表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷子の村人は方向音痴を駆使して家に帰りたい!  作者: 風来坊ムラサマ
帰る為に猛特訓
18/50

丁度折り返し地点に到達したけど休憩はまだですか?

呪いについて僕も思ってた事があるんですけど縦語と横語いる??僕は要らないと思います(震え声)

ただややこしくなるだけでしたね!他の謎の呪いについては多分明らかになると思うので風来坊さんの迷子の村人、どうかご愛読よろしくお願いします!


換装を解いて少しして、見覚えのある光が俺の胸に飛び込む様にして消えた。


消えたと言うより入っていったと言う表現の方が正しいか。



『んだヨ…結局負けちまったじゃねえか』


「ライオットか。いや、いい戦いだったと思うぞ。お陰で俺も成長出来たしな!」


『ケッ、ちと気に食わねえけどヨ!……まあ、テメェになら俺の力、託してやってもいいかもな』


「サンキューな!大事に使わせてもらうよ」


『ただし!あの野郎に負けたら承知しねえからな!そこんとこ覚悟しとけヨ!』


「分かった分かった!俺に任せろって!」


『…じゃあな、頑張れヨ』



それっきり声は聞こえなくなり、代わりと言わんばかりに俺の力が増幅したのを確認する。


そして、最早恒例となりつつある英雄の記憶体験。


ライオットの過去が脳内に流れ込むのを感じた。



俺は、生まれた頃から拳を振るい、戦いの中で生きてきた。


生まれた頃からって言うのは単なる比喩表現と言うやつで、実際は物心つく前に両親が他界してしまい、1人彷徨っていたところを凄腕の拳闘士に拾われて育てられたのだ。


聞いた話だと俺の両親は馬車で街まで向かう途中、盗賊団に襲われて殺されてしまったらしく、母親なんかは弄ばれるだけ弄ばれて壮絶な死を遂げていたとか。


そんな中、1人取り残されていた俺を拾ったのがその拳闘士だった。


彼は拳闘士ギルドと呼ばれる拳闘士のみが所属するギルドの長であり、実質俺の第2の育て親、親父だった。


物心ついたばかりの幼い俺はそんな親父に憧れ、無理まで言って拳闘士としての道を歩み始めた。


毎日が充実していて、親父との鍛錬の日々、拳闘士ギルドの皆との他愛もない談笑、そのどれもが俺のかけがえのないもの宝物だった。


拳闘士ギルドの皆が家族、そうとまで思っていた。


12歳になり、若くして拳闘士ギルドの親父に次ぐエースを担うまでになっていた俺は数々の魔物討伐依頼や鍛錬を熟し、遥かな高みを目指していた。


このまま歳を重ねていずれ親父を超える――――そう思い続けて早くも17歳の年。


それは、起きた。


俺が所属する拳闘士ギルドのある街、ハルスティンに魔物の軍勢が攻め入ってきたんだ。


数は凡そ50万の大群相手になんとか拳闘士ギルドの皆や街の戦える人達で力を合わせて立ち向かうも、小さな街の戦力では数の暴力には抗えず、あっと言う間に殆どの人が殺されてしまった。


残った拳闘士ギルドの皆や親父と協力して力尽きるその時まで戦い続けるも、やはり多勢に無勢。


拳闘士ギルドの皆は死に、残るは俺の親父だけになった。


そんな時、魔物の軍勢の大将を名乗る魔人が現れ、その手で呆気なく親父の命を奪った。


そして俺に告げたんだ。この街を襲った理由を。


暇潰し、そう魔人―――後の魔王は口にした。


それを聞いて俺は決死の覚悟で魔王に立ち向かったが、軽くあしらわれた挙句に何故か生かされ、俺だけが荒れ果てた街に取り残された。


ただただ屈辱だった。許せなかった。


暇潰しだけで大切な家族や皆を殺され、訳も分からず、俺だけが生かされたのが。


死 のうとは考えなかった。考えても皆が帰ってくる訳じゃない。


だったら今以上に強くなり、抗って抗っていつか、魔王を殺す事で皆の仇を取ってやる。


その想いだけで俺は一心不乱に魔物を殺し続ける日々を送り、世界中を放浪する旅を送り始めた。


そんな時、出会ったのが後の七英雄達だった。


それぞれ理由は違えど目的は1つ。


魔王の討伐。


俺達はそれから行動を共にし、やがて魔王と対峙する事になる。


しかし待ち受けていたのは魔王を倒し、栄光を手にする―――でもなく、圧倒的な魔王の支配力によって七英雄全員が傀儡と化し、魔王の手駒となる運命だった。


そんな時、颯爽と現れたのが勇者だった。


赤い髪に紫紺の瞳、整った顔立ちをしていて真紅の聖剣を携えた青年。


圧倒的な光の力を持ってして魔王を消し飛ばしてしまう程の実力を持つ真なる英雄の姿。


彼が魔王の呪縛から解放してくれなければ俺はとんでもない過ちを犯してしまうところだった。


世界だけでなく、俺達まで救ってくれた勇者に七英雄(おれたち)は涙し、残りの人生は全て恩人であるこの人に捧げようと誓った。



「……あれ?この勇者の姿、ユリウスやアリアナの時と違うくないか…?」



ライオットの過去視が終わり、ふと他の2人とライオットの記憶に出てきた勇者の容姿が違う事に気が付いた俺は疑問を浮かべた。



「確か2人の記憶に出てきた勇者セスタって黒髪で黒い瞳に黄金の聖剣…だったよな?あれ…?」



それに、この勇者の姿を俺は何処かで見た事ある気がしてならない。


つい最近何処かで会ったような…無かったような…。


そもそもアリアナの証言によるとセスタは勇者時代、赤髪だったと言う。


ならユリウスとアリアナの記憶に出てきたセスタはどうして元の黒髪のままなんだろう。


もしかすると思い出補正と言うか黒髪のセスタと過ごした期間が永過ぎてイメージがこびり付いてしまったのかもしれない。


まあ、深く考える必要はない。試練が終われば幾らでもセスタに問い詰める事が出来る。


俺は浮上した疑問を取り払い、次の試練に集中する事にした。


ルナと呼ばれた女性の気配はこの森を抜けた先にある。


徒歩でも行ける距離だろうからこのまま森を抜けて行こう。


これから第4の試練、丁度折り返し地点と言ったところだ。気合を入れていこう。

珍しく早い投稿でびっくりした??実は自分でもびっくりしてます。


おしりかじりあい虫(擬似ウロボロス)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ