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五本場44

三四四四⑥⑦1234567 ⑤


 ようやく入ったが、役有り聴牌に取る為には現在高値の索子を切らなければならない。普通なら1を切って萬子の三面張に受けるが、それではいかにも剣呑である。

 中野は一瞬1に手を伸ばしたが、小さく唸り声のような声をあげると、三を切った。リー棒を出すと三着に落ちる為、役無しではあるが黙テンとした。

 中野が一瞬躊躇したような気配を見せた事を日和亭は察した。索子が高い為、恐らく索子を切ろうとして一旦回ったのだろうと推察した。


五六六八①②③3445中中 七


 絶好の嵌張ツモ、役は無いが両面聴牌である。しかし聴牌に取ると出て行くのは索子である。

(下家のお嬢ちゃんは混一色……南を二鳴きして發切りって事は聴牌はまだだろう)

 数牌の形が固まっていれば發はもっと早く出て来るはずだ。重なり期待で持っていた發だが、さすがに持ち切れなくなって渋々手放したのだろう。

(ノノがあの巡目で發を手出ししたって事は、恐らく白か中のどちらかの対子を持っているはず。アイツは七対子が好きだからな)

 日和亭は五二○○点までなら打ち込んでも首が残る。満貫はないと考えた日和亭は、聴牌に取る為に中膨れの4を切った。

 日和亭の強い打牌に視線が集中する。七海は面喰らっているのか、しばらく4を凝視した後、小さく発声した。

「……チー」

 七海はその4を56で鳴くと、8を切った。誰の目からも見てもさすがにこれは聴牌しているとしか思えない。こうなると一通も警戒警報である。

 七海は手牌の左側に二枚残して456を鳴いた為、左側の二枚は11、12、13、23、24の形が残っていると予想された。この内12、13、23は一通になる。

 七海が捨て牌した後、ノノもさすがに警戒しているのか、手出しで⑨を切った。

 直後、中野は索子を切っていれば和了り牌となる二をツモった。七海に圧されての和了り逃し、これは勝負の綾である。

 日和亭がツモ切りで七海の現物を切った後、七海は一つ息を吸い込むと、自分のツモに手を伸ばした。

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