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四本場27

 東二局一本場、ドラ4。奥方の連荘である。

 沙夜の配牌は以下の形。


一二四九②②④⑥48東東白


 ドラが一枚、翻牌の対子はあるがその他の形がいかんせん悪い。最低でも二回は鳴かないとテンパイすら厳しいと見積もれる。

 沙夜は9をツモり、微妙なツモに落胆しながらも一を切った。

「よーしよし、リーチするよ」

 沙夜が鳴けず二向聴でウロウロしていると、下家の木村からリーチが入った。リーチ牌は東である。これには沙夜も悩んだ。


二三四②②④⑥⑧489東東


 東を鳴くと残りの牌が中張牌だらけになり、リーチを受け止めるにはかなりキツくなってしまう。それよりももうこの局は諦め、東の対子落としで回るのが好いか……

 沙夜はわずかに悩んだが、さっさと中野がツモってしまったため、仕方なく後者に受ける事にした。

「ん、ツモっ」

 木村は何と一発でツモった。


一一一③④⑨⑨567北北北 ()


「リー即ヅモ赤……裏はないね。満貫と……二枚オールかな?」

 役無しであるが赤をツモって満貫である。もし沙夜が東を鳴いていれば自分の手牌で活かせた牌であるが、かといって一向聴にするためにはドラの4を切らなくてはならない。いくらなんでもそこまでの危険は冒せない。

 こんな事はミスではないと、沙夜は手牌を伏せ、点棒とチップを差し出した。


 東三局、ドラ北。親は沙夜。

 今のところノー和了は中野だけである。ここらで中野が和了りを目指して来るかも知れない。

「ポン」

 沙夜がそんな事を考えていた矢先、中野が奥方の第一打の南を鳴いた。中野は西家なのでオタ風である。

「チー」

 そして三巡目に木村の2を13でチーした。普通に考えればドラ絡みのチャンタか混一色であろう。その時の沙夜の手牌は以下の形。


三三四四五七②③⑧⑨24北


 せっかくタンピン三色の見える好手牌なのに、余計な牌が一枚紛れ込んでいる。いずれ切らなければテンパイ出来ないだろうが、それには中野の手に喧嘩を売らなければならない。

 もしかしたら中野はドラなんて持っていないかも知れないし、切るのは安全が確認されてからでも遅くはあるまい。とりあえず沙夜は北を抱えておく事にした。

 八巡目を過ぎても北は見えず、奥方が沙夜の鳴ける五や④辺りを切ってくるがドラが見えていないため迂闊に鳴けず、門前で我慢しているとさすがに沙夜もテンパイしてしまった。


三三四四五②③⑧⑧234北 ④


 誰もがこの北を切りたくなるだろう。リーチを掛ければ満貫確定、一発や裏ドラ次第で親っパネも望める。

 しかし自分は門前に自信が無い。基本的に喰い仕掛けの自分が、おいしい牌が出ているにも関わらず仕掛けないとなれば、これはもう切れない牌を持っているのは見え見えである。それを狙い撃ちされる可能性は高い。

 沙夜は小考し、仕方なく枕の⑧を落とした。

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