あの時から、この時に
キスカが旅に出た後、クウは眠っていた。目が覚め自分の見た夢の事を考える。そんな事をしているうちに、皆が起き、クウのところに。ジルノ娘アランがお礼と謝罪を言いに来ていた。クウは気にしなくて良いと言った。アランは部屋を出たが、ジルはクウに山賊のことを聞かれるのである。
ジルは、お茶とちょっとしたお菓子類を持って来てきた。それを、クウに近い机に置く。何処から話しましょうかと言い、ゆっくりと話し始める。
「あれは、4年前ですね。あなた方が抜けてきた森の奥に洞窟があるんです。最初は十人位の人数を引き連れて、体格の良い男が現れたんです。その男は、我々の村に来て、[森の周辺に住むことになりました。ですが、ご迷惑をかけませんので、今後よろしくお願いします]と言ってきたんです。」
変な話である。迷惑を掛けないと言っておきながら、今はこの村を襲っている。
「それから日に日に人が増えていった。1ヶ月くらいで、この村の人数と同じくらいになったんだ。ある日の事です。森を抜けてきた商人が、かなり怯えた顔をして村に飛び込んできた。その方は、[山賊に森の通行料を取られた]と言う。山賊など居ないといったのだが、[あの山賊がこの近くの森に居る]と言うんです。」
「あの山賊?」
あの山賊とはなんだろうか。クウは疑問に思い聞いたのである。
「はい。その山賊の名は、(暁の空)と言う各国に名をとどろかせた、大山賊。何故名をとどろかせる事ができたかと言うと、その山賊の数は約2,000人。村一つがです。それが各地に転々と広がっているのです。小国並ぐらいの人民がこんなに居るんですから、たまったもんじゃありません。しかもする事は、貴族か、商人、お金を持っていそうな人間ときている。まぁ、嬉しい事だと言えば嬉しいのですが、私達には関係ないことですから。ですがその被害も増えていくばかりで、政府に討伐をお願いしたんです。ですが兵隊はおろか、返事も返ってきませんでした。」
「それ・・、本当?最低な政府だな。それが政府のやる事か。助けを求めているんだ、助けてやるべきだろう。」
「そうだ。だけど現に、一人として来てくれなかったんだ。私も村の皆も、政府に反感をもった。それから月日が経った。2年前の事だ。この村にも、とうとう山賊が、やってきてしまった。そして我々に向かってこう言ったんだ。[食糧、衣服、金になりそうなもの持って来い!]と。私達は、逆らい数人は倒す事ができた。ですが、こちらも村人や、村が被害に遭ってしまった。そのためもう、今では逆らえなかった。そんな力がないから。それからと言うもの毎回色々なものを持っていったんだ。そんなある日、村に旅人が数人きたのだ。その旅人は、村の事を聞いて、[山賊を退治しに行く]と言い、村を出て行った。その日の暮れ方、旅の方達は、傷を負い返ってきました。そして言ったのです。[山賊は退治しました。もうこの村にはきません]と。私達は感謝の印に、お礼金を渡し、その日は盛り上がった。その翌日旅立ち、昔の生活に戻れると思った。ですが・・、その日の夜、また現れたのだ。山賊(暁の空)が。その山賊たちはなんと行ったと思います?・・・。こういったんだ。[もうあいつらは村を出たか?約束では夜には来て良いと言っていたが]とね。」
「約束?」
疑問が浮かぶ。約束って何だ?何の約束だ?そんな事を思ったが、思っても意味がないんで、続きを聞く事に。
「はい。約束とは[俺達が村を出るまで襲わないでくれ。お礼金をもらったら分け前をやる]と旅人に言われたと、山賊が。」
「はぁ?何それ。旅人とか言ってた奴、彼方達を騙してたわけ?」
人を騙してお金を得てもなんとも思わないなんて最低だ。
「そう。騙されたんだ。だから私達は他の人間を信じる事ができなくなった。そんな時に君達は来た。だが、だれも君達を信じなかった。」
「・・・そうか。だから追い出されたんだ。無理もないな。」
クウは納得したと同時に、旅人にとてつもなく腹を立てたている。そして心の中で誓った。そんな人間にならないと。
いつまで、この村に関わる事書くのでしょうか。自分でも分からず困っていますが、20までには終らせます。
どうぞ、飽きずにお読みください。よろしくお願いします。