問題
怪しい人物を2人捕らえたクウたちは・・。
キスカは疑問に思っている。自分が生きていることに・・・・。ぶら下がっている人物2人のことに・・・。
そのことをイーシンに訊ねた。だが、イーシンも体が麻痺していて、ここにくるなり寝てしまったのだと、キスカに伝えた。イーシンに聞いているのをすぐ横で聞いていた、クウが答える。
「カクカクシカジカ・・・・。」
「なるほど・・・。で、この方々の事は・・・、何かわかりました?」
「ぜんぜん!何も!」
「・・・・・・」
辺りを沈黙が包む。
暗い。そして暗い。
なんという暗さだろうか。あまり近寄りたくはない雰囲気とでも・・・、言うのでしょうか。
だが、何も問題ないので、3人は食事をとる事にした。2人の目の前で・・・・。
「ぐる〜〜〜〜。」
腹の虫がなる音が聞こえる。
「ぐる〜〜。ぐる〜〜。」
うるさい気もする。
じ〜〜〜と、釣り下がっている2人を、食事中の三人が見つめている。それも、クウとイーシンは、食べながら・・・・。
意地汚い・・・。そう思いながらも、何もできない二人。
「あ!そうだ。こっちの仮面もとろう。」
楽しそうに言うクウ。本当に仮面に手を当て、とってしまう。
仮面が取れた顔は、顔立ちのいい少女だ。
「こっちも・・・・、女の子?」
「男だ!勝手に女にすんな!」
仮面を取られた人物は、叫ぶ。大声で・・・・。
その言葉に反対するように、空は言う。
「でも・・、その髪に、その顔だろ。それに、その声の高さ。どう考えても・・・。なぁ?」
イーシンとキスカに、同意を求める。
「確かに・・。それで、男だっていわれてもな。信じれるわけがないよな・・・。」
「そうだな。完全に女の子だな。」
イーシンにも、キスカにもそういわれた人物は、かなり・・、怒っている。
「違うって言ってんだろ。俺は男だ!」
無理やり声を低くし、喋っているので、かなりおかしい。
辺りに笑い声が漏れる。他に捕まっている人物も声にはださないものの、笑いを堪えるのに必死だ。
「なっ!?お前まで笑うなよ!少しは誤解を解くの手伝え!」
笑い声が大きくなる。
この人物以外、皆高らかに笑っている。
だがそこに、異様な雰囲気が漂ってくる。
暗闇の向こうから、重く、暗い雰囲気が・・・。
「教主様!助けに来てくれたのですか!」
今まで、馬鹿にされてきた人物が叫ぶ。
「教主?」
「グルルルルルルル。」
カイハクが、牙を剥き出しにし、闇の向こうを睨みつけている。
三人は、闇の方に目が行く。
そこには、灰色の年老いた狼に、しっかりとまたがった老人が居た。
「教主?って・・・、何?」
クウの口からもれた疑問である。
「さぁ・・・。まぁ、お偉いさんじゃない?と、カイハク、落ち着け。」
カイハクは、イーシンの言う事を聞き、少し落ちつきはじめている。
教主といわれた人物は、ゆっくりだが、着実にこっちに向かってきているのだった。
う・・・う〜〜〜〜〜。