七本場28
(三切り……?三四五三色は無くなってしまうし、九を引いたら索子の悪形が残って役無しになってしまうのに……平和狙いなのかも知れませんが、ここは8切りがベターでしょう……やっぱり平坂さんはまだ……)
と、彩葉がそんな事を考えていた折り、七海の手牌が目に付いた。
その時点での七海の手牌は以下の形。
四四四八九⑥⑥⑧334發發
(及川さんの手に四の暗刻……)
しかしこれは彩葉が外から見ているから分かる事であって、果たして夕貴が何らかの材料を吟味して四の暗刻を看破したのだろうか。
七海は同巡、⑧をツモった。こちらも悩み所の手である。
(及川さんは五対子で七対子の一向聴……でも決め打ちで四を切るにはもったいない形ですね。七対子も面子手も両方見るなら、ドラ固定の4切り、或いは萬子の偏張落とし……)
役牌が対子なのだから、鳴けない七対子よりは面子手を見た方が好いかも知れない。發さえ鳴ければ後はどうにでも受けられる手である。
どれを切るかは当人の好みに由る所である。七海はドラ対子固定となる4切りとした。
(ツモ次第では四暗刻も有り得ますからね……無理にドラ側を残して置くのも剣呑ですし)
七海の4切りはまあ妥当な線だと言えた。




