表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/193

五本場31

 東四局、ドラ南。親は七海。

 オーラスを迎えた四人の点棒状況は以下の通り。


ノノ 二六一◯◯

中野 二六三◯◯

日和亭二五一◯◯

七海 二二五◯◯


 実際のところ微差ではある。リーヅモだけでも四◯◯◯点返るし、三九◯◯のロン和了りでも逆転は容易に可能である。

 となると後は早さである。門前でなくとも構わないので、とにかく早い手が欲しい。七海は配牌をめくった。


二三五八①②④589東發中 ①


 いかにも悪い。これをクズ手と言わずして何と言おう。ドラも無く役牌の対子も無い。せいぜい字牌の重なりを期待するしか無く、そもそも聴牌出来るのだろうか?

(何て事……このままでは一人沈みになってしまう)

 とにかく連荘出来れば何とかなるのだが、クビ有りの三人が早和了りしてくるのは明白である。今更ながら失ったリー棒は重い。

 何を切るか。役牌は重なり頼みなので切れない。八はチャンタの受け、五はタンヤオの受けである。

「どうした及川」

 配牌で少々悩んでいると、中野が声を掛けて来た。

「……すいません」

 七海は決断し、②を切った。

 親が少々悩んで第一打に中張牌を切った為、他家の三人はやや警戒した雰囲気であった。七海は九をツモり、続けて④を切った。

「混一色か?七対子?」

 明らかに変則的な七海の捨て牌に日和亭が反応してくる。こうなれば役牌は切れまい。

(少しでも足踏みしてくれれば……あるいはチャンスがあるかも知れない)

 このような変則的な打ち方は好みではないがこうなれば四の五の言っていられない。これは部長や沙夜がたまに使ってくる戦法である。自分にもやれない事はあるまい。

「……失礼」

 上家の日和亭は七海を警戒しているのか考え気味に打っている。どうやら字牌を切れないらしい。五巡目、日和亭は七を切った。

「チー」

 七海はその七を八九で喰い、5を切った。

(これなら混一色かチャンタ、三色狙いに見えるはず)

 あえて情報を与えれば相手の手も止まるはずだ。後はゆっくり聴牌を狙う。和了れないのなら捨て牌で勝負だ。

 七海が鳴いた後のノノのツモ。


44②③⑥⑥11東西白白發 東


 ドラ表ツモの絶好の重なりで一向聴、字牌は切りにくい為、ノノは②を切った。

 九巡目、七海の手牌は以下の形になった。


二三五①①89東發中(七八九) 一


 ここで五か字牌のどれかを切れば混一色に見えるだろう。字牌はほとんど場に見えていないのでまだ重なりが期待できる。七海は五を切った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ