何故・・・。
クウ・・・エターナル・アース人
キスカ・・クウの世界とは違う世界の住人
クウとキスカは、森を抜けところに見える、小さな村に着いた。だが、村人はクウ達を村から追い出してしまうのっだった。
二人はいい案を思いつけずにいた。夜は深まり、辺りは暗闇に包まれる。二人がいる岩場は、虫達のコンサート会場の様に、鳴き声で埋め尽くされている。そんな為か、キスカは眠ってしまっている。だがクウは起きていた。一人で、先ほど尋ねた村のことを考えているのだ。なぜあそこまで、人の話を聞いてくれないのか、何がそうさせるのか、考えてもまともな答えは出てくることはなかった。不意にクウの視界の端の方が、明るくなった。それも、村の方角だ。こんな時間にあそこまで明るいのは不思議である。村に何が起こったのか分からず、様子を見に行くとキスカに言おうとしたが、気持ち良さそうに眠っているキスカを起こそうとはクウは思わなかった。剣を持ち、一人村のほうへ移動する。村に近づくと、明るい訳が分かった。村が3分の1ほど燃えているのだ。クウは燃えていない建物の陰に隠れ、何が遭っているのかを確かめようと、村の中へ視線を向ける。村の中には地面に串刺しにされ、もう他界している者も数人いた。いったい何があったのだろうか。それをきちんと確かめるべく、移動しようとすると、数人の声が聞こえてきた。嘆き、喚き、泣きながら何かを言う声と、その声の主に怒鳴り散らかす声が。クウは、その声の方に向かっていく。ばれない程度まで近づき、様子を窺うと、少し歳を取った夫婦が、古びた服を身につけ、腰に長剣を挿した男に泣きついていた。男は身なりからして、山賊の様だ。クウは聞く耳を立て何を言っているのか聞いてみる。
「娘だけは、娘だけは連れて行かないでください。たった一人の子なんです。」
「知らないね。家に何も無いって言うから、仕方なく連れて行くんだ。連れて行かれたくなかったら、何か持ってきな!」
山賊の男は、夫婦の言葉を聞かず、若い娘を連れて行こうと背を向けた。その瞬間、山賊の男は、地面に倒れ伏した。
「な・・に・・。」
クウが切り倒したのだ。夫婦は顔面、真っ青にし、固まっている。山賊に連れて行かれそうになった娘は、そんな親の元へ行き、家の中へ入っていった。クウは一人で、山賊の骸の傍に立っている。それが拙かったのか、村を回っている他の山賊に見つかってしまい、近くに居た他の山賊と一緒に向かってきた。もう後戻りはできない。そう思いクウは、剣をしっかり握りなおす。
「お前が殺ったのか?・・・・。答えろ!」
山賊の一人が声を張り上げ、問いただす。クウは少し怯えながらも、答えた。
「そいつが悪いんだ。無理やり連れて行こうとするから・・。」
今の言葉は、山賊の男達を強烈に刺激する言葉だった。怒った山賊の一人が剣を抜き、斬りかかる。どうにかそれをかわし、反撃する。だが、流石にそう簡単には当たらない。クウの攻撃をかわし、右肩めがけた一撃が、風を切り、音をたて振り下ろされた。直撃はかわせたものの、少しかすり、痛みが一瞬肩をはしる。痛みを堪え構え直し、山賊を睨みつける。その時違う方向から、声がした。
「そこの青年、そう怒るな。まぁ、落ち着け。話をしようじゃないか。」
クウはギョッとした。自分の後ろから声がする。回り込まれた。
「何の話だ。お前らと話すことなんてない。」
自分を落ち着かせ前後に気を配り、警戒しながらながら答える。
「そう、怒って何になる。話し合いで解決しようって言ってんだろ。お前もだ、ルーク。そのエモノを下ろせ。」
ルークと呼ばれた男は、渋々剣をさげた。どうやら、村を襲っている山賊の親玉の様だ。
「それで話ってのはだな、お前、俺達の仲間になんないか?お前は見所がある。それに楽しいぜ、山賊稼業は。自由気ままにできる。ほしい物は奪えるは、逆らうものは殺してしまえばいい。どうだ、仲間にならんか?」
「いやだね。何でそんな事しないといけない。何が楽しいだ!人を殺すことが楽しいのか。イカレてる。最悪だ。死んでも仲間になんてなんねぇ。」
男は「はぁ」とため息をついき、呆れている。
「本当に・・・、死んでも良いんだな。・・・。後悔すんなよ。望みどうり殺してやるよ。ロシュア。お前を殺す名だ。覚えときな。」
「クウだ。俺は死なない。覚えとけ、俺がお前を殺る。」
そう言うと、クウもロシュアも剣を向け合った。二人は動かなかった。動けなかった。剣を持ってまだ、日がないクウでもわかる。動けば危険な状況ぐらい。だが、以外にも先に動いたのは、ロシュアだった。剣を縦横無尽に繰り出してくる。クウは受け止めるので精一杯である。ロシュアの攻撃がやんだ。
「よくもった。だが、終わりにしよう。じゃあな。」
ロシュアは言い終わると同時に剣を高く上げ、力一杯振り下ろしてきた。クウは剣で受け止めた。が、受け止めきれず、剣は二つに砕け、ロシュアの刃はクウを切り裂いた。
何を間違えたのだろう。どうしてこんなことになったのだろう。意識が薄れていく中、クウは思ったのだった・・・。
頑張るのでよろしくお願いします。