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四本場23

 その日の帰り、木村から沙夜のスマホにインスタントメッセンジャーのアプリケーションを介して連絡が来た。それによると次のバイトの日、終業後にまた麻雀を打とうという誘いであった。

 沙夜は既読スルーなどという不義理な事はしない。『OKだよ』という書き込みと共に丸顔の白い人がサムズアップしているスタンプを返信しておいた。木村ももう初老ではあるが中々どうして、積極的にデジタル方面も活用してくる。すぐに木村から『ありがとう』という絵文字付きの返信が来た。

 次のバイトの日という事は明後日である。まあバイトに行けば嫌が上にも思い出すだろうから忘れる事はあるまい。沙夜はスマホを通学鞄に仕舞い込んだ。


 以前、彩葉がこんな事を言っていた。

 曰く、『七対子は待ちを変えやすく、筋牌を押さえるにも適している上にドラが絡めば満貫や跳満が狙える攻守兼用の便利な役』との事である。

 なるほど確かに理に適っている。しかしながら沙夜は七対子を和了ったという記憶が全くといって好いほど無かった。確かに彩葉の言う通り七対子の便利さは分かる。しかし七対子はテンパイするまでが大変であり、張っても単騎待ちである。沙夜は役牌の対子があれば鳴いてしまうし、対々和を選べる時も結局両面待ちを選択する事が多い。

 まあ状況によりけりなのは言うまでも無いが、それが自分の打ち方なのである。

 今日は日曜日であるため、沙夜は朝からレジに立っている。本日ののオススメはレアチーズケーキで、甘さを控えめにしてあり、若い女性に人気が高い。

 いつものように業務を滞り無く消化して、気付けば昼の休憩時間を迎えていた。沙夜は休憩室に入り、自身の弁当である自作サンドイッチをテーブルの上に広げた。ツナマヨやハムマヨ、炒り卵など多様な種類のサンドイッチを作ってきてある。独り暮らし故家事は一通りこなせる自信がある。その中でも料理は得意な方だ。

 休憩室に常備してあるコーヒーメーカーからコーヒーをもらい、やたらと甘くした後でいざ昼食である。

 サンドイッチを手に取り、口へと運ぼうとした時、沙夜はある事に気付いた。

 いつもなら木村も休憩室にいるのだが、今日は見当たらない。そういえば厨房にもいなかったように思う。

 もしかしたら配達にでも出ているのかも知れない。奥方の都合が悪い時は木村自ら配達に行く事もあるし、あるいは商工会の集まりにでも参加しているのかも知れない。

 とりあえず気にしない事にし、沙夜は昼食の続きを再開した。

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