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五本場2

 乙女雨の降る中、本日も麻雀部は部活動に勤しんでいた。と言ってもまだ対局は始まっておらず、各々が椅子に座ってミーティングを執り行っている最中であった。

「という訳で六月はインターハイの地区予選が行われます。インターハイに出場するには地区予選を通過しなくてはなりません」

 全員に大会要綱が記されたA4紙が配布され、更に部長の彩葉がホワイトボードに事細かに書き込みながら説明をしていた。内容はどうやらインターハイ出場権を得る為の、地区予選についての要綱らしい。

「今年は及川さんがいます。インタージュニア個人優勝の及川さんがいるのですから、私たちが恥ずかしい打ち方をする訳には行きません。各人の欠点や弱点をとことん補強して行きたいと思います」

 悲願のインターハイ出場へ向けて、彩葉の説明には気合いが感じられる。部員達にもその気合いが伝わったのか、皆真剣に彩葉の話を聴いている。

 特にインタージュニアチャンピオンの七海は彩葉以上に意気込んでおり、大会要綱を食い入るように眺めていた。

「では大会要綱の8ページ目を見て下さい」

 8ページ目は対局に関する細目が記されている。要するにルールの詳細である。

 主なルールを以下に挙げる。


・各校五人の団体戦

・東南戦

・三〇〇〇〇点持ち三〇〇〇〇点返し

・10ー30のウマ

・食いタン、食い換えアリ

・後付けを認める

・赤ドラ、裏ドラ、槓ドラ槓裏ドラはナシ

・一発役はナシ

・国士無双に限り暗槓の槍槓を認める

・オープンリーチはナシ

・一半荘に付き、一時間半の打ち切りとする(対局中の局まで)

・トビはナシ


 もう少し詳細に記されていたが、おおまかな点を挙げるとこのようなルールとなっている。

「ウマの比率がかなり大きく設定されています。これによって戦略が大きく左右されます。例えば先行逃げ切りでウマを狙う事も出来ますが、一時間半の打ち切りとはいえトビナシなのでへこんでいても逆転を狙う事が出来ます。各人の得手不得手を考慮してオーダーを決めなくてはなりません」

 最終的には各人が獲得したスコアの合計がそのチームの得点となる。先鋒、次鋒の二人が一位を取れればほぼ勝ち抜けられる為、セオリーでは、前半に破壊力よりも安定感のある選手を配置し、確実にウマを得る戦略が多い。

 それが叶わなかった場合、後半に配した連荘が狙える脚の速い選手や破壊力の高い選手で補う……という戦略がスタンダードである。

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