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六本場4

「『さくら』は麻雀ブームの時代からバブルに掛けて流行った店だよ。フロアを間仕切りで半個室にしてある」

「半個室……ですか」

「そう、カラオケみたいな密室じゃなくてデパートのテナントみたいな感じだな。隣のブースと仕切ってはあるが外から中が見える」

 なるほど確かに外から監視出来ないと悪事を働く輩がいるかも知れない。かと言って開け過ぎていると集中出来ない。そういう意味では半個室というアメニティは認定店として最適である。

「確か高麻連から監視員が各店舗に派遣されるって要綱に書いてあったけど……無駄に金が掛かってるな」

「麻雀競技は大分メジャーになって来ているとはいえ、やはりまだ往年のステレオタイプなイメージが残っていますから……それを払拭する為に高麻連も試行錯誤しているのでしょう」

 インターハイに麻雀競技が導入されてから幾年が経つが、かつての陰気なイメージがまだはびこっている為、囲碁や将棋ほどはまだ市民権を得ていない。それでも七海や彩葉のような玉女が出場し活躍しているという認識がなされるようになって来ている。

「前に部長、雑誌に載ってたよな」

「ええ……今読むととても恥ずかしいのですが……」

「確か謳い文句が美少女雀s「それは言わないで下さい!」

「うわらば!」

 彩葉は通学鞄をアグレッシブベースライナーのフォアハンドの如く振り抜いた。的確に中野を捉え、スライスストロークのボールのように中野は地面を滑った。

「まあそうやって健全なイメージを広めて行ってだな、競技人口が増えればインターハイ以外の大会ももっと開けるようになるって訳だ」

「ええ……投資と思えば我慢も出来ます」

 二人は並んで、玄関を後にした。

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