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二本場6

 東一局、ドラ白。親は老人。

 とりあえずいつも通りに打ってみても好いのだが、少しばかり見に回ってみても遅くはあるまい。彩葉はとりあえず振り込まないように気を付けつつ、手を進めてみることにした。

 配牌は以下の通り。


一四六②②③⑤128白白發


 ドラが対子ではあるが他の形があまり好くない。彩葉は4をツモり、1を切った。

「よっしゃ、リーチじゃい」

 親がドラを捨ててリーチを掛けてきた。彩葉の手はこう。


四五六七②②②③234白白


 白のポンテンである。本来なら白を枕にして萬子か筒子の多面張にしたかったが、一発を消せるし、彩葉はすかさず白を鳴いた。何を切るかであるが、七なら親の現物である。多少危険でも出和了り期待の③切りで親リーチの現物待ちにするか、安全運転で七を切り、三面張のツモ狙いか。まあ悩むほどのことではない。彩葉は七を切った。

「ツモ、二○○○・四○○○です」

 彩葉は①を引いた。

「満貫スタートか、お嬢ちゃんやるのう」

 親カブリした老人は点棒を差し出しながらそう言った。初牌のドラを切ってでもリーチしたということは恐らく好い手だったのだろう。東風戦で満貫スタートは上々である。後はこのリードを守り切って勝ち抜ける。

 彩葉は多少緊張していたが、この満貫でいくらかほぐれたか、幾分リラックスして次局へと臨んだ。

 東二局、ドラ③。親は紳士風。

 五巡目に於ける彩葉の手牌は以下の形。


三四五六八八八⑥⑦⑧778 ③


 高め狙いなら三色狙いで7を切ってみても好い。が、彩葉はノータイムで8を切った。

(8を切れば受け入れは一二三四五六七八、①②③④⑤、7の十四種類。7を切ると三六七、③、69の六種類、その上三色は不安定……ここは8切りが正着です)

 この辺りは彩葉の得意分野である。直後、彩葉は②をツモった。

「リーチです」

 三切りで待ちは①‐④、高めのツモなら満貫だ。その後十巡目に①を引いた。

「ツモ、裏は……ナシ。一○○○・二○○○です」

「部長、アリスをめくって好いぞ」

「えっと……ドラ表の横をめくるんでしたね?」

 彩葉はおっかなびっくり、ドラ表の嶺上側ではない方向の山をめくった。そこに現れたのは東であった。

「ほっ、アリスナシか。助かったわい」

「ここに手持ちの牌と同じ牌が出たら一枚に付き五百円、ってわけだな」

「なるほど……分かりました」

 和了り点は安いがリードを広げられたし、アリスのことも把握出来た。この調子で素点を積んで行こう。上がり調子で、彩葉は親を迎えた。

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