なので、せめて柊様と呼ばせて下さいませ。」

 と言うと柊は、困ったような笑顔で

「分かりました。では、そのように呼んで下さい。」

と言われて、朱理は安堵の溜息を零した。

 これで、天照大御神に対する申し訳無い気持ちが無くなったからだ。

「朱理姫、私は朱理姫のことをなんと呼べば良い。」

 と言われた朱理は、

「えっと、朱理と呼んで下さい。貴方の方が身分が上なので。」

と答えると柊は、嬉しそうに口を開いた。

「分かりました。そう呼ばせて頂きます。」

と話していたところで鳴鳴が口を開いた。

「あのぅ、皇太子様、私も朱理の侍女として人間界に着いていきたいのですが。よろしいでしょうか?」

と言われた柊は、

「分かりました。検討してみます。」

 と言うと、その日は解散することにした。


また、しばらくかかります。

すみません。

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