仲間、そして真実?
青年と若い男は数人の男に襲われた。若い男が絶体絶命のピンチになった時、クウが変わり、男達を他界させていった。だが、そんなクウもその場に倒れてしまった。
キスカは驚き、数分何もせず座っていたが、血のにおいではっとなり、ここから離れることにした。そして、男達の間からクウを運び出し、丘の一番高いところに連れて行った。一時して、夜が明けた。もう、何時間たっただろう。日はもう空高く昇っていた。だが、まだクウはピクリとも動かなかった。もう死んだのだろうか、それとも生きているのだろうか。日が傾き始めた頃、クウに異変が起きた、うっすら赤毛だった髪が、うっすらだが緑色になってきていた。そう変化しているときに、クウは目覚めた。だが、キスカはいなかった。周囲を見渡しても、そこには誰もいなかった。ただ、丘の下には綺麗な海があり、すぐ近くには木々の茂る森があるだけだった。クウは空を見上げていた。日が沈み、辺りいったいが暗くなると、後ろの森から人が現れた。
キスカだった。手には沢山の木の実と、何かの肉を持っていた。キスカはクウに近づいてきた。
「体は大丈夫か?」
そう一言だけいうと、クウの横に腰を下ろした。今宵は新月で暗闇のせいなのか、クウの髪には気がつかなかったようだ。
「大丈夫です。ただ、・・お腹が減りました。」
キスカは、小さく笑い、大丈夫だと手に抱えていた物をさしだした。
「で、これからお前はどうするんだ。行くところはあるのか?」
「ない。というか、この辺のこと知らないし、何が起こっているのかもわからない。・・・それで、聞きたいんだけどさ、キスカについて行っていいかな?」
キスカは、驚き、聞き返してし、こう答えた。
「俺について来たら、たぶん危ないと思うぞ。」
確かに、昨日襲われたばかりだった。だが、キスカの思ってもいなかった言葉が返ってきた。
「そうなの?でも、キスカは俺よりこの辺には詳しいでしょ。どこか、俺が知ってるところにつくまででいいからさ。それと1人より2人の方が安全だと思うよ。あ・・。俺弱いから、足手まといになるか。う〜〜ん。」
キスカは、君は強いと言い返そうとしたが、やめた。今思えば、あの動きは尋常ではなく、ある意味化け物かと思える動きをしたのだ。キスカは、背筋がひんやりするのを感じたが、クウをつき放すことはなかった。
「わかった。一緒にきてもいい。だが、戦ばかりだぞ。」
キスカはそう言うと立ち上がり、腰に挿してあった剣をかざして言った。
「誓いを交わそう。剣をかざせ。」
そういわれ、クウも立ち上がり、剣をかざした。キィンと高い音が鳴りキスカ話し出した。
「我はここに誓う。このものクウと力を合わせ、危険な時は助け合うことを。」
「俺も誓う。キスカと力を合わせ戦うことを。」
クウはそう言うと、何故か笑い出した。何故笑うのか、キスカが聞くと、
「そりゃぁ笑うよ。だって今時剣合わせて、誓い合うなんて、何かのテレビ番組だけだよ。まさか、俺がするとは思ってなかったしね。あっ、そうそう、最初に会ったときさ、民族聞いてたけど、エターナル・アースの人間同士だし、民族ってあったのかな?」
「えたーなる・あーす?何かな、それは?」
クウは驚いた。クウはどうやら違う星に、違う世界にいるらしい。
「ここ、エターナル・アースじゃないの?えっ。うそ、じゃあここは何処なの?」