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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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私、悪霊だって言ってるでしょ!

私、悪霊だって言ってるでしょ! 悪霊になった少女

作者: 闇野晶

出す場面になって、連載小説のほうが良かったと思い直す……。よかったら、続編として出すものを見てください。

 私、南王子(みなみおうじ) 未来(みらい)は悪霊である。怨霊でも良い。ただし、間違っても『勇者』とか『守り神』とは言わないで欲しい。それは、決して私の望んだものではないからだ。

 

ことの始まりは……何年前か何十年前か、もしかしたら100年経ったかもしれないが、随分前の事になる。私は中学二年生の、ごく普通の女子中学生だった。ちょっとばかし、目つきが鋭く、髪も短かった為に『イケメン』なる称号を同級生の女子から貰っていたが、それを除けば本当に普通の女子中学生だった。だが…………


 思い返しても腹が立つ。私はいわゆる異世界転移というのを経験した。細かい事は省くが、魔王を倒す為に勇者として召喚された。勿論、拒否したが、ならば元の世界には帰さないと言われ、泣く泣く戦いの日々に身を落とすこととなった。


 あぁ、勘違いしないで欲しい。私は確かに悪霊だが、その戦いの中で命を落としたわけではない。何せ私には『勇者』としての大量のチートと、最強の『勇者の剣』を持っていたから、多分この世界の誰にだって私に戦いで勝てる者はいなかったんじゃないかな。実際、魔王を倒した時も「あれ、こんなものなのかー、他の魔族よりは少しは強いけど大したことないね?」と余裕かましていた位だ。


 だから、私が死んだのはその後。勇者として魔王を倒した後の、人間社会での出来事である。


 とは言っても、その辺りの事情は、実の所簡単に説明できる。いや、詳細に詳しく聞きたいなら、幾らでも聞かせられるが、それだと日が暮れるし、私の精神衛生上よろしくない。なので、簡単に説明させてもらおう。


 勇者が思ったより強くて怖いので殺そうと王様がお触れを出す。人の暮らしている所で暮らせなくなる。山奥で孤独に暮らす。毒のある食べ物を食べ、倒れる。誰にも助けを呼べず、死亡。


 いかがだろうか。実際はもっと凄惨でえげつないが、分かりやすく、またマイルドに表現してみた。しかし、あの時の私は青かった。散々魔族を切って殺していたが、どうにも人を切ることはどうしても出来なかったのだ。もし、出来ていればあんなに苦労することも無かっただろう。それに、勇者の力は対象を必ずぶっ殺す事に特化しているらしく、手加減して対応することも無かった。


 まあ、これで私が悪霊になった経緯は理解してもらったと思う。無理矢理、異世界に連れて来て戦わせて、挙句倒してやったら悪人呼ばわりされ、最後は故郷に戻ることも出来ずに一人寂しく死に絶える。これでは悪霊になるのも仕方ないのではないだろうか。


 私の目的はこの世界に対する復讐だ。私の犠牲に成り立つ幸せなんて、潰れれば良い。そうでしょう?



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