第2話 次から本編予定
二人のこされてしまった。
とりあえず部屋に帰って彼女の話しを聞く事にした。
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彼女と魔法陣を通り、自分のプライベートスペースの階へと移動した。
簡単にこのビルの事を説明すると、一階は店の名前を見ても分かるけどクラブかキャバクラの様な店で、従業員は人間を含む獣人などの亜人種が働いているのだが、その半数以上はサキュバスである。
インキバスの下位種族であるサキュバスも淫魔で、当然魔族である。
因みに、淫魔にも男と女が居るし、魔族は魔族同士でしか、子供は出来ないし、人族は人族同士で無いとやはり、子供が出来ることはない。
二階と三階は、店の女の子たちの暮らすマンションになっているが、ここから、他のお店に行く女性も暮らして居る。
地下は全てマスターの魔法で作った迷宮で一階と二階は、淫魔たるサキュバスのエサ場に使われている。
イイ思いをして、多少疲れる程度に、食べられてしまうらしいが……… 深くは知らない。
もし死んでも、ほっとけば迷宮が食べてしまうので大丈夫なんだそうだ。
地下三階から十五階は迷宮らしく、スケルトンが徘徊し、いたるところにトラップが仕掛けられている。
地下十六階は、高速剣のミリアの部屋だ、爪とぎなのか、訓練でつけたのか、壁の傷が治る事が無いとか。
特にこの迷宮は、鉄筋コンクリート製で、鋼鉄の強度と筋肉の柔軟さと回復力が有るはずなのだが………
地下十七階は、金庫番のマリアの部屋になっている、星の神々を祭る神殿と治療施設が一応あるが………
迷宮が出来てからただの一度も使われた事がない。
もっとも治療施設を使わずとも、彼女の魔法で治ら無いケガなら、治療は無駄でしかないのだ。
地下十八階は、赤鬼のマスターことテツロウの部屋で、3メートル近い巨大な体に合わせて、天井も高く作られている。
鍛冶場が設置され、更に旋盤など特殊工具が揃えられた様子は、工場の様にしか見えない。
地下十九階は、インキバスのカナの部屋で、いつもも良い香りがしている、リーベンデールのママをして居るせいか、頻繁に女の子らが集まる部屋だ。
地下二十階は、俺の部屋で、特に変わった部屋では無いが、龍人族とハイエルフのハーフのせいだろうか? 武器と植物が多く飾られている。
地下二十一階は、会議室があり、その奥に進むと、ギルドマスターとセバスチャンの仕事場が有り、迷宮の核もここに有る。
「まあ、 建物の紹介は、こんな感じだ。 君を守るには、十分な施設て事は、理解してくれたかな? 」
「ハイ」
彼女の荷物を、解きながら、今度は彼女の事を聞いた。
彼女の名前は、三神 リク(みかみ リク) 18歳だ。
「男の子みたいな名前ですが、本物の女の子です。 」
確かに、「口には出せないが、髪もショートでボーイッシュなスタイルだ、 特に胸のあたりが……… 」
「口に出でるんですけど……… 然も以外に大きな声で、それにまだ成長期ですカラ……… 」
「アレ? 出てた? 将来性は感じ無いけど、あきらめなければ何とかなるさHAHAHA それに、こんなパンツ女の子しかもって無いよ」
荷ほどきした、荷物から、彼女のクマサンパンツを広げると。
マッハで回収されてしまった。
「もー 何下着を漁ったるんですか!! 」
「失礼な、たまたまだよ」
「ジャア、今ポケットに閉まった物出して下さいよ!! 」
「ケチ」
「………… 」
「ゴメン、ゴメン、冗談なんだから、そう怒るなて・な。 それで自己紹介の続きは? 」
見た目通りサッパリした性格の様で、多少怒りっぽいけど上手くやっていけそうだ。
しかし、一番肝心のなぜ薬師の三神さんが襲われたかのヒントは、つかむ事が出来なかった。
やはり、カナの情報収集に期待するしか無い様だ。
「ソラさんのことも、教えて下さいよ」
「俺のことか? つまらないぞ? 」
「俺はソラ、空から来たんだよ。 」
「へぇ??? 」と間抜けな声を無視して続けた。
嵐の海の真ん中に、一見島など何も無い場所が有る、その上空3万メートルほどの位地に浮かぶ島、その名も空島だ。
島を取り巻く様に嵐があり、ガラスの破片の様に鋭利で硬い氷が、矢の様に襲いかかってくる、危険な場所だ。
そんな嵐の目に空島は浮いている。
島の半分には、巨木の森があり、ハイエルフが住んでいる。
ハイエルフとは、寿命が千年にも及び、最強の魔力と広域での魔力の感知・操作能力を持っている、その能力のおかげで、弓や魔法を自在にコントロールし、見えない敵や木の後ろに隠れた敵にも当てることが出来るのだ。
何より、その見た目の美しさと、尖った耳はエルフ種の特長だろう。
そして、もう半分には火山があり荒れ果てた姿をしている、そこに龍人族が暮らしている。
龍人族は、身長2メートルのデッカイリザードマンに見える事から、ハイリザードマンと呼ばれる事も有るが、全く違うらしい。
龍人族の寿命も千年程度で、千年の寿命が有る人の仲間は、龍人族とハイエルフの2種しか居ない。
龍人は、硬いウロコに覆われ、ケガなどまずしないのにとてっもない生命力をもち、手足が千切れても生えてくるほどだ。
それに、1ヶ月程度は、飲まず食わずでも平気である、しかし、普段は大食いと言うのも特長だろう。
そして、強い魔力だけで無く、最強の闘気を自在に使う事が出来る、唯一の種だ。
魔力と違い闘気は、扱いが非常に難しい。
例を上げるとすると、肉体の強化魔法のアクセルならば、スピードの調節は難しく無いのだが、闘気による肉体の強化、ニトロではそうはいかない。
瞬間的なスピードは、アクセルなど問題にならないスピードを得られが、持続性に乏しく通常はコントロール出来ないのだ。
魔力は、川の流れの様に使い、闘気は、火山の噴火の様に使うと言われるほど、扱いが難しく、精々自爆に使うか、一部の達人が少し使う程度で、龍人族の様に精密に闘気をコントロールする事は出来ない。
もう一つの特長は、強力なブレスを使うことだろう、龍気炉と言う体内基幹で、魔力と闘気を合わせ、強力なブレスをはける、龍人族の成人の儀式は、炎の迷宮の中でブレスを放つのだ、逆に言えば、その様な場所以外では威力がありすぎて、全力では使えない。
更に空島の側面や島の下側には、大地をくりぬきドワーフが暮らして居る。
ドワーフの住む(Latens Curtis)今では普通に、秘密の城と言われる場所は、空島で最も賑やかな場所で、バザーが良く開かれていて、子供の頃は行くのが楽しみだった……… 。
「ソラさんは、龍人とハイエルフのハーフなのに、人間にしか見えないですね」
「良く言われるよ、龍人みたいに、ウロコは無いし、ハイエルフみたいにカッコいいワケでも無いからな! 多少耳が尖ってるぐらいしか、見た目は変わらないな」
「そうですね、女の子が憧れる様な……… 」
「いいよ、気を使わなくても 」
「見た目以外は、どんな感じなんですか? 」
「ウロコは無いから、防御力は人間と変わらないけど、魔力はハイエルフ並みだし、闘気も龍人並みだな。 」
「ソラの、知能も龍人並みね(笑) 」トッゼン部屋に入ってきたカナがつけくえた。
「………チィ 何かつかんだのかよ? 」
「つかんだわ、然もかなり厄介よ 」