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人形遣いと??の話(2)

場所は変わってとあるカフェ、長い話があるからと引きずられるようにやってきたのだが。

「制服姿浮くなあ」

 すごいおしゃれなところに来てしまった。私の記憶ではカフェにシャンデリアはついていない。逆に悪趣味だ。

「どうかしたか?」

 一方の彼女はそんなことはなく、同じ制服なのに何故かこの店と調和していた。ということは制服の問題よりは本体の問題なのだろう。

「そう気張るなよ。化け物扱いしたことは悪かった。好きなものを頼んでくれ。代金は私が持とう」

 そんなことを言われても私はさっきまで病槻くんと話していたのに、意味のわからないままにここに連れてこられて、クラスの華、お嬢様の社さんがお嬢様ではなく女王様で、さっき見たメニューリストによると、コーヒー一杯千円など書かれていて、とてもそんなこと出来やしない。

「ふむ、カフェに来るのは珍しいのかな?店員さんコーヒー二つとケーキ……手口さんはチョコレートは大丈夫かな?」

「え?あ、うん」

 敬語にならないように気を使いながら話す。

「ならチョコケーキ二つ。持ち帰りにもう二つ用意していて欲しい」

 チョコケーキ、恐らく出てくるであろうものはショートだろう。お値段五千円である。お持ち帰りの丸々ひとつ分の方は二万円。

 計五万二千円。

「ブルジョアだ」

「さて、聞いて欲しい話というのはほかでもない」

 社さんは腕と脚を組み、尊大な態度でこちらを見る。

「君のことを化け物と言ったが、あれは言いすぎた。要は君には人形を意のままに動かせるという謎の力があるだろう?」

 私は無言でカバンに付いていたくまの人形を外し、机の上においた。

「素晴らしい」

 そのくまは机の上のメニューリストを持ち上げ、元の場所に戻した。

「どこで知ったのか知らないけど、うん。できるよ?なんの役にも立たないけどね」

 本当だ。人形なんて動かせても何の役にも立たない。人形を兵器化して多数動かせば世界侵略できる気もしたが、残念ながら私が動かせる人形は布や絹で出来ているものだけだし、一度にいくつも動かせない。

「ハッ、当たり前だ。人形なんて動かしても何もできないし、人に言い触らす面倒くさいことになる。しかし大切なことは」

 社さんは初めて、私に興味を持つように睨んだ。

「君がその力を疎んでいるということだ」



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