気付いたら5年の月日が経っていた
「〜のであった。」で終わらせないと左乳首が肥大化してしまう奇病を患ってしまいました。ケモミミ美少女に舐めてもらうと治るそうです。次回からは「〜のであった。」は無しの方向で行きたいと思います!☆~(ゝ。∂)
◇
「いやあ!助かった助かった!あのまま誰も助けてくれなかったらどうしようかと!」
「寧ろどうやってああなったのか不思議なくらいなんですけど…」
あの後数分かはたまた数十分かを経て偶然通りがかった運び屋を名乗る青年に助けられた俺はどうせだからと近くの町まで乗せていってもらうことにした。
「テンペストドラゴンって奴に振り落とされてああなったんだよ、酷くねえか?」
「ひ、酷いも何もその話本当ですか!?テンペストドラゴンって言うとドラゴン族の中でも最も強いドラゴンですよ!?寧ろよく生きてましたね!?」
そんなに強そうには見えなかったんだけどここは余計なことは言わないでおこう。
「たまたまおだやかだったんだろなー!いやあよかったよかった!」
「本当ですよ!!テンペストドラゴンを怒らせると天変地異まで起こるって話ですから!!」
「マジで!?あっぶねー!!」
そんなにやばい奴とは思わなかった。結構力強く殴ったけど大丈夫だよな?
今更怒って天変地異ドオオオオンッっとかないよな?
「まあそんな話はともかく」
「そんな話!?結構深刻でしたよね!?」
「どこ向かってんだ、この馬車?」
「あれ!?スルー!?」
一々やかましい奴だな。少しは声のトーンを抑えることは出来ないのだろうか。
「ま、まあいいでしょう。えっとですね、今僕達が向かっているのは空守の里です」
「あすのさと…?」
「ええ。随分不思議そうに聞くんですね」
「いや、俺地理に疎くてさ。言われてもイマイチなんだよな」
「でも仕方無いですよ。空守の里は5年前の魔王の呪いによって色々あって新しく出来た里ですから」
「魔王の呪い…?何があったんだ?」
「なんでも魔王が死ぬ間際に残した呪いのせいでこの地域に飛行型の魔物が大量に出現したんです。それに対抗するべく鳥人種の人達が集まってここに里を築いたとか…」
鳥人種なんて言う初耳ワードもビックリだがそれよりも聞き捨てならないことを運び屋はほざいた。
そう、魔王についてだ。
「待てよ、魔王は倒されたのか?」
「ええ、5年前に」
「勇者が現れてすぐ?」
「はい。確か3ヶ月の旅で成し遂げたとか聞いたような…」
「嘘を吐くなパーンチ!!」
「ふがっ!?な、なな、何するんですか!?」
「いや、嘘吐きは取り敢えず殴れって母さんに習ったから」
「ろくでもない母さんですね!?それに嘘じゃ」
「母さんをバカにするな!!」
「ごめんなざびっ!!」
左頬と右頬を両方殴ってやった。後悔も反省もしてない。
しかし、運び屋の青年発言を聞くに、推測でしかないが俺が穴に落ちている間に5年の月日が経っているらしい。
少なくとも俺が村にいた時点で魔王討伐の噂はなかったし、勇者が現れたと世界に知れ渡ったのは勇者が俺達の村に来る2ヶ月程前だ。
5年前に魔王が討伐されたのでは辻褄が合わない。
そうなるともう俺が穴に落ちていた間に5年の時が流れていたとしか考えられないんだ。
そもそもが不思議な空間だった。時の流れが外と違うことに納得出来る。
って事は勇者の奴、俺のスエナを寝取るだけ寝取って魔王討伐に行ったってことかよ。なんか癪だなー。
そんなこと考えているうちに俺達の前方に目的地らしきのが見えてきた。
「で?そのあすのさとってのはあれか?」
「そうです!空を守る里と書いて空守の里、空を飛ぶことが出来る種族の里です!」
「空守の里か…大層な名前だな」
「失礼ですよ!この里には5年前勇者様と共に旅をしていたと言う人もいるらしいんですよ!」
「何!?それは本当か!?サンキューありがとな!!」
礼だけ言って馬車を飛び降り、運び屋の青年とお別れする。
そもそも名すら語られない人物だ。この先会うこともないだろう。
それより勇者の仲間だ!そいつからもしかしたら俺の村への帰り道を聞き出せるかもしれない!
俺は帰る為の希望を見つけたと嬉々として里へ駆けるのであった。