人形遣いと??の話(4)
「それで、どうするの?私の力を貸してほしいとか?口止め料としてまあ、ある程度のことは手伝ってあげられるよ?」
「手伝う?手口さん案外上からだねえ」
お前に言われたくはない。
「手口さん自分が人形遣いであることを驕ってないみたいなこと言って本当は少し自慢なんじゃないの?手伝うなんて言葉は圧倒的上位……」
彼女の言葉はそこで途切れた。
「あ、ごめ……」
テーブルの上で陽気に踊っていたくまの人形がナイフを思いっきり社さんに投げたのだ。
こんなナイフが刺さるなんてまずありえないと思っていたのだが、驚くべきことにナイフは彼女の肩に刃の半分位まで深々と突き刺さった。
「ふむ」
しかしおかしい。
「まあ今から言おうと思っていたことだけどさ。あ、ナイフなら大丈夫。怪我をするのは生き物だけだよ」
彼女からは全く血が流れない。
「意外と頭に血が上るんだねえ。いや、これは私が悪かったな。私は人をからかう癖があるのだ」
ナイフを抜き取って机に突き刺す。
「化け物は私なんだよ」
机から血は流れなかった。
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