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第4話 消えた首都

 

 

 さて、まずポロリへと出発だ。



 偽の身分証をカナからそれぞれ受け取ると、中身を確認した。



 「名前は、そのままなんだな」



 「ええ、そうよ。 個人の名前を変える意味は、あんまり無いし、ギルドは、架空のギルドで私たちは、正規の戦士て事にしたわ。 」



 「正規戦士、4人の駆け出しギルドか~ まあ妥当だな。 しかし、このギルド名はもう少し何とかならなかったのか? 」



 ギルド名には、“マンコ・カパックジア皇帝”と書かれていた。



 「1200年頃に存在したとされている、インカラ神話上の初代クスコ国の王様の名前か~ マズく無いか? 」



 「大丈夫よ、今回しか使わないわし」



 「まあ、偽造だしな……… 」

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 俺たちは、ポロリ国にやって来た。



 「流石に寒いですね」



 「本当、寒いわね、乾燥してるから、お肌にも悪いし」



 「私は、平気だぞ。 みんな鍛え方が足りないんじゃ無いか? 」



 「獣人て、寒さに強いのね。 ソラも平気そうだし」



 「人間が鈍感なんだよ、俺たちや獣人は、周りの温度に素早く体温調整してるだけで、ちゃん寒いかったり、暑かったりしてるの」



 「何か怪しいわね~ まあ良いわ」



 しばらく歩くと、今回の協力者の店が見えてきた。



 この街の風俗店は、地味な見た目で、隠れ家にはぴったりだ。



 休憩を挟んで、頼んでおいた、馬車を確認する。



 草原の馬、2頭・4人乗り馬車・馬の餌、順番にチェックをしていく。



 流石は、信頼と実績のある淫魔のネットワークだ、伊達にエロいわけじゃ無い。



 「早速、出発しましょうか」



 カナがお金を払い、馬車へと乗り込んだ。



 俺が、馬車を走らせながら 「一泊ぐらいは、した方が楽だったな」と言うと。



 「店に泊まると、大変だと思うわよ。 私は嬉しいけどね。 」



 「確かに、風俗店だからな、泊まるとなると正直苦手だな。 」



 「俺たちの、ギルドも風俗店なのにか? 」



 「そう言われると、そうだが、雰囲気が違い過ぎる。 それとも、ソラは遊びたかったのか? 」



 「あら。 それなら、私が相手をしてあげるわよ。 し・か・も・タダで(笑) 」



 「遠慮しとくよ、今はね。 ところで、あの店の相場はイクラぐらいなんだ? 」



 「そうね~ 基本は、どの国でも、男性の紳士靴の値段が、適正価格ね。 サムライの国の人間は大概、ボラれてるけど」



 「そんな、もんなんだ……… 」



 たわいも無い、会話をしてる間に、今夜の目的地に付いた。



 目的地と言っても特別な物が有るわけでは無いが、湧き水が有る岩場だ。



 馬の世話を、ミリアに頼み、テントを張る。



 テントの周りを堀り、水の逃げ道を作る、この地方で、今の季節なら必要無いと思うが、万が一雨が降った時の備えだ。



 テントの中で、食事の準備にとりかかる。



 羊肉を軽く焼き、ジャガイモと人参、タマネギを加えた鍋を作る。



 近くで採った、ネギに似た野草を加えて完成だ。



 この辺りの人は、塩とバターで味を付けるが。


 サムライの国の生活が長いせいか、この味噌仕立ての鍋は、非常に旨い。



 唐辛子の粉を適当に、かけて食べる。 コレが白いご飯にも、酒にも良くあうのだ。



 まずは肉を一口、ガブリとかぶりつくと、脂の旨さが口イッパイに広がる……… さらに、ホロリと柔らかな肉が口の中でほどけるのだ。



 味噌仕立てにしたおかげで臭みも無い。



 イヤ、本当は有るのだか、この味噌の風味が包み込んでより旨くなって居るのだ。



 ジャガイモも人参も旨いが、このトロリとけたタマネギの旨いさは、何だろうか? コレを米と一緒に、口イッパイにカキコム。



 下品な食べ方だが、コレが旨いのだ。



 米は、直ぐにたべつくせば、後は酒の出番である。



 肉を食えば、旨味が口に残る内に酒を呑む。



 野菜を食えば、野菜の旨味が残る内に酒を呑む。



 ただそれだけだ。



 芯の太い酒だからこそできる飲み方だ。



 お上品な、酒も良いが、こういった飲み方をするには、下品な酒の方が凄く旨いのだ。



 だが……… キャンプに来てるわけでは無いので、酔うような飲み方はしない。 せいぜいコップに二杯である。



 「ご馳走さま 美味しいかったね」



 「ええ、本当に美味しいかったわね。 」



 「矢張り、鍋は味噌仕立てに限るな。」



 食べ終わり、ひといき付いたら、トイレに行きたくなった。



  食べたら、出す、コレは人間の基本だ。


 

 「トイレにいってくるわ」



 スコップ片手に、草むらにゴー………。



 満点の星空を眺めながら出すのは、癖になりそうなほど爽快だった。



 スコップで埋めてテントに帰ったら、丁度リクが着替え様としていた。



 「何止まってるんだ、続けてよ、むしろ続けて下さい。 」



 「続けるわけ、無いじゃ無いですか!! 」



 そう言いながらも、結局着替えるみたいだ。



 「ソラさん」



 「何? 」



 「私の下着が、全部ゴリラ何ですけど……… 何か心あたりありませんか!! 」



 「ああ、俺が最後にチェックした時に、変えてあげたんだ、お礼なら気にしなくてイイよ。 よせて何すんだ!! 」



 「ソラの説明不足だな。 リクちゃん、見て」



 カナの下着もゴリラの下着で、ミリアに至っては、さらしまで、ゴリラのプリント柄だった。



 「草原の国は、ゴリラの下着が基本なのよ。 ソラ説明ちゃんとして上げなさいよ」



 「ちゃんと、ゴリラや猿系にしろて言ったんだけどね」



 「それだけじゃあ、分かんないわよ。 ここは、ソラが悪いんだから、謝りなさい」



 「リク ごめんなさい」



 罰として、食事の後片付けをなぜか、させられた。



 洗った食器を、アミ袋に入れて、針金を曲げた金具で干しておく。



 内陸部なので、すぐ乾燥するはずだ。


 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 翌朝、軽く食事をとると朝風呂代わりの、クリーンと言う洗浄魔法でスッキリしてから、荷物を片付けて出発した。



 予定どうり、全ては進んだはずだったのだが。



 草原の国の首都は、すでに移動した後で、何も無い草原に戻っていた。


 「1日遅かったみたいですね」



 「どちらに向かったか、ミリア分かるか? 」


 「もちろんだ。 皆は、野営の準備をしててくれ」



 草原の国は、遊牧民族の国だ。



 内戦中とゆう事もあり、普段とは違う時期に、首都を移動させたのだろう、コレは大きな誤算だった。



 寒い中、探索してくれるミリアの為に、テントの中を暖めて、熱いアップルティーを用意した。



 「おかえりー。 どんな感じだった? 」



 アップルティーを配りながら訪ねると、やはり南に移動してる様だ。



 遊牧民といっても、色々な種類が有るが。



 この国の場合は、騎馬民族と言うべきだろう。


 冬の寒い季節に、餌が豊富な地域は、限られる。



 結果として、広い地域から集まって巨大化することになる。



 「テロが増えそうですね」



 「混乱に、巻き込まれるか、それとも、上手く乗れるか……… 余りやりたく無いかけだな。 」



 「せめて、敵の姿が見えれば楽になるんだが」

 猫舌のミリアにわ熱すぎたのか、フーフーしながら話しを聞いていた。


 「内戦と、今回の薬師の三神さんの殺害は、ヤッパリ関係有るんだよな? 」



 「そう思いますわ。 次期国王のパロスと政府軍のナペスは、兄弟ですわ。 この2人の争いに何か有ると見るべきでしょうね」



 「私は、ペナスが怪しいと思うな」



 全く根拠など無いだろうが、猫族……… イヤ、ミリアの感は良く当たるので、聞き流すわけには行かないのである。


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