吃驚仰天!第2回世界異界化計画説明会!
あっあっ〜〜!!感想がまた!!喜ばしい!!
ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうごry
世界異界化計画説明会長くてすみません…^^;
もうちっとだけ続くんじゃ
◇
「―――上成 仁は転生する前にこう言っていました。『もう殻に閉じこもって生きる人生は嫌だ。生まれ変わったら今度は僕自身がやりたい事を思う存分にする』と」
「……まあ、人生をもう一度やり直す機会があるってんなら誰だってそうするかもしれねえな」
だけど、そんな上成 仁の思想は転生した先の生まれや環境によって捻じ曲がり、危ない思想へと変貌してしまった。
それが、世界異界化計画に繋がるって訳か。
「彼には転生先の世界―――この幻想世界«ハルストゲレム»がどの様な世界であるか、転生しても前世の記憶は引き継がれる等々、それらを事前に説明した上で、本人もっての希望である人型の生き物へと転生させました」
「そしてその生まれ先が、魔人だった」
「イレギュラーだったんですよ。今まで魔族にはリザードマンやゴーレムと言った人型の魔物は存在していても、人と瓜二つの姿形を持った魔物は居なかったんです。当然、魔物達は上成 仁の事を我らが王の誕生だと大喜びで彼を崇めまくりました」
「そりゃあ人型の魔物、魔人なんてのが現れたら魔物達も担ぎ上げてもおかしくはないわな。なんせ世界を思うままに生きる力を備えつつ前世の記憶まで持ち合わせたハイブリッド生命体なんだから」
世界を思うままに生きる。
それは普通に聞けば当然な事かもしれないが、実際には女神が与えしチートで、裏を返せば自分の思い通りに事が進んでいく恐ろしい力だ。
尚且つ前世の記憶まで持っていて、転生先でわっしょいわっしょいされたりなんかすれば、上成 仁は息苦しい人生を送っていた反動で舞い上がってしまうに違いない。
「概ねお察しの通り、上成 仁は自分は特別なんだと思い込み始め、どんどんどんどん悪い方向へと染まっていきました。それはもう湖にハンカチを沈めるが如く」
「そんで溢れ返った欲望が肥大化していって、遂に世界にまで手を出した…ってとこか」
「その通りです。今日はよく冴えてますね?賢くなりました?」
「いいや。元々察しは良い方なんだぜ、俺?」
「ふぅん」
「急に興味無くすな!!」
本当に余計な茶番を挟むのが得意な女だ。
これが女神だと思えば世も末だな。
「話を戻しますが、そんな経緯があって上成 仁もといエレク・トロルもといエレキは悪の心に染まり、勢力を拡大しつつこのハルストゲレムを支配する為に行動を移しました」
「魔王を名乗って各地を襲撃し始めた?」
「はい。そしてそこからはご存知の通り、魔王を倒す為に現れたら賢者や星龍、勇者の活躍もあり、無事にエレキは討伐されました」
「それでめでたしめでたしじゃねえのか?」
「これで終わっていればどれだけ良かったか…」
そう上手くはいかない。エレキは生きている。
どう言う原理かは知らないが、セスタランドなる楽園を築き上げ、隠居生活をエンジョイしていた。
「エレキは勇者に命を絶たれる直前、世界を思うままに生きる力によって生き永らえました。そして勇者達の目を盗んで逃げ帰った彼はハルストゲレムの人に見つからない場所…恐らく魔界の何処かに不可侵領域を築き、そこを根城にして今の今まで隠れ潜んで来たんです」
「それがセスタランドか…なんでセスタなんだ?」
「何かしら勇者セスタに思い入れがあるんじゃないですか?エレキは自分を負かした超えられない壁、勇者セスタの肉体を奪おうと試行錯誤しているみたいですし」
「えっ!?そうなのか!?」
それは初耳だ。
確かに勇者を利用しようとしているとかなんとか言っていた気がするが、まさか体を乗っ取ろうとしていただなんて思いもしなかった。
「も、もしかして俺の体も乗っ取られるところだった!?」
「それはないですね。エレキは勇者セスタの後に続く全ての勇者をあの手この手でセスタランドへ招待し、修行と称して七英雄と戦わせました。そして弱ったところで力を根こそぎ奪って自分の力として蓄え、残った絞りカスの勇者は洗脳して魔王を演じる弱い魔物と戦わせて世界を救ったと錯覚させる…そんな卑怯な手を使っていました」
「つまり俺もやばいところだった…?」
「どうでしょう?アナタは他の勇者とは違いました。弱るどころかどんどん強くなり、挙句には私を除いた七神将全てを倒し、その力を自分のモノとしました。魔王側のイレギュラーがエレキなら勇者側のイレギュラーはレイ…アナタと言えるでしょう」
「俺が…?そんな大層なもんじゃないぞ」
確かに強い力を身に付けたとは思うけど、エレキ程チートじゃないし、クンリ相手には殆ど敵わなかった。
エレキを相手にするならもっと強くならなきゃとも思っている。
勇者側にイレギュラーが居るとすればエレキがチートを持ってしても敵わなかった勇者セスタだと思う。
「そう考えるともしかしたら勇者セスタの体を乗っ取る前にやはりレイの体も乗っ取られていたかもしれませんね」
「こ、怖いこと言うなよ…」
憑依するタイプの怪物か何かか、エレキは。
「…ちなみにエレキは勇者セスタの体を奪ってどうするつもりなんだ?」
「エレキは今、敗北を最も恐れています。やはりエレキとて元は人の子…一度殺されかけたのがトラウマとなり、絶対に負けない力を欲しています。そこで目に付けたのが勇者セスタの肉体を奪うと言う手段なんでしょうね」
「さっき退治した時でさえおっかない迫力だったのにまだ力が要るのか…」
「それだけ勇者セスタに用心しているって事ですよ。神になる前にまた邪魔されるかもしれないですからね」
「神に…そう言えばエレキは神になるのが目的なんだっけか」
七英雄…七神将の記憶によれば確かエレキは神になろうとしていた筈だ。
あくまで予想だが、成長した世界を思うままにする力って言うのはそんな神になりたいと言うエレキの心の表れなんだろう。
事実、ハルストゲレムに干渉するだけでなく、異世界にも干渉して七神将のメンバーを揃えている。
そう言えば、エレキの話によればクンリは異界で倒れていたところを拾われたらしいが、そもそも女神であるクンリが何故異界で倒れていたのか。
今になって疑問に思うが、世界の創造主たる女神ならばエレキの処理なんてあっという間ではないのか。
「…クンリはさ、どうしてここに居るんだ?」
「突然踏み込んで来ますね。私の領域には踏み込ませませんよ!フーッ!」
猫の様に威嚇するクンリ。
こいつのテンションどうなってんだ。
「…ハア、いずれ話す事なので、今話してしまっても大丈夫でしょう。実は私…」
―――――女神辞めました☆
クンリがウィンクと同時に舌をペロッと出してピースサインを作りながら爆弾発言をしてから俺の顎があんぐりして地面に着くまで、そう時間は掛からなかった。
飛来する豆を箸で掴めるたかしくんが鬼退治しに行く話描いたら皆見る??
僕は見ないね…




