表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/193

五本場43

 東三局、ドラ南。親は中野。

(つくづくビンタ麻雀は打点よりも首狙い、という事……)

 先の二人の和了りを鑑みると、和了りにくい高打点よりも安くとも確実に和了る事が肝である。捨て牌一段目でタンピンや混一色を聴牌した、という程に恵まれた手姿でもなければ、嵌張の一通や二回鳴かなければ聴牌出来ない混一色など下の下なのである。

「ポ……ポン」

 四巡目、日和亭が切った發をノノがポンし、やや悩んだかと思うと、ドラの南を切り出した。やはり首狙いの早い手であろうか。

 その時点での七海の手牌は以下の形。


三四五②④⑥⑦23577南


(やっと和了れそうな手なのに……)

 手は好形なのだが、一回ツモを飛ばされ、一周して七海は①をツモり、仕方無く現物の南を切った。

「あ……ツモ」

 二巡後、ノノが手を倒した。


二二二4445566(發發發)7


「……安め。三○○・五○○」

 4567の待ちで、56ツモなら対々和三暗刻が付いて満貫、4ツモなら暗槓して56のバッタに受け変えるという選択肢もあったが、結局一番安い手をツモってしまったようだ。

(ドラの南で待てば三九○○、ツモなら一三○○・二六○○だったけど、待ちの多い手に受けて結局一番安い和了り……どうやら最低運でもないようです)

 周りもそれほどまでは盛運という訳でもないらしい。安めのツモで済んだとはいえ、七海はノー和了のままオーラスである。

 東四局オーラス、ドラ五。親は日和亭。

 現在の点棒状況は以下の通り。


七海 二○七○○点

ノノ 二四一○○点

中野 二四五○○点

日和亭三○七○○点


 七海は首を繋ぐにも五二○○点以上、トップを取る為には満ツモか五二○○直撃が必要である。首の切れている二人は和了りさえすれば首確保、こうなればとにかく早い和了りを目指して来るだろう。それを上回っての五二○○点以上の和了り、果たして可能だろうか。

 現実的なところで五二○○点というと、平和のみをリーヅモにし、裏期待といったところであろう。

 命運を分ける、七海の配牌。


六八④235699南南西發


 これは難しい配牌である。南は自風である為、これを持っていては平和にならない。かといって役牌混一色に向かうとドラは使えない。

(これは……配牌から方向性が見えて来ない……)

 親の日和亭が一打目に北を切り、七海はツモった。ツモった牌は8である。

(字牌は重なり期待だからまだ切れない……こうなったら萬子はドラ引きだけ対応出来るように六を残しておいて、混一色本線で行くしかない)

 七海は八を切った。

 ノノは一打目に南切りである。頼みの綱の南が早一枚切れ、暗刻にするのは少々厳しい。

 七海は一瞬迷い、鳴こうと口を開きかけたが、中野がツモるタイミングがわすかに早く、仕方無く二鳴きする事にした。

 合わせ打ちで南が出るかと思われたが、六巡目を過ぎても誰も捨てて来ない。まだ山にいるのかも知れない。

 六巡目の中野の手牌は以下の形。


三四四四⑥⑦1234567 九


 手格好はかなり好いのだが、決定的な牌を持って来れず中々聴牌出来ずにいた。中野は九をツモ切った。

 中野の下家の日和亭がツモり、一瞬河を見渡し、ノノが一枚切っている南を手出しした。

「ポン」

 すかさず七海がそれを鳴いた。全員が七海の捨て牌に視線を向ける。


八④九⑧六西

北發


 鳴いて切った牌は發、対々和でなければ索子の混一色はほぼ間違い無いだろう。

 ノノは發を手出しで合わせ打ち、そして中野がツモる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ