冷たくなった村へ
キスカの問は答えたものの、疑問を解決できなかったクウ。だが、同行することを認めてもらい、一緒に行くことに。
ここは、クウとキスカがいる場所から一番近い村。昼間というのに、人はおろか、動物さえ見当たらない。空気は重く感じ、どことなく、冷たい雰囲気を漂わせている。村の入り口の方から、馬の走る足音が聞こえてくる。それも、一頭の足音ではない。10頭はいるのではないかというほどの蹄めの音だ。実際、馬は11頭おり、乗り手も11人いるが、服は継ぎ接ぎだらけの古びたもので、それをまとっている者は、無精髭を生やし、目つきは悪く、いかにも悪事を働いているという様な男達なのだった。男達は村の中央まで行き、馬を止め大声で叫んだ。
「期限だ。さっさと持って来い!」
「さっさとしないか!」
「何をしている!」
男達は馬を降り、散らばって、ずかずかと色々な家に入っていった。数分たった後、男達は、色々なものを持って出てきた。食料を持っている者。衣類を持っている者。だが、そんな男達にしがみつき、叫んでいる者達もいた。返してくれと。取らないでくれと。だが男達は、そんな人々を蹴散らし、馬を止めているところまで集まり始めた。
「今日はこの辺にしておくか。」
一人の男がそう言うと、他の男達が気味の悪い笑いを顔に浮かべ、頷いている。そして男達はまた、馬に乗り、もと来た道を戻って行く。男達がいなくなった後の村は、泣き声や呪詛の言葉で埋め尽くされてる。
―クウ達は今、森の中にいる。クウが森を進もうと言い出したからだ。キスカは海岸を沿って行こうと行っていたが、クウが一歩も引かず、森を通ると言い続け、結局、森になったのだ。
クウは暢気に歩き、キスカは虫を掃いながら進んでいる。進んでいると、何処からか蹄の音がしてきた。が、馬の姿を見る前に、蹄の音は途絶えてしまった。
「あっ。音聞こえなくなった。人が乗っていたら、道を聞こうと思ったのに。」
そんな事をクウは言っているものの、顔は全然困っていそうにない。そうこうしているうちに、二人は森を抜けている。
「キスカ。あのさ、あれって村だよね。行ってみない。」
「そうだな。道を聞かないといけないしな。行ってみるか。」
そう言うと二人は、村の方へ進んで行くのであった。
毎度下手ですいません。
悪いところがありましたら、教えていただきたいのでよろしくお願いいたします。