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五本場29

 そして八巡目に南を暗刻にした。


六七④⑤⑨⑨23456南南 南


 メンツオーバーである為どこかの搭子を落とさなくてはならない。常識的には索子の三面張を残しドラ筋の⑤、④切りが妥当なところである。まだリーチは掛かっていないし、対面に座る差し馬相手の中野は端牌をツモ切りしている為、まだ聴牌しているようには思えない。七海は⑤を切った。

 そして九巡目、1を引いて聴牌した。萬子が先に入れば索子三面張だったがこの際贅沢は言っていられない。

「リーチです」

 特に高い手という訳でもないが押さえ込みの意味も込めてリーチである。

 一発目先頭のノノはツモり、リーチの捨て牌をちらりと眺めると、手出しで場に三枚目の東を切った。七海には現物である。

 中野は安牌が無いのか、④の筋の①を手出しした。日和亭はツモ切りの北。

 一発で打ち込むと致命傷になりかねない為さすがに勝負に出て来る者はいない。まあそれならゆっくりツモ和了りするだけである。

 七海自身も一発は引けず、場が進んだ。

 結局七海はツモれず、流局してしまった。親のノノから聴牌申請を行っていく。

「テンパイ……」

「テンパイ」

「テンパイ」

「テンパイ」

 親から順に、開かれた手牌は以下の形。


八八九九②②⑧88西西中中

四五五六⑦⑧⑨678白白白

一二三七八八九⑥⑦⑧567


 さすがに筒子の両面を落とせば萬子索子は出て来ない。全員聴牌で、七海のリー棒は供託となった。

(五八は押さえられてて死に筋……)

 日和亭は最後に⑥を切っており、八を一点押さえている事になる。

(和了りは逃してしまいましたが全員の技量が推し量れました。やはりこういう場所の方が強者はいるもの……)

 七海のリー棒は親に預かられ、一本場となった。

 東一局一本場、ドラ七。親は続けてノノ。

 まだ流れがあるか、七海は六巡目に聴牌した。

「リーチです」


一二三七七④⑤⑥⑧⑧34西 ⑧


 ここから西を切ってのリーチである。リーチドラドラ、ツモか一発裏ドラで満貫である。

 ノノは七海の現物1の手出し。中野は手出しの自風の南。日和亭は七海のリーチ牌の西。七海は一発目をツモろうとしたが、不意に中野が声をあげた。

「ロン、一六◯◯は一九◯◯」


四四五五112233南南西


 手としては七対子のみであるが、中野はリーチ一発目に自風の南を手出ししている。つまり南を手出しせずとも、現物の西を切って四五のシャボ待ちも可能であったはずだ。

「現物待ちか。やられたな」

「二盃口もありましたしね」

 聴牌からの待ち変えで南を切ったのか、それとも数牌が入っての南切りかは不明だが、リーチの現物待ちになったのであれば確かに和了りは確実であろう。

「リー棒もらうぜ、及川」

 中野は供託してあった二本のリー棒も回収して行った。

(まだそこまで差は付いていない……ワンチャンスで逆転出来る)

 リーチは不発になったが、七海は腐らずに、手牌を崩して流した。

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