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六本場12

「ツモ、五◯◯・一◯◯◯です」


四五六⑤⑥⑥⑥⑦35678 4


 スルスルっと好牌をツモり、僅か六巡で彩葉は和了ってしまった。親に東やドラの發も鳴かれる事なく、卓上の全てが彩葉の為に廻っていなければこうは和了れまい。

 唯一の希望だった親番をあっさりと流された和坂の落胆ぶりはそれは如実である。がっくりとうなだれ、壁牌を流す手付きはいかにも沮喪である。

 南二局、ドラ白。親は牧田。


一一五七九⑥⑧79南西白中 ②


(ダメだ、完全に配牌が死んでる……)

 可能な限り失点を抑えて来た強豪天條学院の牧田であるが、今回ばかりは打つ手が無い。三位の聖陽高校の向井とは僅か二◯◯点差であり、ここで下手に親っ被りを喰うと順位が落ちてしまう。

 牧田は少々考え、西を切った。

 三巡目、和坂が切った一をポンし、九を切った。

(一ポンの九切り……混一色でなしチャンタでなし?)

 牧田と二着を競っている向井はそれに反応した。役牌がドラであり、いきなり一を鳴いて九を切ったという事は役牌の後付けが最も考えられる。

(仕方ない、甘い牌は打てない……)

 向井はまだ字牌が手の内に残っていたが、仕方なく合わせ打ちで九を切った。

 牧田のブラフ鳴きが効いているようで、誰もリーチや副露する事もなく、全員ノーテンで流局となった。

 南三局、ドラ③。親は彩葉。

 彩葉はこのルールなら直撃を喰らってもまず点差はひっくり返らないほど差をつけている。役満の親っかぶりでもしない限りはまず安泰である。

 彩葉の配牌は以下の形。


一二二三五③⑤⑦345南西 6


 相変わらず流れは好いようだ。奇をてらう事なく、ツモに沿って打って行けば好いだろう。彩葉は西を切った。

 八巡目、彩葉聴牌。


一二三四五③⑤⑦34566 ⑥


 ドラの③を切れば平和聴牌だが、三色にはならない聴牌である。彩葉は下家の捨て牌をちらりと見た。


⑨2西②5八


 ②を手出しで切った後はオールツモ切り、どうにも七対子が臭う。

(ドラを使える三色ならまだしも平和のみ……加えて下家は七対子、このドラは打てない)

 彩葉は聴牌には取らず、一を切り飛ばした。

(ドラを使える好形聴牌の時だけ、リーチに行く事にしましょう)

 勝っていても冷静沈着な彩葉である。無闇にリーチせず、一旦退いて様子見とした。

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