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「この間の騎士コン、楽しかったわね!」

「でも白銀の騎士様が来ていなかったのが残念だわ…」

「それにしても、あのマーヤ嬢って強いのね!あの剣の貴公子ルヴァス様を倒すなんて!」

「た、確かに強くてかっこよかったけれど…でも、あんなのゴリラよ!」

「え、そう?私もかっこいいと思ったわ。神殿騎士初の女性騎士誕生も、近いのかな…なんて」

「そうしたら、マーヤ嬢と白銀の騎士様で双璧になるのかしら!」

「るっ、ルヴァス様を忘れないでよ!ルヴァス様も含めて騎士団の盾となり剣となる…きゃー!素敵!」

「結局あなたが一番乗り気なんじゃないの…?」




「…と言うわけで、マーヤとルヴァスは親友になったわ」

「…よく分からないんだけど。ルヴァスはマーヤのことを目の敵にしていたんじゃなかった?」

「確かにそうだったんだけど…剣を交わした後に『白銀みたいだな』って、なんだか気に入られたみたい。私もよく分からないの」


騎士との合コン…騎士コンが大盛況に終わった次の週、マーヤもよく分かっていないことが起きたらしい。…というか、どうして合コンで剣を振り回すことになるんだ。


「あんまりにも戦い方が似てる似てるって言われるものだから、実は白銀の騎士の従姉妹なんですって言っちゃった」

「…まぁ、マーヤがいいならいいんじゃない?白銀の騎士の設定を考えるのは君なんだから。…で、騎士コンはどうだった?」

「何人かの同僚と話せた…けど、そのどれもが、『あのルヴァスを倒すなんてすごい!是非俺とも手合わせを!』みたいなノリだったのが気になるわね!」

「…それで、騎士たちの親戚はお嫁さんを必要としてた?」

「ううん、全然。あ、でも面白い話なら聞いたわ!なんと!ルヴァスは聖女様がお好きなんですって!」


思わずお茶を吹き出しそうになる。ちなみに自分でいれたものだ。美味しい。


「る、ルヴァスって…あのルヴァス?彼の家格ってどれくらいだっけ」

「ルヴァスはカルド伯爵家の一人息子よ。過去に聖女様が伯爵家に嫁いだなんて話もあるから、十分希望はあると思わない?」

「…確かに。君の婚活同様に、うまく行くといいけど」

「大丈夫よ!諦めなければ聖女様が微笑んでくださるって、昔から相場が決まってるもの!」

「…ルヴァスには微笑んでも、君に微笑んでくれるかは分からないんじゃない?」

「うっ……」



「…で、結局君の婚活は進展なしか…。なかなか上手くはいかないね」

「あ、そう言えば今度、団長と一緒に食事に行くことになったの」

「………なんだって?」

「今度団長のご両親…あ、団長はネイレ侯爵の長男なのだけどね?侯爵夫妻が北の領地から遊びに来られるらしいのよ。その時に食事に行く予定のお店の下見に付き合ってくれないかって」

「っそっちをなんで先に言わないんだ君はっ!ルヴァスのことなんかよりそっちの方が大事だろう!」

「そ、そうかしら…」

「そうだよ!」

「…あなたがそんなに張り切ってるの、私初めて見たわ」

「それははいいから。で、団長と食事?…団長は独身だっけ?」


あまり騎士団内部の事情には詳しくない。というか、意図して情報を入れていない。街の人々やマーヤから聞く話だけが頼りだ。


「ご結婚はまだと聞いたわ。…というか、いらっしゃったら私を誘ってお店の下見なんて行かないでしょ?」

「確かに、それもそうか…。もしかして、マーヤと団長が結婚することになったりしてね」

「もう、そんなことないわよ。大体、団長は尊敬する上司!しかも侯爵家の跡取りよ?私なんかと結婚なんて…」

「分からないよ?縁というのは不思議なものだから」

「…あなたが言うと、なんだかそんな気がしてくるのよね」

「それ、褒めてる?」

「褒めてる褒めてる!」

「…まぁ、別にいいけど。その食事会、頑張って」

「えぇ!団長のご両親が満足できるようなお店かどうか、きちんと確認してくるわね」

「いやそこじゃなくて…」


別の方向に張り切るマーヤをよそに、自分はマーヤの婚活に何か進展があることをひっそりと願っておいた。


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