キング・オブ・東京 やばい町編
やばい町と言っても治安の話ではございません。災害耐性的な話です。
私の祖父母宅は、東京の中でもかなりやばい町に鎮座している。
東京を「○○町○丁目」単位までみじん切りにして、火災その他諸々のリスクを総合評価したワーストランキングで堂々の一位に輝いた。評価項目によって微妙に順位は異なるが、ほぼほぼワースト10には食い込んでいる。だからまじでやばいんだと思う。
まず家の前の道がめちゃくちゃ狭い。人間同士はなんとか、でも自転車とはすれ違えない。そんな道なのに住民はプランターなどを置きさらに道幅を狭めるエキセントリックなことをしています。消火栓の上には置かないでねー!
家と家の間はさらに狭い。ネコなら通れるかしら……。どうやって建てたんだこれレベルで、築30年以上経った木造住宅が密集しています。
衛星写真で見るとなかなかのテトリスっぷりを発揮していますよ。
火事が起きても消防車通す気ゼロ。町全体が燃え落ちるまで手の施しようないんじゃないかな。
そんな中でも祖父母宅は築半世紀が射程に入るほどの老朽化を見せつけています。本当にやばいよね。
ですが、祖父母ともに鬼籍ですのでこの家には長いこと誰も住んでいません。燃えようが潰れようが一族から死人は出ません。
空き家ということになりますが、手入れはしているので放置家屋ではない。そしてガスは止めてるし、火や熱源となる家具家電も撤去してるから、火元になることはありません。それでも貰い火や放火までは防げないので火災保険には入ってるのかな。守るべき家財もないから、近隣住宅への見舞金補償的なプランだけのやつ。
しかし築年数的にも、そろそろ潰した方が良いんじゃないかという話になってまいりました。両隣の家と数十センチしか離れてないのをどう潰すのか知らんけど。
老朽家屋を撤去するなら、区から助成が下りるという制度が期限付きで使えるそうです。そんなのがあるなら制度期間中に潰せばいいんだけど、残された子どもたち……つまり私の親やその兄弟ですね。ほぼ潰すべきという意見なのですが、一人だけ乗り気じゃなくて話がまとまっていません。
今は亡き両親との思い出が詰まった家ですからね。そりゃあまあ、気持ち分からんでもない。
でもさ、ワースト10の町だよ!?
今後絶対に住まないじゃん! 潰したところで、新たにそこに建て直すとかも絶対にないじゃん!
隣とかは今でも住んでいるので、万が一にも放火からの延焼とかあったら怖いよね。ていうか、どこかで着火したら町全焼まではせずとも周辺一画は消し炭確定だよ?
そんなところなのに、ところどころ綺麗な家が建ってるんですよね。リフォームなのかはたまた建て直しなのか。しばらく来ないでいると町の様子がけっこう変わっているんですね。祖父母宅以外にも明らかな空き家、増えてますしね。
そんな家々を助成してでもどんどん潰して更地にして、道路を拡張したりなどもしているようだ。せっかく道は拡げても電柱は元の位置のままだったりするんだけどね。電柱も移動させりゃいいのに雑だよなあ……。