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一本場20

 南一局二本場、ドラ北。親は夕貴。

「リーチ」

 八巡目に七海がリーチを掛けて来た。捨て牌は以下の通りである。


西南一西①1

リーチ


 普通に読めばメンタンピン、萬子の上か⑧のソバテン辺りであろう。彩葉から見える七海の手牌はこう。


六七八②②⑦⑧345678


 ドラはないが高め三色の好手である。高めをツモれば跳満、ほとんど勝負を決められる手である。

 七海のリーチを受けて中野はツモり、しばらく考えた後、手出しで現物の⑧を切った。高い手だということを察しているのだろうか。

 そして次巡も⑧切り、現物の対子落としである。

(⑧の対子落とし?これは好くない……)

 七海は中野の現物落としを見て表情を曇らせた。これで場に見えている⑧は三枚、七海が一枚持っているため⑨は手の中で浮きやすい格好になっている。他家から見ればワンチャンスとなってしまった。

「う~ん、これしかないなぁ」

 七海が危惧していた通り、夕貴が⑨を切ってしまった。

「……ロン安め、二○○○は二六○○」

「あちゃ、また七海ちゃんかー。まあ安めだったのが不幸中の幸いかな」

 夕貴は二○○○点分の点棒を差し出した。

 その時、彩葉は中野の手を喰い入るようにして覗き込んでいた。


一一二四七③③⑥⑥⑦357


(この手から⑧の対子落とし?確かに攻める手ではないでしょうけど……それでもタンヤオを狙いつつ回せるのだから現物の一を切れば好いのに……)

 となると答えは一つ、安め打ちを誘発させるためにわざと⑧を対子で切ったと見える。七海はデジタル打ちの傾向が強いが、それ故に捨て牌から情報を拾われやすくなってしまうのである。

 中野も、⑧の出が遅いことから⑧のソバテンと読み、自らの手を止めてでも七海の跳満を阻止した、ということではないだろうか。

 それにしても⑨が高めの可能性もあるのだし、この辺りは彩葉の想像の域を出ない。確かに七八九の三色ならば、チャンタ含みで下側はそんなに早く出ないとも考えられる。

 しかし、彩葉には捨て牌からの読み以外にも理由があるような気がした。

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