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四本場6

 東二局、ドラ中。親は夕貴。

「チー」

 二巡目にして沙夜が中野の切った1を23で鳴いた。

「チー」

 更に四巡目、今度は⑧を⑦⑨で鳴いた。

「ん、ちょっと甘かったか……」

 二鳴きした沙夜の捨て牌はこう。


北6六②


 沙夜の下家の七海はちょっと考えてから⑥を切った。続いて、親の夕貴の手牌はこう。


六八①③④⑤⑤⑥⑦⑦224 五


(沙夜のあの鳴きと捨て牌からしてチャンタ?ドラの中もまだ見えてないし……①か八を切りたいのにチャンタにはどっちも本命!仕方ない、手は遅くなるけど、⑤を切って②引きに期待しよう)

 夕貴は不本意ながらも⑤を切った。

「ロン、三九○○」


①②③④⑥中中(⑦⑧⑨)(123)


「えー一通だったの?そんなの分かんないよ……」

 夕貴はブツブツ言いながら五千点棒を差し出した。

(門前でも充分勝負出来た手なのに、わざと手を晒して和了り牌を引き出す……単に早い和了り、というだけではないところも名古さんの持ち味であることは確か)

 自分や七海には出来ない打ち方だと、彩葉は沙夜の和了りを分析していた。

 東三局、ドラ④。親は中野。

 まだ沙夜以外は和了っていない。この親番で点数を稼ぎたい中野の配牌は以下の形。


四五六①③③④⑥2478東北


(中野くんは中々の好配牌……)

 メンタンピンドラ一が狙える好配牌である。中野は北を切り出した。

 三巡目に⑤をツモり①切り、五巡目に5をツモって2を切った。

「ポン……」

 その2に沙夜が食い付いた。沙夜は1を切る。一周して中野は6をツモった。

(東切りで3‐6‐9の三面張、リーチを掛ければ3でも一一六○○(ピンピンロク)、6か9なら三色、高めの6なら親っパネですか)

「ん……リーチ」

 中野はリーチするかどうか一瞬悩んだようだったが、東を切ってリーチを宣言した。

「ロン……ニ○○○点」


一ニ三②③④東東發發(222)


「うーん、勝負手だったんだが初牌はキツいか」

 中野は手を伏せ、点棒を差し出した。

(中野くんはノっているようですが名古さんの方が早かった……これはちょっと分からない流れですか)

 中野は勝負手を和了らせてもらえなかったのだからいわゆる半ヅキ状態である。こうなると勝負の行方は分からない。

「沙夜もう少し我慢してればチャンタ三色あったんじゃない?」

「麻雀はね……和了らないと意味が無いんだよ……」

「いやー、それはそうなんだけどさー」

 沙夜の言う事は全くの正論である。夕貴もそれ以上は言い返す事なく、牌を流した。

 東四局、ドラ9。親は沙夜。

 沙夜は三連続和了りで調子が付いて来ている。ここは七海辺りが流しに来るであろうと彩葉は読んでいた。

「發ポンです!」

 彩葉の読み通り七海がニ巡目で發を一鳴きし、⑨を切った。同巡、中野がツモった後にしばらく考えてから⑤を切った。

「ロン、ニ○○○点です」


ニ三四六六⑥⑦789(發發發)


「ニ○○○点……と」

 中野の⑤打ちは明らかに差し込みである。トップに連荘させまいと協力したのだろう。小場のまま、南場に入った。

 南一局、ドラ白。親は七海。

 彩葉から見えている沙夜の配牌は以下の形。


一ニニ五七⑧⑧⑨128西北


(名古さんの手が落ちて来ている……調子を遮られたからでしょうか)

 これでは喰い仕掛けも厳しいだろう。せいぜい北を重ねて鳴いたノミ手が精一杯のところだ。ここらで夕貴が盛り返して来るかも知れない。

「んっ来た来た、リーチ!」

 夕貴が七巡目リーチを掛けて来た。

「ツモ!」

 十巡目、夕貴は手を倒した。


一一一五六⑥⑦⑧⑨⑨234 四


「安いけどやっと和了った!五○○・一○○○!」

 夕貴は全員から点棒を受け取った。

 南二局、ドラ⑥。親は夕貴。

「さあさあ連荘しちゃうよ~」

 夕貴は和了れた嬉しさからか、喜び勇んで配牌取り始めた。

(中野くんだけ和了ってませんが、点差はそんなに付いていませんからまだまだ挽回出来ますね……)

 中野にはまだ親が残っているため、ここでの失点を抑えて親を引きたいところである。

 そんな中野の配牌は以下の形。


三五六七②②⑥⑧346西發


 軽い手である。手早く鳴いて行ければそんなに労せず和了れるだろう。中野は7をツモり、西を切った。

 迎えた七巡目、中野が動いた。夕貴が切った5をチーした。


六七八②②⑥⑦⑧67(345)


 高め三色の手である。テンパイした直後、中野は高めの8をツモった。

「ツモ、一応高めで一○○○・ニ○○○だな」

 タンヤオ三色ドラ一の和了である。珍しく沙夜は鳴く事もなく、中野が和了って南三局となった。

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