新たなる門出
また、村は襲われた。そして、村の中央には・・。
クウは怒り悲しみそれを山賊に向けた・・・・。
クウは山賊を探している。その瞳は、怒りに染められている。その眼光の先に、山賊ロシュアが現れた。ロシュアもさすがにびびる。
「お・・お前・・、生きていたのか。な・・なんだよ。お前をたたっ斬ったこと・・怒ってんのか?それは、筋違いってものだぜ。俺もお前に斬られてたかもしれないんだからな。」
「違う。そんなことどうでもいい!」
「な・・なら、何だって言うんだ。」
かなり怯えている。
「村の人を・・・。」
「村の人を?何だよ・・。」
「なぜ・・殺した!」
この言葉に、凄みがこもっているせえなのか、ロシュアはしゃべらなくなる。
「なぜ・・、村の人を、殺したんだぁぁぁぁ!」
「な・・・なぜっていわれてもな、それが仕事だからな。頭に言われたんだ。そう・・・頭に村の奴等、半分殺ってこいってな。」
少し怪しい。どこまでが本当なのかさっぱり判らない。
「うるさい。もう黙れ!」
「黙れって、お前が聞いてきたんだぜ・・・。」
「うるさい。うるさい。うるさい。うるさいんだよっ!」
目にも止まらぬ速さで、ロシュアの懐までつめ、クウの刃が煌めいた。クウの攻撃は、確実にロシュアの喉を捉えた。
だがその攻撃は、予想を反するところから受け止められた。クウの剣を自分の横に現れた者に止められた。その者が持っている剣はどこかで見たことのある物だった。
それは・・・、イーシンの物。
クウは愕然とする。
「なぜ・・、なぜ止める。なぜそんな奴、守るんだぁぁぁ!」
手には力が入らなかったが、声にはかなり力が入っている。
イーシンは答えない。
「なに・・か、言・・えよ・・。何か言えってんだぁ!聞こえてないのかぁぁ!」
「少し、落ち着け・・。」
イーシンが答えたのはそれだけだ。
「な・・にが・・落ち着けって、何でだよ・・。お前も、そいつら倒せって言ったじゃんか!」
「あぁ、言ったよ・・。でも、殺せとは一言も言ってない。」
確かにそうである。
「それでも・・、それでも、君が止めることはないじゃないか!」
確かになぜ止めるのか、判らない。
「若頭・・、助けてくれるのですか・・。」
この一言で判った。なぜ助けたのか。イーシンは、山賊の親玉なのだ。
「イーシン・・君・・・、山賊の頭なの?こいつに村を半分殺せって言ったのか・・?」
「そんな事は言ってない。けど、俺が山賊の頭なのは本当だ。」
「なら・・。なら何で山賊を倒せなんて言ったんだ!」
この言葉は、ロシュアを驚かし、イーシンの表情を変えさせた。
「確かに言った。それは、俺達山賊じゃないと思っていたから。」
「何をっ!この辺には、山賊なんて[暁の空]って山賊ぐらいしか居ないってみんな言ってる。なのに、なぜ自分達じゃにと言えるんだ!」
「それは、俺達は弱いものから物を奪ったりしないから。それが、俺達、山賊[暁の空]の信念でもあるし、プライドだからだ。」
「じゃあなぜこいつらは・・。」「こいつらは、俺達を裏切ったも同然の者達だ。」
クウが言い終わる前にイーシンが言う。
「なら、ならいいじゃないか。そんな裏切り者なんか庇わなくたってっ!」
「違う。違うんだ。聞いてくれ。」
「何を!」
イーシンの顔は悲しみに染まっている。そんな顔を見ているクウは、怒鳴っている自分が、悪者のように感じてしまう。
「わかった。聞くよ。」
ありがとうと、目で感謝しイーシンは言う。
「君にこんな下種の血を浴びてほしくない。こんな奴は斬る価値もない。ただ、それではこの村人たちは気がすまないだろう・・。だから、こいつ等の処分は、村人に決めてもらう。そのほうが・・・、絶対にいいと思ったんだ。」
話すイーシンの顔はもっと暗くなっていく。
「・・・わかった。君の言うとおりにする。」
「ありがとう。」
それまで黙っていたロシュアは怒りと恐怖に陥り、
「冗談じゃねえ。そんなのごめんだ。なぜ、俺がそんなことされなきゃならねえ。お断りだ!」
そう言った瞬間、イーシンの刃が煌く。
ドサッ。ロシュアはその場に倒れこんでしまう。
「あれ?今、村人達に決めてもらうって言わなかった?」
「みねうち・・。ころしちゃいない。」
いつもの2人に戻っている。
2人はロシュアの足と手をきつく結んだ。ほかにこの騒動を起こした山賊も他に来ていた、イーシンの仲間に同じようにされている。
そいつらを、村の中央に集めた。
「頭、こいつ等どうしやす?」
「この村の村長を呼んできてくれ。こいつらを引き渡す。それと、この村の壊れた建物を他のみんなに造らせてくれ。頑丈で丈夫なのを。」
「分かりやした。」
そう言うと、山賊の男は姿を消した。一時して村長が現れた。イーシンが村長の方に向かっていく。
ふとクウの頭に不安が過ぎった。ジル達は・・・。
クウは走る。クウの家へ。家は崩れていた。
「おそ・・かった・・のか・・。」
クウの目にまた、涙が溢れる。
「クウさん。どうしたんですか?」
後ろから声をかけられる。
アランだ。その後ろにジルも居る。
「ん?どうした?」
ジルはのんきなものだと、クウは心の中で思った。
「なんでもない。」
クウは少し明るさを取り戻してきた。そこへ、イーシンがくる。
「これから、お前どうするんだ。お前この村の人間じゃないんだろう?いくところないらな、俺達のところに来ないか?」
クウの顔が引きつる。
「わ・わりぃ。いやなら良いからさ・・。そう怒んなよ。」
「怒ってない。」
完璧に怒っている。さすがにやばいと思ったのか、イーシンは他の仲間の所に逃げようと背を向けた。
「おい。村長とは何を話した。」
「ん?ああ、あいつら煮るなり焼くなり好きにしてくださいって。それと、今後、もしこんなことがまた起きたら、俺らに知らせてくれって。」
「そう。」
聞いたくせに、冷たく返事を返す。イーシンはそそくさと姿を消したのであった。
翌日、クウは草原に寝そべっていた。そして、あることを考えている。どうやってきたのか。ここにきたわけは。何をしするために。誰のために。何がために。そんな事をかれこれ2時間も・・。そこへ何も知らないイーシンが話しかけてくる。
「おっす。あのさ、昨日も聞いたんだけど、これからどうすんの?」
「う〜〜ん。イーシンは知らないと思うけど、俺この村に来る時、キスカって言う人といたんだ。だけど、怪我して一時動けなくなった。でも、キスカには気になる事があった。だから、その日に少し他の街に行ってくるって。それから、1ヶ月後に戻るって。だから、来たら、キスカと一緒に行くよ。」
「そうか・・・。わかった。」
イーシンの顔は暗い。空を眺めているクウは気づかない。そんなクウにじゃあと言って森に帰っていった。
それから10日後キスカはやってきた。
「遅かったね。キスカ、気になる事はわかった?」
「ああ、大体ね・・・。傷は?」
「直ったよ。」
「そうか。なら山賊は?」
「その山賊の頭が直々に退治した。」
「頭が?何故?」
キスカにとっては当然の疑問である。
「襲ってきてたのがね、その山賊のおきてを守らずに仲間に嘘ついてたんだ。それは、皆を裏切る事になる。だから頭がね。」
「そうか・・。」
何処となく暗い。そこへイーシンが馬を二頭と、いつものようにカイハクをつれてきた。
「もう行くんだろう?ならこの馬使えよ。あったほうが移動しやすいぞ。それとさ・・・、良かったらなんだけどさ、俺も行って良いか?」
「こちらは?」
キスカは聞く。
「ん?ああ、イーシン・ハイラ。山賊の頭。」
「君が山賊の・・頭なのか。」
「そうですが・・。やっぱり無理ですよね。」
「いや。別に良いのだが。山賊の頭なんだろう。仲間はどうする?」
「それは、一番信頼できる仲間に託す。」
「・・・。わかった。私はキスカ。キノ・キスカだ!よろしく。」
そういうことになり、イーシンも一緒に村を出た。
3人は北に向かっていった。
17目に出した〜雷の剣〜題名変だ〜〜。変すぎる・・・。
なんか違う。違いすぎる。まともなのを・・・。
まぁそんな事は置いといて、やっと村でた〜〜。うれしいようなうれしくないような・・。
まぁ今後面白いか面白くないか分かりませんが、頑張りますので、よろしくお願いします。